モンステラの育て方【完全版】初心者でも失敗しないコツと水耕栽培テクニック
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年11月28日
大きな葉に入った切り込みが魅力的なモンステラ。おしゃれな観葉植物として人気ですが、「ちゃんと育てられるかな?」と不安に思う方も多いはず。でも大丈夫です。モンステラは実はとても丈夫で、初心者の方でも簡単に育てられる植物なんです。
この記事では、モンステラの基本的な性質から毎日のお世話、水だけで育てる方法、増やし方まで、わかりやすく丁寧に解説します。難しい専門用語は使わず、誰でも実践できる内容になっています。
1、モンステラってどんな植物?
モンステラが自生している場所を知ろう
モンステラは中南米の暖かいジャングルで生まれた植物です。自然の中では大きな木に巻きついて上へ上へと伸びていきます。森の中の、あまり日が当たらない場所で育っているため、強い日差しは苦手です。
ジャングルの環境は一年中暖かく(気温20〜28℃くらい)、湿度も高いのが特徴です。この性質を理解しておくと、お部屋での育て方もわかりやすくなります。つまりモンステラは「暖かくて、明るいけど直射日光は当たらない、ちょっと湿った環境」が好きなんです。
葉っぱの切れ込みはなぜあるの?
モンステラの葉っぱにある切れ込みや穴には、ちゃんと意味があります。大きな葉っぱに切れ込みがあることで、上の葉っぱの下にある葉っぱにも光が届くようになり、植物全体で効率よく光を利用できるんです。
また、ジャングルでは時々激しい雨や強い風が吹きます。葉っぱに切れ込みがあると風の抵抗が減って、葉っぱが破れにくくなります。さらに大きな葉っぱの中で水分や栄養を運ぶのも、切れ込みがあることで効率的になります。
ちなみに若いモンステラの葉っぱには、ほとんど切れ込みがありません。「うちのモンステラ、切れ込みが少ないけど大丈夫?」と心配する必要はありません。葉っぱが5〜6枚くらいに増えてくると、だんだんと小さな穴ができ始め、それが大きくなって葉っぱの端まで届くと、あの特徴的な深い切れ込みになるんです。つまり切れ込みが少ないのは、まだ若いだけなんですね。十分な明るさと、ストレスのない環境で育てると、よりきれいな切れ込みが現れやすくなります。
茎から出てくる「気根」って何?
モンステラを育てていると、茎から根のようなものが出てくることがあります。これを「気根(きこん)」と呼びます。見た目が気になるかもしれませんが、これは異常ではなく、むしろモンステラの大切な部分です。
自然の中では、この気根で他の木にしがみついたり、空気中の水分を吸収したりします。お部屋で育てる時は見た目が気になることもありますが、全部切ってしまうのはおすすめしません。気根は植物を支えたり、補助的に栄養を吸収したりする役目があるからです。
もし気根が伸びすぎて邪魔な場合は、全部切らずに適度な長さに調整したり、土の中に入れてあげたりすると良いでしょう。また後で説明しますが、この気根を使うと簡単にモンステラを増やすこともできます。
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2、どこに置けばいいの?場所選びのコツ

明るさの調整が大切
モンステラにとって一番良い場所は、レースのカーテン越しに柔らかい光が入ってくる窓際です。窓から2〜3メートル離れた明るいお部屋でも十分育ちますが、暗すぎると茎がひょろひょろと間延びしてしまい、あの特徴的な葉っぱの切れ込みもできにくくなります。
南向きや東向きの窓から少し離れた場所が理想的です。西日が強く当たる窓際は、葉っぱが焼けて茶色くなる原因になるので避けましょう。また時々鉢をぐるっと回してあげると、全体に均等に光が当たってバランス良く育ちます。季節によって光の強さも変わるので、夏は窓から少し離して、冬は窓に近づけるなど、微調整してあげると良いですね。
温度と湿度の管理
モンステラは暖かい場所が大好きです。快適に育つ温度は18〜30℃くらいで、最低でも10℃以上を保ってあげましょう。5℃以下になると葉っぱが傷んで、最悪の場合枯れてしまうこともあります。
春から秋はお部屋の温度で大丈夫ですが、真夏に35℃を超えるような暑さが続く時は、風通しを良くして葉っぱが熱くなりすぎないように気をつけます。冬は窓際が夜になると急に冷えるので、夕方以降はお部屋の真ん中あたりに移動してあげると安心です。
