ガジュマルの育て方【完全版】初心者でも簡単に幸せを呼ぶ木を育てる方法
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年11月28日
ガジュマルは太い幹と独特な気根が魅力的な観葉植物です。沖縄では精霊が宿る神聖な木として古くから大切にされ、「幸せを呼ぶ木」や「多幸の木」という別名でも親しまれています。その強い生命力と育てやすさから、観葉植物を初めて育てる方にもおすすめできる植物です。
この記事では、ガジュマルの基本的な特徴から、日々のお世話の方法、トラブルへの対処法、風水効果や花言葉まで、ガジュマルを健やかに育てるために必要な情報を分かりやすくお伝えします。
1、ガジュマルってどんな植物?
ガジュマルはクワ科に属する常緑の樹木で、正式には「フィカス・ミクロカルパ」という学名を持ちます。日本では沖縄や屋久島、小笠原諸島などの温暖な地域に自生しており、熱帯から亜熱帯にかけての気候を好む植物です。
自然界では高さ20メートルを超える巨木に成長することもありますが、室内で育てる場合はコンパクトなサイズで楽しむことができます。ガジュマルの最大の特徴は、ぽってりと膨らんだ幹と、そこから垂れ下がる「気根」と呼ばれる独特な根です。この気根は空気中の水分を吸収する働きがあり、ガジュマルらしい個性的な姿を生み出しています。
ガジュマルが持つ魅力
ガジュマルは見た目の美しさだけでなく、育てる上でのメリットもたくさんあります。まず何といっても丈夫で育てやすいことが挙げられます。生命力が非常に強く、多少の環境変化にも適応できるため、観葉植物を初めて育てる方でも安心して挑戦できます。
また、ある程度の日陰でも育つ耐陰性を持っているため、置き場所の選択肢が広いのも嬉しいポイントです。日当たりの良い窓際はもちろん、明るい室内であれば十分に育てることができます。
さらに、他の観葉植物と同じように空気をきれいにする効果もあります。室内の空気を浄化しながら、おしゃれなインテリアとしても空間を彩ってくれる優れものです。
幸運を呼ぶ伝説と風水効果
沖縄では古くから、ガジュマルには「キジムナー」という精霊が宿ると信じられてきました。この精霊はガジュマルを大切に育てる人に幸せをもたらすとされ、昼間にガジュマルの前で願い事をするとキジムナーが叶えてくれるという言い伝えもあります。こうした背景から、ガジュマルは「幸運を呼ぶ木」として親しまれています。
風水の観点から見ると、ガジュマルは「陰の気」を持つ植物とされています。丸みのある葉が下向きに伸びる特徴が、気のバランスを整える効果をもたらすと考えられています。具体的には、金運の向上、良縁を引き寄せる効果、家族の絆を強める家庭運アップ、そして心身を癒すリラックス効果などが期待できます。
花言葉に込められた意味
ガジュマルには「健康」と「たくさんの幸せ」という2つの花言葉があります。「健康」という花言葉は、コンクリートの隙間からも根を張るほどの驚異的な生命力に由来しています。どんな環境でも力強く生き抜く姿が、健康と長寿のシンボルとして相応しいとされています。
「たくさんの幸せ」という花言葉は、先ほど紹介したキジムナーの伝説から来ています。豊かに広がる枝葉の姿が、まるで人々に幸福を分け与えているかのように見えることも、この花言葉の由来となっています。
こうした花言葉から、ガジュマルは贈り物としても人気があります。敬老の日には「ずっと健康でいてほしい」という願いを込めて、新築祝いや結婚祝いには「たくさんの幸せが訪れますように」という思いを込めて贈ることができます。丈夫で長く楽しめることも、ギフトとして選ばれる理由の一つです。
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2、ガジュマルを元気に育てるための基本
ガジュマルを健康に育てるためには、いくつかの基本的なポイントを押さえておくことが大切です。難しいことはありませんので、一つずつ見ていきましょう。

最適な置き場所の選び方
