BLOG
レモンバームの育て方

レモンバームの育て方|100均グッズを使って水耕栽培で育てる方法

【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年6月4日

レモンバームは水耕栽培で簡単に育てられる、初心者におすすめのハーブです。100円ショップのアイテムを使って、室内で清潔に栽培できます。土を使わないため虫の心配もなく、年中フレッシュなハーブを楽しめます。

1、レモンバームの基礎知識

レモンバーブとは

レモンバーム(学名:Melissa officinalis)は、シソ科の多年草で、レモンのような爽やかな香りが特徴です。別名メリッサとも呼ばれ、古代ギリシャ時代から親しまれてきました。

レモンバームの葉

レモンバームの主な特徴
  • 香り成分:シトラール、シトロネラール
  • 草丈:30~60cm
  • 葉の形:ハート型でギザギザの縁
  • 花期:6~7月に白い小花
  • 耐寒性:-5℃まで耐える
WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
レモンバームなどのハーブ類は根の発達が良く、水だけでもよく育ちます。また湿度を好むため水耕栽培にとても向いています。

 

2、レモンバームを水耕栽培で育てる方法

必要な材料

レモンバームを育てる時の材料

100円ショップで揃うもの
  • 1000mlのプラスチック容器
  • 2層構造のキッチン用スポンジ
  • アルミホイル
その他必要なもの
  • レモンバームの苗(園芸店で300円程度)
  • 水耕栽培用の液体肥料(ハイポニカ液肥など)

 

苗の準備

レモンバームの土を取り除く

水耕栽培を成功させるためには、苗についた土を完全に除去することが最も重要なポイントです。まず、ポットの底を軽く押して苗を優しく取り出します。この際、根を傷つけないよう慎重に作業してください。次に、手で大きな土の塊を優しく取り除いていきます。

 

竹串で土を落としている様子

根の間に入り込んだ細かい土は、竹串を使って丁寧に除去しましょう。

 

レモンバームの土を流水で落としている様子

ある程度土を落としたら、流水で根全体をしっかりと洗います。

 

流水と竹串で土を落としている様子

土が完全になくなるまで、竹串と水洗いを繰り返してください。土が少しでも残っていると、水耕栽培で根腐れを起こす原因となるため、この作業は念入りに行うことが大切です。

 

レモンバームの根を確認している様子

最後に、根に土が残っていないか最終確認を行い、傷んだ根があれば清潔なハサミで除去します。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
健康な白い根が見えていれば準備完了です。

 

栽培キットの作り方

スポンジをカッターで切っている様子

水耕栽培キットは、100円ショップのスポンジを使って簡単に作ることができます。まず、2層構造のキッチン用スポンジを容器の口径に合わせてカットします。

 

スポンジに十字を書く

次にスポンジに十字の切り込みを入れるため、ペンで十字の線を描きます。この際、2本目の線の端はスポンジの縁まで伸ばすことがポイントです。

 

スポンジをカッターで切った様子

カッターを使って線に沿って切り込みを入れますが、3箇所は繋がったまま、1箇所だけは完全に切り開いた状態にします。

 

スポンジにレモンバームを挟み込む様子

準備した苗をスポンジの切り口に挟み込み、茎と根の境目が十字の中心に来るよう調整します。

 

レモンバームの水耕栽培キット

最後に、苗を挟んだスポンジを容器にセットし、硬い部分が容器の縁にしっかりと引っかかって下に落ちないことを確認してください。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
2層構造のスポンジを使用することで、この固定が可能になります。

 

養液の準備

液体肥料

水耕栽培では、植物の成長に必要な栄養を養液として与えます。ハイポニカ液肥を使用する場合、500倍に希釈するのが基本で、水1リットルに対してA液とB液をそれぞれ2mlずつ加えます。

 

液体肥料を入れている様子

養液を作る際は、まず容器に水道水1リットルを正確に測ります。次に、A液を2ml加えてよく攪拌し、完全に混ざったところでB液を2ml加えて再度攪拌します。重要なのは、A液とB液を直接混ぜ合わせないことです。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
液体肥料は水に希釈してから混合することで、栄養成分が沈殿するのを防げます。

 

水耕栽培の始め方

水耕栽培キットに養液を入れた様子

準備が整ったら、いよいよ水耕栽培を開始します。作成した養液を容器に注ぎ、根の半分程度が浸かる水位に調整してください。全ての根を水に浸けてしまうと酸素不足で根腐れを起こすため、根の一部は必ず空気に触れさせておくことが重要です。

 