湿度については、霧吹きで葉っぱに水をかけてあげる「葉水(はみず)」が効果的です。乾燥しやすい時期には1日1回、葉っぱの表と裏の両面に霧吹きで水をかけてあげましょう。ジャングル生まれの植物なので湿気が好きなんです。特にエアコンや暖房を使う時期は、意識的に湿度を保ってあげることが大切です。
風通しも忘れずに
空気がこもった場所だと、虫が発生しやすくなったり、根っこが腐りやすくなったりします。時々窓を開けて新鮮な空気を入れてあげたり、扇風機やサーキュレーターで軽く風を送ってあげたりすると良いでしょう。
ただし、エアコンや暖房の風が直接当たる場所は避けてください。急に温度が変わったり、乾燥しすぎたりして、モンステラにとってストレスになってしまいます。
3、水やりの基本をマスターしよう

土で育てる時の水やり
土で育てる場合、土の表面が完全に乾いてから、鉢の底から水が出てくるまでたっぷりとあげます。水やりのタイミングは、指を土に2〜3センチくらい差し込んでみて、湿っていなければOKです。
春から夏の元気に育つ時期には週2〜3回くらい、秋には週1〜2回、冬の休んでいる時期には週1回くらいが目安です。ただしこれはあくまで目安で、お部屋の温度や風通し、モンステラの大きさによって変わってきます。
鉢の下のお皿に溜まった水は必ず捨てましょう。水がずっと溜まっていると根っこが腐る原因になります。常に土が湿った状態だと根っこが呼吸できなくなってしまうので、乾いたらたっぷりあげる、というメリハリが大切です。
水だけで育てる方法もあります
土を使わずに水だけで育てる方法があって、これを「水耕栽培(すいこうさいばい)」といいます。モンステラは水耕栽培にとても向いている植物で、気根から簡単に水の中で育つ根っこを出すことができるんです。
水耕栽培の良いところは、何といってもお世話が楽なことです。土で育てる時は「今日は水をあげるべき?まだ?」と悩むことがありますが、水耕栽培なら減った分の水を週に1回足すだけ。土ぼこりが立たないのでお部屋が清潔に保てますし、虫が発生する心配もほとんどありません。透明な容器を使えば根っこの様子が見えるので、何か問題があってもすぐに気づけます。

水の量の管理が成功のポイントです。根っこが腐りやすい性質があるので、水は常に少なめ、1〜2センチくらいにしておきます。根っこの一部を空気に触れさせることで酸素を取り込めて、根っこが腐るのを防げます。水が少ない方が新しい根っこも生えやすくなって、全体が元気に育ちます。
使う水は必ず水道水にしてください。浄水器を通した水や蒸留水は、殺菌のための塩素が取り除かれているので、バイ菌が増えやすくなって危険です。水道水に含まれる微量の塩素が、水が腐るのを自然に防いでくれるんです。もし水道水のカルキ臭が気になる場合は、一晩置いておいた水を使うこともできます。
水の交換は基本的に週1回、減った分を足します。そして2〜3週間に1度は容器の中の水を全部新しい水に替えます。この時、容器の内側にぬるぬるや緑色の藻が付いていたら、スポンジで優しく洗って清潔にしましょう。根っこも優しく水で洗い流すことで、根っこに付いた汚れを取り除けます。モンステラは他の植物と比べて根っこから出る汚れが多いので、定期的に根っこを洗うと健康に育ちます。
夏は特に気をつける必要があります。水の温度が上がると水の中の酸素が減ってしまい、根っこが酸素不足になりやすくなります。こまめに水を替えることがより大切になって、場合によっては週2回くらい替えることも考えます。直射日光が当たる場所は避けて、水の温度が30℃を超えないように管理しましょう。
水耕栽培でも肥料をあげることはできますが、注意が必要です。水に直接肥料を入れると根っこを傷めて、根っこが腐る原因になります。おすすめの方法は、液体の肥料を葉っぱにかけてあげることです。霧吹きに薄めた液体肥料を入れて、葉っぱの表と裏の両面に吹きかければ、葉っぱから直接栄養を吸収できて、根っこへの負担も少なくて済みます。もっと大きく育てたい場合や茎を太くしたい場合は、春から秋の元気な時期に月1回くらいこの方法で肥料をあげます。今のサイズを保ちたい場合は、基本的に肥料は必要ありません。
水耕栽培のモンステラは、そのまま水だけでずっと育て続けることができます。土に植え替える必要は全くありません。水の中で育つ根っこは水中での栄養吸収に向いているので、ちゃんと管理すれば土で育てるのと同じくらい、あるいはそれ以上に健康できれいに育ちます。ガラスの容器で育てるモンステラは、インテリアとしてもとてもおしゃれで、和室でも洋室でもどんなお部屋にも合います。
4、土で育てる場合の土選びと植え替え
どんな土を使えばいいの?