ガジュマルは基本的に明るい場所を好みますが、夏場の強い直射日光は葉焼けの原因になることがあります。理想的な置き場所は、レースのカーテン越しに柔らかな光が差し込む窓際です。東向きや南向きの窓辺であれば、朝から午前中の優しい日差しを浴びることができて最適です。
日陰でも育つ性質はありますが、手をかざして影ができる程度の明るさは必要です。あまりにも暗い場所に置き続けると、枝が不自然に伸びたり、葉の色が悪くなったりすることがあります。
また、エアコンや暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。乾燥した風に長時間さらされると、葉が傷んでしまいます。風通しの良い場所を選ぶことで、病気や害虫の発生を防ぐこともできます。
季節に応じた置き場所の調整
春から秋にかけては、日当たりの良い窓辺で育てるのが基本です。ただし真夏の7月から9月頃は、直射日光を避けてレース越しの明るい半日陰で管理しましょう。
冬場はガジュマルにとって少し厳しい季節です。熱帯原産の植物なので寒さに弱く、5度を下回ると葉が黄色くなって落ちてしまう可能性があります。窓際は夜間から朝にかけて特に冷え込むため、室内の中央寄りの暖かい場所に移動させると安心です。ただし、日光も必要なので、昼間は窓際に戻すなど工夫すると良いでしょう。
適切な温度管理
ガジュマルが快適に過ごせる温度は、15度から30度くらいです。理想的な環境温度は20度から25度程度と考えておくと良いでしょう。
最低でも5度以上を保つことが重要です。それ以下になると葉が落ちたり、株が弱ったりする可能性があります。反対に、35度を超えるような高温が続く場合も、生育が弱まることがあるため注意が必要です。真夏の暑い日には、涼しい場所に移動させることも検討しましょう。
3、水やりの基本とコツ
水やりはガジュマルを育てる上で最も重要なポイントの一つです。適切な水やりをマスターすることで、元気なガジュマルを育てることができます。
季節ごとの水やりの違い
ガジュマルへの水やりは、季節によって頻度を変える必要があります。
春の3月から5月頃は、ガジュマルが冬の休眠から目覚めて生育を始める時期です。土の表面が乾いたら水をやるようにしましょう。目安としては週に1回から2回程度です。朝の時間帯に水やりをするのが理想的です。
夏の6月から8月は最も生育が活発な時期で、水の消費量も多くなります。土が乾きやすいので、2日から3日に1回くらいのペースで水やりが必要になります。朝か夕方の涼しい時間帯を選んで、鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。
秋の9月から11月になると、徐々に生育が緩やかになってきます。水やりの頻度も減らして、週に1回程度を目安にします。気温の変化に注意しながら調整していきましょう。
冬の12月から2月は休眠期に入ります。水の必要量が大きく減るので、土が完全に乾いてから水やりをします。目安としては2週間に1回程度で十分です。室温が低い場合は特に控えめにしましょう。
正しい水やりの方法
水やりをする時は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えることが大切です。少しずつ何回もあげるのではなく、一度にしっかりと水を行き渡らせましょう。土の表面だけでなく、中まで十分に水分が届くようにします。
水やりのタイミングは、土の表面を指で触って確認するのが確実です。表面が乾いていて、指に土がつかないくらいになったら水やりのサインです。受け皿に溜まった水は必ず捨てましょう。水が溜まったままだと根が常に湿った状態になり、根腐れの原因となってしまいます。
冬場に水やりをする時は、冷たい水道水をそのまま使わず、室温に近い温度の水を使うと植物へのストレスが少なくなります。
葉水の重要性
ガジュマルは高温多湿の環境を好む植物なので、室内で育てる場合は空気の乾燥に注意が必要です。そこで重要になるのが「葉水」です。葉水とは、霧吹きで葉に直接水をかけることを指します。