水耕栽培キットにアルミホイルを巻く様子

次に、容器全体をアルミホイルで覆って遮光対策を行います。植物の茎部分は覆わず、容器部分のみを完全に光から遮断してください。遮光を行うことで、水温の上昇を防ぎ、藻の発生を抑制し、根腐れを予防できます。また、光の反射による収れん火災を防ぎます。

 

レモンバーブの水耕栽培キットを屋外に置いている様子

アルミホイルを巻いたら、日当たりの良い場所に置いて育てます。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
レモンバームは日光を好むでベランダや庭などの屋外で育てるとぐんぐん成長しますよ。

 

日常の管理

レモンバームの水やりをしている様子

水耕栽培の日常管理は比較的簡単です。2~3日に1回程度、容器の水位をチェックし、減っていたら水道水で根の半分が浸かる程度まで補給してください。補給時には養液を使う必要はなく、水道水で十分です。

 

養液の交換をしている様子

最も重要な管理作業は、2週間に1回の養液の全交換です。古い養液を完全に捨て、容器を水道水で軽くすすいでから、新しい養液を作成して投入します。この作業により、根に蓄積した老廃物を除去し、新鮮な栄養を供給できます。夏場は水温が上がりやすいため、交換頻度を週1回に増やすとより安全です。

 

3週間後のレモンバーム

定期的に根の健康状態もチェックしましょう。健康な根は白色でハリがあり、無臭です。もし根が黒く変色していたり、ぬめりや悪臭がある場合は根腐れのサインなので、すぐに対処が必要です。また、葉の色や成長具合も観察し、異常があれば早めに対策を講じることで、長期間健康に育てることができます。

 

収穫

5週間後のレモンバーム

レモンバームは成長が早く、栽培開始から3週間程度で背丈が10cmから20cmに倍増します。5週間後には幅30cm程度まで成長し、初回の収穫が可能になります。8週間後には脇芽が充実し、2回目の収穫を迎えます。

 

レモンバームの脇芽を残して切る様子

収穫する際は、脇芽の上でハサミを使って斜めにカットします。この方法により、脇芽が成長して新しい茎になり、より多くの葉を収穫できるようになります。重要なのは、光合成のために全体の半分程度の葉を残すことです。一度に全ての葉を収穫してしまうと、植物が弱ってしまいます。

 

レモンバームの葉を収穫した様子

収穫後は、摘み取った葉をすぐに利用するか、冷凍保存しておくと便利です。残った部分からは新しい脇芽が伸び、約3週間後には再び収穫を楽しめます。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
適切な収穫を続けることで、茎の数が増えて収穫量も徐々に多くなり、長期間にわたってフレッシュなレモンバームを楽しむことができます。

 

3、レモンバームをお部屋のインテリアグリーンにする方法

レモンバームと水耕栽培用の容器

水耕栽培で3〜5週間程度、育てたレモンバームはおしゃれなガラス容器に移してインテリアグリーンとして楽しむことができます。WOOTANGの水耕栽培専用のガラス容器を使うことで、美しく伸びた根も観賞でき、お部屋の素敵なアクセントになります。

 

レモンバームのスポンジを取る様子

まず、元の容器からレモンバームを慎重に取り出し、根に絡みついているキッチン用スポンジを丁寧に取り除きます。スポンジを除去する際は、根を傷つけないよう注意深く作業してください。

 

WOOTANGの容器にレモンバームを入れている様子

次に、水耕栽培用のガラス容器にレモンバームを移し、根の半分程度が浸かるように養液を注ぎます。

 

インテリアにしたレモンバームをお部屋に飾っている様子

インテリアとして設置する際の重要なポイントは、直射日光を避けることです。透明なガラス容器は美しい反面、直射日光が当たると水温が急上昇し、根腐れの原因となってしまいます。そのため、明るいけれど直射日光の当たらない場所、例えば窓際から少し離れた場所や、レースカーテン越しの光が届く場所に設置するのが理想的です。

日常のお手入れも簡単で、養液が減ったら水道水をこまめに足し、2週間に1度は養液を全交換するだけです。

 

レモンバームを切った様子

こうして育てたレモンバームは、お部屋を爽やかに彩るインテリアグリーンとしてだけでなく、必要な時にフレッシュな葉を摘んでハーブティーや料理に使える実用性も兼ね備えています。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
レモンバーム栽培はとても簡単で、1年中たくさん収穫できるので、ぜひ挑戦してみてください!

 

4、よくある質問(Q&A)

Q1、根が黒くなって臭いがするのですが?