土で育てる時は、水はけと水持ちのバランスが大切です。お店で売っている「観葉植物の土」で十分ですが、自分で土を作る場合は、赤玉土を60%、腐葉土を20%、パーライトかバーミキュライトを20%混ぜると良いでしょう。
鉢の底には軽石を2〜3センチ敷いて、水はけを良くします。腐葉土などの有機物はコバエやカビの原因になることがあるので、使いすぎに注意です。軽石や鹿沼土を加えると水はけがさらに良くなって、根っこが腐りにくくなります。
植え替えはいつするの?
根っこが鉢いっぱいになると育ちが悪くなります。2〜3年に1度、元気に育つ5〜7月に植え替えをしましょう。
鉢の底から根っこが出ている、水をあげた後の水の流れが悪い、明らかに育ちが悪くなったという時が、植え替えのタイミングです。
植え替えの手順は以下の通りです。新しい鉢は今より一回り大きいサイズを選びます。鉢の底にネットと軽石を入れます。モンステラを慎重に取り出して、古い土を落とします。黒くなった根っこはきれいなハサミで切り取ります。絡まった根っこは優しくほぐします。新しい土を鉢に入れて、モンステラを真ん中に置きます。支柱が必要な場合は、植え付ける前に立てておきます。周りに土を入れて軽く押さえます。最後に鉢の底から水が出るまでたっぷりと水をあげます。
作業の後1週間くらいは直射日光の当たらない場所で様子を見て、根っこの回復を待ちます。肥料は1ヶ月後から再開します。
5、栄養管理と施肥テクニック

肥料の種類と特性
現状の大きさを維持する場合、基本的に施肥は不要です。生長促進や葉色向上を目指す場合のみ、成長期に限定して与えます。
液体肥料は即効性があり濃度調整が容易で、2週間に1回、規定濃度の半分から開始します。水耕栽培では葉面散布を推奨します。一方、緩効性固形肥料は数ヶ月間持続的に効果を発揮し、土の表面に置くか混ぜ込んで使用します。月1回程度の施肥で十分です。
施肥の実践方法
水耕栽培において、水中への直接投入は根を傷める原因となります。霧吹きに希釈した液体肥料を入れ、葉の表裏に散布する方法が安全で効果的です。葉からの栄養吸収により、根への負担を回避できます。
土栽培では液体肥料を潅水時に混ぜるか、固形肥料を土の表面に配置します。斑入り品種では窒素過多により斑が薄くなる可能性があるため、観葉植物専用の配合肥料を選択します。
冬季は完全に施肥を停止し、植物の休眠を尊重します。
6、仕立てと形状管理

支柱の選定と設置
つる性のモンステラにとって、支柱は美しい姿を保つために不可欠です。
支柱にはいくつかの種類があります。ヘゴ棒は気根が絡みつきやすく自然な生長を促進するため最も人気があります。水苔巻き支柱は保湿性に優れ気根の発達を助けます。シンプルな棒状支柱はコストパフォーマンスに優れ、リング型支柱はつるを這わせて横方向の広がりを制御するのに適しています。
植え替え時に鉢の中央深くまで差し込み、麻紐や園芸用テープで茎を固定します。生長に応じて固定位置を調整し、自然な形を維持します。支柱は茎の成長点より高い位置まで立て、つるが自然に巻きつくよう誘引しましょう。
剪定の基本技術
健全な生育と美しい姿を保つため、適切な剪定が重要です。実施時期は6〜10月の生長期が最適です。
黄変した古い葉、バランスを崩す徒長枝、過密部分などを対象に剪定を行います。作業時は必ずビニール手袋を着用しましょう。モンステラの樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれているため、素手で触るとかぶれる恐れがあります。清潔で鋭利なハサミを使用し、葉の付け根から完全に切除します。一度に多くの葉を除去せず、数枚の健全な葉を残すことが大切です。
徒長した茎は思い切って短く切り戻し、新芽の発生を促します。剪定した健全な部分は、次で解説する水挿しでの増殖に活用できます。
7、水挿しでモンステラを増やす方法

水挿しが最も簡単な増殖法
モンステラを増やす方法はいくつかありますが、初心者にも成功率が高く最もおすすめなのが水挿しです。水挿しとは、切り取った茎を水に挿して発根させる方法で、土を使わないため清潔で管理も簡単です。モンステラは気根から容易に水中根を発生させる性質があるため、水挿しに非常に適しています。