葉水には複数の効果があります。葉の表面に潤いを与えて乾燥から守るだけでなく、ハダニなどの害虫予防にもなります。害虫の多くは湿気を嫌うため、定期的に葉水をすることで虫の発生を抑えることができます。また、葉の表面に溜まったホコリを洗い流し、光合成を促す効果も期待できます。
葉水は1日1回、午前中に行うのがおすすめです。特にエアコンを使う夏や冬は、部屋が乾燥しがちになるので毎日行うと効果的です。梅雨の時期や雨の日など、湿度が高い時は必要ありません。
葉水をする時は、霧吹きを使ってムラなく広範囲にスプレーします。葉の表面だけでなく、裏側にもしっかりと水をかけましょう。裏側は害虫が潜みやすい場所なので、特に念入りに行います。
4、肥料と土について
ガジュマルを大きく元気に育てたい場合は、適切な肥料を与えることも大切です。
肥料を与えるタイミング
ガジュマルに肥料を与えるのは、生育が活発になる4月から10月の成長期が適しています。この時期に定期的に肥料
を与えることで、健康的な成長を促すことができます。
春の4月から5月頃は、成長が始まる時期なので月に1回程度肥料を与え始めます。夏の6月から8月は最も生育が活発なので、液体肥料なら2週間に1回、固形肥料なら月に1回与えましょう。秋の9月頃までに施肥を終了し、冬に向けて準備を始めます。
冬の11月から3月は休眠期なので、基本的に肥料は与えません。この時期に肥料を与えると、かえって株を傷める原因になることがあります。
肥料の種類と与え方
肥料には大きく分けて液体肥料と固形肥料があります。
液体肥料は観葉植物用のものを水で薄めて使います。即効性があり、水やりと一緒に与えられる手軽さが魅力です。濃度調整がしやすいので、初心者の方でも安心して使えます。
固形肥料は緩効性の置き肥タイプがおすすめです。一度与えるだけで長期間効果が持続するため、手間がかかりません。肥料焼けのリスクも低く、株元から少し離して置くだけで大丈夫です。
肥料を与えすぎると根を傷める原因になるので、商品の説明書に書かれている量よりも少なめを心がけましょう。「少なめに、定期的に」が肥料の基本です。
適した土の選び方
ガジュマルは水はけが良く、適度な栄養を含んだ土を好みます。
市販の土を使う場合は、観葉植物専用の培養土が最適です。園芸店やホームセンターで「観葉植物の土」や「室内用培養土」として販売されているものを選びましょう。できれば天然土ベースのものを選ぶと良いでしょう。
自分で土を配合する場合は、赤玉土の小粒を6割、腐葉土を3割、パーライトまたは軽石を1割の割合で混ぜます。この配合により、水はけと保水性のバランスが取れた土になります。
5、剪定と植え替えのやり方
ガジュマルは成長が早いため、定期的な剪定と植え替えが必要になります。
剪定の目的とタイミング
剪定にはいくつかの目的があります。樹形を整えて美しい姿を保つこと、サイズをコントロールして大きくなりすぎるのを防ぐこと、風通しを良くして病気や害虫を予防することなどです。また、適切な剪定は新芽の発生を促し、より健康的な成長につながります。
剪定に最適な時期は、春から初夏にかけての3月下旬から7月上旬です。この時期は生育が活発なので、剪定後の回復が早く、新芽もすぐに出てきます。8月から9月でも可能ですが、10月から2月の寒い時期は避けましょう。
基本的な剪定方法
剪定をする時は、清潔で切れ味の良いハサミを用意します。ガジュマルを切ると白い樹液が出てきますが、これにはゴムの成分が含まれており、人によってはかぶれを引き起こすことがあります。ガーデニング用の手袋を着用して作業しましょう。
まず、不要な枝を見つけます。枯れた枝や弱った枝、内側に向かって伸びている枝、交差している枝、バランスを崩す方向に伸びている枝などが剪定の対象です。枝は節の上約5ミリの位置で切ります。切り口は斜めにすると雨水が溜まりにくく、良いとされています。樹液が出た場合は、ティッシュで優しく拭き取りましょう。
剪定後の数日間は、直射日光を避けて明るい日陰で管理します。水やりは控えめにし、1週間から2週間で新芽が出始めるのを待ちましょう。
植え替えの必要性と時期
ガジュマルは成長が比較的早く、鉢の中で根がいっぱいになってきます。根詰まりを起こすと、栄養や水分を十分に吸収できなくなるため、定期的な植え替えが必要です。