A1. 根腐れが起きています。以下の対策を行ってください:

  • 腐った根をハサミで除去
  • 養液を完全に交換
  • 容器を清潔に洗浄
  • 遮光と水温管理を見直す

 

Q2、成長が遅いのはなぜですか?

A2. 主な原因と対策:

  • 光不足 → より明るい場所に移動
  • 温度が低い → 15~25℃の範囲に調整
  • 栄養不足 → 養液濃度を確認・調整
  • 根の問題 → 根の健康状態をチェック

 

Q3、葉が黄色くなってきました

A3. 原因別の対処法:

  • 下の葉のみ → 自然な現象、古い葉を除去
  • 全体的 → 栄養不足の可能性、養液交換
  • 斑点状 → 病気の可能性、感染部位を除去

 

Q4、アブラムシがついてしまいました

A4. 駆除方法:

  • テープで物理的に除去
  • 強めの水流で洗い流す
  • 重症の場合は専用殺虫剤を検討

 

Q5、夏場の水温管理はどうすれば?

A5. 高温対策:

  • 直射日光を避ける
  • 涼しい場所に移動
  • 遮光を徹底する
  • 養液交換の頻度を増やす(週1回)

 

Q6、冬場も栽培を続けられますか?

A6. 冬場の管理:

  • 室内の暖かい場所で管理
  • 成長が遅くなるため養液交換は3週間に1回
  • 暖房器具から離して設置
  • 最低温度5℃以上を保つ

5、収穫したレモンバームの活用法・保存方法

水耕栽培で育てたフレッシュなレモンバームは、様々な方法で楽しむことができます。

収穫したレモンバームの葉

ハーブティーとして活用

最も人気の高い使い方は、ハーブティーです。レモンバーム5~10枚に80~90℃のお湯200mlを注ぎ、3~5分抽出するだけで、レモンの爽やかな香りが楽しめる美味しいハーブティーが完成します。甘味が欲しい場合は、ハチミツを加えると自然な甘さが香りを引き立てます。

単体でも十分美味しいレモンバームですが、他のハーブとブレンドするとより豊かな味わいが楽しめます。ミントと組み合わせると爽やかさが増し、カモミールと合わせるとリラックス効果の高いティーになります。どちらも手軽に試せるブレンドで、気分や時間帯に合わせて選ぶことができます。

料理で活用

料理での活用も幅広く、肉や魚料理の臭み消しとして重宝します。生葉をそのままサラダのトッピングにしたり、ケーキやアイスクリームの飾りとして使ったりと、見た目にも美しいアクセントになります。また、水やお茶に浮かべるだけでも、見た目と香りの両方で楽しめる爽やかなドリンクが作れます。

保存方法

収穫したレモンバームが使い切れない場合は、保存方法を工夫することで長期間活用できます。冷凍保存する際は、葉をよく洗って水気を取り、密閉袋に入れて冷凍庫で保存します。凍ったまま使用できるため、いつでもフレッシュな香りを楽しめます。また、風通しの良い日陰で3~4日乾燥させてドライハーブにすれば、密閉容器で長期保存が可能です。ドライハーブはハーブティーはもちろん、塩と混ぜてハーブソルトとしても活用できます。

レモンバームには健康面でも嬉しい効果があります。鎮静作用によりストレスを軽減し、抗菌作用で風邪予防にも役立ちます。また、消化促進効果があるため食後のティーとして飲むのもおすすめです。就寝前に飲むと安眠効果も期待でき、一日の疲れを癒してくれるでしょう。自分で育てたレモンバームだからこそ、安心して様々な用途で活用できるのも大きな魅力です。

 

6、まとめ

レモンバームの水耕栽培は、初心者でも簡単に始められる魅力的な栽培方法です。100円ショップの材料で始められ、適切な管理で長期間収穫を楽しめます。

成功のポイント
  1. 土の完全除去で根腐れ防止
  2. 根の半分浸水で適切な水位管理
  3. 2週間に1回の養液交換
  4. アルミホイルによる遮光対策
  5. 脇芽を残した適切な収穫

清潔で管理しやすい水耕栽培で、フレッシュなレモンバームを育て、料理やティータイムを豊かに彩りましょう。適切な管理を行えば、何度でも収穫でき、香り高いハーブライフを楽しめます。

【水だけで育てる植物ブランドWOOTANG(ウータン)で水耕栽培の観葉植物を育ててみませんか?】
水耕栽培だと毎日の水やりが不要で、お手入れ簡単!砂ぼこりや虫の心配もなく清潔で、お部屋のどんな場所でも育てることができます。 販売サイト:WOOTANG

WOOTANG