水挿しの大きな魅力は、発根の過程を目で見て楽しめることです。透明な容器を使用すれば、白い根が日々成長していく様子を観察でき、植物を育てる喜びをより実感できます。また失敗のリスクが低く、適切な管理をすれば1〜2週間で発根が始まるため、初めての方でも安心して挑戦できます。
水挿しに最適な時期
水挿しを行う時期は、成功率に大きく影響します。最適なのは成長期である5月から7月で、気温が20〜25℃で安定し、湿度も適度に高いこの時期は植物の活動が最も活発です。温度が安定していることで発根が促進され、失敗のリスクも最小限に抑えられます。
避けるべき時期は、真夏の猛暑期である8月と冬場の12月から2月です。この時期は温度変化が激しく、植物にストレスを与えやすいため、水挿しの成功率が下がります。ただし室内温度が15℃以上に保たれていれば、冬でも水挿しは可能です。その場合は暖房で温度を保ち、湿度管理に特に注意する必要があります。
挿し穂の準備が成功の鍵
水挿しで最も重要なのが、適切な挿し穂を選ぶことです。モンステラは気根がたくさん生えている茎を使うと、水挿しの成功率が大幅に高まります。気根とは茎から直接出てくる根のようなもので、通常は空気中の湿度を吸収したり、他の物体に巻き付いて支えとなったりする役割を果たしています。この気根があることで、モンステラは水中でも新しい根を出すことができるのです。
挿し穂を作る際は、まず気根のすぐ下をハサミでカットします。切る位置は気根から1〜2センチ下が適切です。ハサミは事前にアルコールなどで消毒しておくと、細菌の感染を防ぐことができます。切り口は斜めにカットすると、水の吸収面積が増えて根の発生が促進されます。一度でスパッと切ることで、切り口を潰さずに綺麗に切断できます。
挿し穂の長さは10〜15センチ程度が理想的です。節が2〜3個含まれる長さを目安にしてください。短すぎると栄養不足で発根しにくく、長すぎると取り扱いが困難になります。
次に水に浸かる部分の葉を取り除きます。これは非常に重要な作業で、葉が水中にあると腐敗の原因となり、水質を悪化させてしまいます。下位の葉は茎の付け根から丁寧に取り外し、上位の葉は2〜3枚程度残します。大きな葉が残っている場合は、蒸散を抑えるため半分程度にカットしても構いません。
水挿しの実践手順

挿し穂の準備ができたら、いよいよ水挿しを始めます。容器は透明なガラスやプラスチック製のものがおすすめです。透明な容器なら根の成長過程を観察でき、異常があった場合も早期に発見することができます。容器の口は広めのものを選ぶと、空気の循環が良好になり、水が腐りにくくなります。専用の水耕栽培容器を使用すれば、植物を安定して固定できて管理がより楽になります。
容器に水を高さ3〜4センチ程度入れます。この時、枝から出ている気根がなるべく水に浸かるように調整してください。気根が水に触れていることで、そこから新しい根が発生します。茎の半分程度が水に浸かり、気根が完全に水中にある状態が理想的です。水は必ず水道水を使用します。
設置場所は、レースカーテン越しの窓辺など、明るい間接光が当たる場所が理想的です。直射日光は葉焼けの原因となり、また水温の急激な上昇により根の発生を阻害してしまいます。一方で、暗すぎる場所では光合成ができず、植物が弱ってしまいます。適度な明るさのある場所を選びましょう。
水の交換は非常に重要な作業です。週に1度は必ず新しい水に交換し、同時に容器も軽く洗浄してください。古い水には細菌が繁殖しやすく、これが根腐れの原因となります。水が濁ったり、嫌な臭いがしたりした場合は、週1回を待たずすぐに水を交換しましょう。夏場は細菌の繁殖が早いため、週2回程度の交換が安心です。
発根から水耕栽培への移行

最初の1〜2週間で気根が膨らみ始め、2〜3週間目には小さな白い根の先端が現れます。この瞬間が水挿しの最も感動的な瞬間です。4週間目には長さ5〜10センチ程度の立派な根が発達してきます。この白い根は水中の栄養を効率的に吸収するため、植物全体が元気になってきます。