植え替えの目安は2年から3年に1回程度です。最適な時期は2月下旬から3月の早春、または5月から7月の成長期です。10月から1月の休眠期は避けましょう。
植え替えが必要なサインとしては、鉢底の穴から根が出ている、水やりの際に水が染み込みにくくなった、土の表面に根が露出している、成長が遅くなったり止まったりしている、葉の色が悪くなったなどがあります。
植え替えの手順
植え替えには、現在より1サイズから2サイズ大きい新しい鉢、観葉植物用の新しい土、鉢底ネット、鉢底石、園芸用手袋、ハサミなどを準備します。
まず、ガジュマルを鉢から取り出します。鉢を横にして縁を軽く叩きながら、株を慎重に引き出しましょう。根鉢の周りの古い土を指で優しくほぐして落とします。完全に落とす必要はなく、根の周り3分の1程度の土を落とせば十分です。傷んだ根や黒ずんだ根は、清潔なハサミで切り取ります。根が込み合っている場合は、外側の根を少し切り詰めて、新しい根の発生を促しましょう。
新しい鉢の底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を2センチから3センチほど敷きつめます。その上に新しい土を少量入れて土台を作ります。
株を鉢の中央に置き、高さを調整します。根元が土に1センチ程度埋まるようにしましょう。株の周りに新しい土を入れていき、隙間ができないよう割り箸などで軽く突きながら詰めていきます。鉢の縁から2センチ程度下までを目安に土を入れます。
植え替え後は、鉢底から水が出るまでたっぷりと水をやります。これにより、土と根がしっかりと密着します。植え替え後の2週間は特に重要な時期です。直射日光を避け、明るい日陰で管理しましょう。水やりは植え替え直後の一度のみで、次は土が乾いてから行います。肥料は植え替え後2週間は与えず、その後通常のスケジュールに戻します。
6、土栽培と水耕栽培、どちらが良い?
ガジュマルは土で育てる方法と、水だけで育てる水耕栽培の両方が可能です。それぞれにメリットがあるので、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。

水耕栽培のメリット
水耕栽培は土を使わずに水だけで植物を育てる方法です。ガジュマルは水耕栽培にも適しており、いくつかの大きなメリットがあります。
まず、土を使わないため非常に清潔です。虫の発生をほぼ完全に防ぐことができ、キッチンやダイニングテーブルなど、どんな場所にも置くことができます。砂ぼこりが立つこともなく、万が一転倒しても土が散らばる心配がありません。
水やりの手間が少ないのも大きな魅力です。1週間に1度、減った分の水を足すだけで良いので、忙しい方や旅行が多い方でも安心して育てられます。水の量が目で確認できるため、水やりのタイミングも分かりやすいです。
透明なガラス容器を使用することで、根の成長過程を観察できる楽しみもあります。シンプルでモダンな印象を与え、和洋どんな部屋にも合わせやすいインテリア性の高さも魅力です。また、土栽培よりも成長が緩やかになるため、室内サイズを維持しやすいという特徴もあります。
水耕栽培を始める方法

水耕栽培を始めるには、すでに水に適応させた株を購入するのが最も簡単です。しかし、土で育てているガジュマルを水耕栽培に移行することもできます。
土栽培から水耕栽培に移行する最適な時期は、春から夏の4月から9月です。この時期はガジュマルの成長期にあたり、新しい環境への適応力が最も高くなります。
まず、ガジュマルを鉢から取り出し、根についた土を流水で完全に洗い流します。この作業が非常に重要で、少しでも土が残っていると水中で菌が繁殖し、根腐れの原因となります。爪楊枝を使って根の隙間に入り込んだ細かい土まで丁寧に取り除きましょう。
次に、細い根を全て切り落とします。土栽培用の根は水中では適切に機能しないため、新しく水中用の根を発根させる必要があるからです。園芸用ハサミを使って細い毛根のみを切り取り、太い主根は傷つけないようにします。