新しく生えた白い根は水に適応している根なので、このまま水耕栽培で育てることができます。土に植えられた根とは異なり、水中根は水中での栄養吸収に特化しています。そのため、一度水挿しで水中根が発達したモンステラは、そのまま水だけで長期間育てることが可能です。水耕栽培として継続する場合は、前述の水耕栽培の管理方法に従って育てます。
土に移植したい場合は、根が10センチ以上伸び、複数本の健康な根が発達し、新芽の活動が確認できる状態になってから行います。ただし水中根から土中根への適応には時間がかかり、失敗のリスクもあることを理解しておいてください。水耕栽培のままでも十分に健康で美しい株に育つため、無理に土へ移す必要はありません。
水挿し成功のポイント
水挿しを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず必ず気根を含む部位を選ぶことです。気根があると新しい根が出やすくなり、発根までの期間も大幅に短縮されます。気根がない茎を使った場合、根が出る確率は大幅に下がり、発根まで通常の2〜3倍の時間がかかることもあります。
適切な温度維持も重要です。20℃以上の環境を保つことで、発根が促進されます。十分な明るさも必要ですが、直射日光は避けてください。清潔な環境の維持も成功の秘訣で、定期的な水交換と容器の洗浄を怠らないようにしましょう。
発根促進剤を使用すると、さらに成功率が向上します。メネデールなどの発根促進剤を水に数滴加えることで、根の発生を促すことができます。ただし規定の希釈倍率を守り、濃すぎる溶液は避けてください。
8. 困った時の対処法|よくあるトラブルと解決策
水挿しがうまくいかない時
2週間経っても根が全く出てこない場合は、気根がない茎を使っているか、水の温度が低すぎるか、明るさが足りないことが原因です。気根のある茎を使えば1〜2週間で根が出始めますが、気根がない場合は3〜6週間かかることもあります。温度が20℃以上で、明るい場所に置いているか確認して、もう少し待ってみましょう。
切り口が黒く腐ってしまった場合は、すぐに対処が必要です。腐った部分を完全に切り取って、健康な緑色の部分まで切り戻します。ハサミはアルコールで消毒してから使い、新しい水に交換して容器も洗います。最初の1週間は毎日水を交換しましょう。
水が緑色になって臭いがする場合は、藻が発生しています。すぐに水を全部交換して、容器を丁寧に洗います。置き場所を見直して、直射日光を避けた明るい場所へ移動させましょう。必要なら容器をアルミホイルで包んで光を遮り、藻が完全になくなるまで毎日水を交換します。
葉っぱの色がおかしい時
葉が黄色くなる原因はいくつかあります。一番下の古い葉っぱが1〜2枚黄色くなるのは自然な老化現象なので心配いりません。でも複数の葉っぱが同時に黄色くなる場合は、根っこが腐っているか、水が足りていない可能性があります。水やりの方法を見直しましょう。
葉っぱに茶色い斑点ができる場合は、葉焼け、病気、虫の被害などが考えられます。直射日光を避けて、風通しを良くすることが基本です。病気の部分は切り取って、必要なら園芸店で売っている殺菌剤を使います。
虫がついてしまった時
モンステラによくつく虫は、ハダニとカイガラムシです。どちらも乾燥した環境が好きなので、霧吹きで葉っぱに水をかけて湿度を保つことが一番の予防策です。
ハダニは葉っぱの裏につく小さな虫で、葉っぱに黄色い点々ができます。見つけたらすぐに、シャワーなどで強めに水をかけて洗い流しましょう。ひどい場合は園芸店で専用の殺虫剤を買って使います。
カイガラムシは茎や葉っぱに白い綿のようなものや、茶色い小さな塊としてくっついています。水で湿らせた綿棒で直接こすり取る方法が効果的です。風通しを良くして、時々チェックすることで予防できます。
根っこが腐ってしまった時
根腐れの症状は、葉っぱが黄色から茶色に変色して、全体的に元気がなくなります。鉢の底から嫌な臭いがしたり、土がずっと湿っている場合は根っこが腐っている可能性が高いです。
回復させるには、鉢から取り出して根っこをチェックします。黒くぶよぶよになった根っこはきれいなハサミで切り取って、白い健康な根っこだけを残します。新しい土に植え替えた後、1週間は水やりを控えて、霧吹きで葉っぱに水をかけるだけにして、根っこが回復するのを待ちます。
軽い根腐れなら、水耕栽培に切り替えるのも良い方法です。腐った根っこを取り除いた後、きれいな水に挿して新しい根っこが出るのを待ちます。
9、風水効果と空間演出

モンステラの風水と配置術
モンステラは風水において陰の気を持つ植物とされ、リラックス効果をもたらします。良縁招来による恋愛運向上、金運上昇、家庭円満、人間関係の調和などの効果が期待できます。
効果を高める配置場所として、玄関は悪い気を浄化し良い運気を招きます。リビングは家族の調和を促進し、寝室はパートナーとの関係性向上に効果があります。キッチンでは健康運と金運のバランスを調整する働きがあるとされています。
ただし、モンステラの健康が第一です。十分な明るさと風通しが確保できる場所を優先して選びましょう。
花言葉に込められた意味
モンステラの花言葉は「嬉しい便り」「壮大な計画」「深い関係」「献身・一途な幸せ」です。これらの前向きなメッセージから、開店祝い、結婚祝い、新築祝い、出産祝いなど、人生の節目の贈り物として最適です。
インテリアとしての活用
モンステラをおしゃれに飾るには、部屋のサイズに合わせた品種選択が大切です。鉢カバーやスタンドで高さを調整し、他の観葉植物との組み合わせで立体感を演出することもできます。ポトス、サンスベリア、フィカスなどとの相性が良好です。
透明な容器を使用した水耕栽培は、モダンでミニマルな空間に特に適しており、和洋を問わずどんなインテリアにも調和します。
10、よくある質問
Q. 葉の切れ込みが増えないのですが、どうすればよいですか?
A. 切れ込みは株の成熟とともに発達します。十分な光量、適切な栄養、健全な生育環境を整えることで、徐々に深い切れ込みが現れます。焦らず見守ることが大切です。
Q. 水耕栽培から土栽培への移行は可能ですか?
A. 可能ですが、水中根から土中根への適応に時間がかかり、失敗のリスクもあります。水耕栽培は長期継続が可能なので、無理に土へ移す必要はありません。
Q. 気根が伸びすぎて見た目が悪いのですが、切っても大丈夫ですか?
A. 完全除去は避け、適度な長さに調整するか、土に誘導して活用します。気根は補助的な栄養吸収と株の安定に寄与するため、全て除去すると生育に影響します。
Q. 冬にしおれてきました。どうすればよいですか?
A. 温度不足と光量不足が主因です。20℃以上の暖かい場所に移動し、明るい窓辺に配置します。暖房による乾燥にも注意し、葉水で湿度を保ちます。
Q. 水挿しで根が出ないのですが、失敗でしょうか?
A. 気根のある茎を使用すれば1〜2週間で発根しますが、気根がない場合は3〜6週間かかることもあります。20℃以上の温度と明るい場所で管理し、もう少し様子を見てください。
まとめ:モンステラ栽培の成功への道筋
モンステラは適切な知識と丁寧な管理により、初心者でも長く楽しめる観葉植物です。特に水耕栽培は手間が少なく衛生的で、現代の住環境に最適な栽培方法といえます。水挿しでの増殖も簡単で、気根のある茎を水に挿すだけで1〜2週間で発根し、そのまま水耕栽培として長期間育てることができます。
栽培成功の要点は、やわらかな間接光の環境、適切な温湿度管理、メリハリのある水分管理、控えめな施肥、定期的な観察とケア、そして清潔な環境の維持です。
モンステラの魅力的な切れ込み葉は、あなたの空間に南国のリゾート感をもたらし、風水効果により運気の向上も期待できます。この育て方ガイドを参考に、ぜひモンステラのある豊かな生活を始めてください。健全に育ったモンステラは、きっと日々の暮らしに癒しと活力を与えてくれるはずです。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>![]()


