根を切った後は、日陰で半日程度乾燥させます。この乾燥期間により植物は軽度のストレスを受けますが、このストレスが発根を促進する効果があります。また、切り口が乾燥することで病気の侵入も防げます。
透明なガラス容器にガジュマルを入れ、根が2センチから3センチ程度浸かる量の水を注ぎます。水が多すぎると根腐れの原因となるため、少なめから始めることが重要です。
直射日光を避けた明るい場所に置き、発根するまでは毎日水を交換します。2週間から3週間で白い新しい根が出てきたら、水耕栽培への移行が成功した合図です。その後は1週間に1度の補水と、2週間から3週間に1度の水の全交換で管理できます。
水耕栽培での日常管理

水耕栽培でのお手入れは土栽培よりもシンプルです。置き場所は土栽培と同じく、レースカーテン越しの明るい場所が理想的です。直射日光による葉焼けには注意しましょう。
水の交換は基本的に1週間に1回、減った分を補充します。夏場は気温が高く細菌が繁殖しやすいため、できれば毎日交換するのが理想的です。水が濁ったり、ぬめりが出たり、藻が発生したりした場合は、頻度に関係なくすぐに交換しましょう。
肥料については基本的に不要ですが、大きく成長させたい場合は成長期の春から秋に2週間に1回程度、薄めた液体肥料を与えます。ただし、水の中に直接肥料を入れると根腐れすることがあるため、水で薄めた液体肥料を葉に吹きかける葉面散布がおすすめです。
葉水も土栽培と同様に重要です。特にエアコンを使用する夏と冬は、1日1回程度霧吹きで葉に水を吹きかけてあげましょう。
7、よくあるトラブルと対処法
ガジュマルを育てていると、時にはトラブルに遭遇することもあります。早めに気づいて適切に対処すれば、多くの場合は回復できます。
葉が黄色くなって落ちる
ガジュマルの葉が黄色くなる原因はいくつか考えられます。
下の方の葉が数枚黄色くなって落ちる程度であれば、これは自然な現象です。植物は新しい葉に栄養を送るために、古い葉を落とす正常な新陳代謝を行います。この場合は特に心配する必要はありません。
しかし、全体的に多くの葉が黄色くなる場合は注意が必要です。水のやりすぎによる根腐れが原因の可能性があります。下の方の葉から黄色くなり始め、触ると簡単に落ちる場合は、水やりの頻度を減らし、鉢の排水性を確認しましょう。根腐れが進行している場合は植え替えを検討します。
反対に水不足の場合は、葉全体が黄色くなってしおれ、葉の縁が茶色く変色します。適切な頻度での水やりを心がけましょう。
日光不足の場合は、全体的に葉が薄い黄緑色になり、新芽も細く弱々しくなります。より明るい場所に移動させましょう。強すぎる直射日光による葉焼けの場合は、葉に黄色や茶色の斑点ができます。レースカーテン越しの光など、適度な明るさの場所に移動します。
低温障害の場合は、急に多くの葉が黄色くなり、一斉に落葉することもあります。5度以上の環境を維持し、冬場は室内の暖かい場所で管理しましょう。
根や幹が柔らかくなる
根元や幹が柔らかくなるのは、根腐れが進行している可能性が高い症状です。押すとへこんだり、黒ずみや悪臭を伴うこともあります。
すぐに水やりを完全に中止し、植物を鉢から取り出して腐った根を切り取ります。腐った幹部分も健全な部分まで切り戻しましょう。新しい清潔な土と鉢に植え替え、回復するまで水やりを控えめにします。
低温にさらされた後に幹が部分的に柔らかくなる場合は、凍害による損傷です。すぐに15度以上の暖かい場所に移動し、損傷部分が小さければ自然回復を待ちます。広範囲の場合は健全な部分まで切り戻しましょう。
長期間の水不足で幹がシワシワになり弾力を失う場合もあります。すぐにたっぷりと水を与え、場合によっては鉢ごと水に数時間浸けて回復させます。
新芽が出ない
新芽が出ない場合、まず時期を確認しましょう。秋から冬の10月から2月頃は自然な休眠期なので、新芽が出なくても正常です。焦らず春を待ちましょう。適切な温度を維持し、水やりを控えめにして肥料は与えません。
長期間肥料を与えていない場合や葉色が全体的に薄い場合は、栄養不足の可能性があります。春から夏の成長期に適切な肥料を与えましょう。液体肥料を薄めて与えるのが安全です。
長期間植え替えをしていない場合や鉢から根が飛び出している場合は、根詰まりが原因かもしれません。成長期の春から初夏に植え替えを行い、同時に軽い剪定を行うと効果的です。
枝が混み合っている場合は、剪定不足も考えられます。春に適切な剪定を行い、内向きの枝や交差する枝を取り除いて風通しを良くしましょう。剪定後1週間から2週間で新芽が出始めることが多いです。
病気や害虫への対処
ガジュマルは比較的丈夫な植物ですが、時には病気や害虫の被害を受けることもあります。
ハダニは肉眼では見えにくい小さな赤や黄色の虫で、葉の裏に寄生します。葉に小さな白い斑点ができ、重症化すると葉が枯れます。乾燥した環境で発生しやすいため、予防として定期的に葉水を行いましょう。発見した場合は葉水を増やして湿度を上げ、軽度なら水で洗い流します。重度の場合は専用の殺ダニ剤を使用します。
カイガラムシは茶色や白色の小さな固い殻を持ち、枝や葉に固着します。軽度の場合は綿棒やブラシでこすり落とすか、アルコールを染み込ませた綿棒で拭き取ります。専用の殺虫剤を散布するのも効果的です。
アブラムシは緑、黒、茶色など様々な色の小さな虫で、新芽や若葉に群がります。春から初夏にかけて発生しやすいため、特に新芽が出る時期は注意深く観察しましょう。水で強く洗い流すか、石鹸水を吹きかけることで対処できます。
病害虫の予防には、風通しの良い場所に置くこと、適切な水やりで過湿を避けること、定期的に葉水を行うことが効果的です。週に1回程度は葉の裏までよく観察し、早期発見に努めましょう。
8、風水効果を高める置き場所
ガジュマルは風水において非常に強力なエネルギーを持つ植物とされています。置く場所によって得られる効果が変わるため、目的に応じて配置を工夫しましょう。ただし、ガジュマルの生育には日当たりと風通しが必要なので、ガジュマルが元気に育つ環境かどうかを第一に考えることが大切です。

リビングでの効果
家族が最も長い時間を過ごすリビングにガジュマルを置くと、家族運が向上します。テレビやエアコンなどの電化製品が多いリビングは「陽の気」が過剰になりがちですが、「陰の気」を持つガジュマルを配置することで気のバランスが整います。これにより家族間のコミュニケーションが円滑になり、絆が深まります。
窓際や明るい場所に置くと、ガジュマルもより生き生きと元気に育つため、運気をさらに高めてくれます。リビングとキッチンの境界部分に置くことで、金運アップ効果も期待できます。
寝室での効果
人生の3分の1を過ごすとされる寝室は、風水的に非常に重要な空間です。寝室にガジュマルを配置すると、リラックス効果が得られ、睡眠の質が向上します。また、寝ている間にガジュマルのエネルギーを吸収することで、健康運がアップし、翌日への活力が養われます。
ただし、昼間はカーテンや窓を開けて日光と空気の入れ替えをすることで、ガジュマルも元気に育ちます。窓のない寝室や極端に暗い寝室は避けましょう。
玄関での効果
玄関は住宅のすべての気の出入り口となる重要な場所です。ここにガジュマルを配置することで、外からの良い気を積極的に取り込み、悪い気や負のエネルギーをブロックする効果があります。また、来訪者に対する第一印象を向上させ、人間関係を円滑にする作用も期待できます。
ただし、窓のない玄関や北向きの暗い玄関は、ガジュマルの生育に適していないため避けた方が良いでしょう。明るさが確保できる玄関であれば、良縁を引き寄せる効果が期待できます。
キッチンでの効果
キッチンは火のエネルギーを持つコンロと、水のエネルギーを持つ水道が共存する場所です。風水的には気が乱れやすい空間とされていますが、木のエネルギーを持つガジュマルを配置することで、火と水のバランスを調整し、気の流れを安定化させます。
これにより、家計の安定と健康維持を同時にサポートできます。特にコンロと水道の中間地点に置くことで効果が最大化されます。ガジュマルの「気を整える」効果が気の乱れを調和し、リラックスできる調理空間を作ります。
方角による効果の違い
置く方角によっても風水効果が変わります。北の方角はキャリア運や金運アップに効果的とされ、仕事運を向上させたい方におすすめです。西の方角は金運の入口とされており、特に収入アップや事業拡大を願う方に適しています。東南の方角は財位とされ、丸い葉を持つガジュマルとの相性が良く、金運向上が期待できます。
どこに置くかとともに、方角も意識することで、より高い風水効果を得ることができます。
9、ガジュマルを増やして楽しむ
ガジュマルは比較的簡単に増やすことができる植物です。挿し木という方法を使えば、初心者でも成功しやすいのでぜひ挑戦してみてください。
挿し木の基本
挿し木とは、元気な枝を切り取って、そこから根を出させて新しい株を作る方法です。ガジュマルは発根率が良いため、土に挿す方法だけでなく、水に挿す「水挿し」でも増やすことができます。
挿し木に最適な時期は、春から夏の成長期である5月から7月です。気温が20度以上で安定している時期を選びましょう。
挿し木の手順
まず、健康なガジュマルの若い枝の先端部分を10センチから15センチ程度の長さで切り取ります。必ず葉の付け根の節を含むように切り取ることが重要です。
切り取った枝は、上部の葉を1枚から2枚残し、水に浸かる部分の葉は取り除きます。大きな葉は半分に切って、水分の蒸発を抑えると良いでしょう。
切り口からは白い樹液が出てきます。この樹液にはゴムの成分が含まれており、肌が弱い方はかぶれる可能性があるため注意が必要です。樹液を水で洗い流し、切り口を数時間から半日程度、日陰で乾燥させます。
清潔な容器に挿し穂を入れ、茎が2センチから3センチ程度浸かる程度の水を入れます。直射日光の当たらない明るい日陰に置いて発根を待ちます。
水は2日から3日に1度交換しましょう。2週間から3週間ほどで白い新しい根が出てきます。根が十分に伸びたら、そのまま水耕栽培として育てることもできますし、土に植え替えることもできます。
発根を成功させるコツ
発根を確実にするためのコツがいくつかあります。
挿し穂を切った後、半日から1日程度日陰に置いて切った断面を乾かすと、水の中での細菌の侵入を防ぐことができます。また、過酷な環境を一時的に経験させることで、植物の発根能力が高まるとも言われています。
発根促進剤を使用するのも効果的です。メネデールなどの発根促進剤を水に薄めて使用することで、より確実で早い発根が期待できます。
挿し木は朝の涼しい時間に行うと成功率が高くなります。また、土が常に適度に湿っている状態を保つこと、直射日光は避けて明るい日陰で管理すること、温度は20度から25度が理想的であることなども重要なポイントです。
10、まとめ
ガジュマルは「幸せを呼ぶ木」として古くから親しまれ、その強い生命力と育てやすさから、観葉植物初心者にも自信を持っておすすめできる植物です。
太い幹と独特な気根が作り出すユニークな姿は、インテリアとしても存在感があり、部屋に置くだけで空間の雰囲気がぐっと良くなります。また、風水効果や花言葉の面でも魅力的で、金運向上、家庭円満、健康運アップなど、さまざまな良い効果が期待できます。
育て方の基本は、明るい場所に置くこと、季節に応じて水やりの頻度を調整すること、成長期には適度に肥料を与えること、定期的に剪定や植え替えを行うことです。これらのポイントを押さえておけば、長く元気なガジュマルを楽しむことができます。
土での栽培が基本ですが、水耕栽培という選択肢もあります。水耕栽培は土を使わないため清潔で、虫の心配もほとんどありません。水やりの手間も少なく、忙しい方やインテリア性を重視する方には特におすすめです。
葉が黄色くなったり、根が腐ったりといったトラブルが起きても、早めに気づいて適切に対処すれば多くの場合は回復できます。日々の観察を習慣づけ、ガジュマルの変化に気を配ることが大切です。
ガジュマルとの時間は、日々の小さな発見や季節ごとの変化を楽しむ、豊かな時間です。焦らず、慌てず、長い目で見守る姿勢が、ガジュマルとの素敵な時間を作り出します。あなたのガジュマルが、あなたの家に幸せと活力をもたらしてくれますように。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>![]()




















