
ガジュマルの水耕栽培|育て方や挿し木による増やし方、日々の管理方法とトラブル解決法まで解説
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年7月15日
ガジュマルの水耕栽培は、植物初心者にぴったりな育て方です。力強く個性的な見た目と「幸せを呼ぶ木」としての縁起の良さから、観葉植物として人気を集めています。さらに水耕栽培なら土いらずで清潔、おしゃれなインテリアとしても大活躍。
この記事では、ガジュマルの魅力から水耕栽培の始め方、日々の管理方法、よくあるトラブル対処法までをわかりやすく解説します。
1、ガジュマルの特徴と魅力
ガジュマルとは
ガジュマルは、クワ科フィカス属に分類される常緑樹で、主に熱帯・亜熱帯地域で自生しています。正式名は「Ficus microcarpa」といい、日本では沖縄や屋久島、小笠原諸島などに分布している植物です。最大の特徴は太く膨らんだ幹と、そこから垂れ下がる「気根」と呼ばれる根です。
ガジュマルは「幸せを呼ぶ木」や「多幸の木」として親しまれており、沖縄では古くから精霊が宿る神聖な木として大切にされてきました。その強い生命力と育てやすさから、ガジュマルは観葉植物としても室内で楽しむことができ、インテリアにもぴったりです。
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【参照記事】
ガジュマルとは?(NHK出版・みんなの趣味の園芸)
魅力的な特徴
ガジュマルの最大の魅力は、その独特で印象的な外観にあります。膨らんだ幹や根元から「気根」と呼ばれる根を出す植物です。この気根には、空気中の水分を吸収する役割があります。自然界では高さ20mに達するものもありますが、室内で育てる場合はコンパクトなサイズで楽しめます。
- 育てやすさ: 生命力が強くどんな環境にも順応しやすいため、水耕栽培にも適した植物です
- 耐陰性: 明るい室内であれば日陰でも育つため、置き場所を選びません
- 空気清浄効果: 他の観葉植物同様、室内の空気を浄化する働きがあります
- 風水効果: 金運や人間関係の改善に良い影響があるとされています
【参照記事】
ガジュマルの育て方・栽培方法(NHK出版・みんなの趣味の園芸)
水耕栽培するメリット
ガジュマルを水耕栽培で育てることには、土栽培にはない多くの利点があります。
- 清潔さ: 土を使用しないため、虫の発生を防ぎ、室内でも清潔に管理できます
- 根の観察: 透明な容器を使用することで、根の成長過程を楽しく観察できます
- インテリア性: 水と容器の組み合わせで、洗練されたモダンなインテリアとして楽しめます
- 管理のしやすさ: 水の量が目で確認でき、水替えのタイミングが分かりやすいです
- コンパクトさ: 土栽培よりも成長が緩やかになるため、室内サイズを維持しやすいです
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【関連記事】
ガジュマル(幸福の木)の育て方|水耕栽培で簡単!風水効果も解説
ガジュマルとは?育て方から剪定、植え替えや増やし方まで解説
2、ガジュマルの水耕栽培の始め方
WOOTANGでは水に適応させたガジュマルを販売しているので、商品到着後、すぐに水耕栽培することができます。
ガジュマルを器にセットする
器にガジュマルを入れます。
※WOOTANGで販売している「Sサイズ」は、ガジュマルの根の一部を器に外に出して育てます。
器に水道水を入れます。(浄水器の水は雑菌が湧きやすいので避けましょう)
ガジュマルの理想的な水の量は、根が3〜4cm浸かる程度です。
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3、日々のケアと管理方法
置き場所
ガジュマルは直射日光により葉焼けを起こすことがあるため、明るい間接光が当たる場所が理想的です。カーテン越しの柔らかい光が当たる窓際や、窓から少し離れた明るい場所に置きましょう。
- 明るい日陰: レースカーテン越しの窓際などが最適です
- 適度な温度: 20〜25°C程度の安定した環境を保ちましょう
- 風通しの良い場所: 風通しを良くすることで病気の発生を防げます
水の交換頻度と水質管理のコツ
水耕栽培の成功において、水の管理は最も重要なポイントです。ガジュマルの水耕栽培では水の交換が必要不可欠。1週間に1回の水換えが理想的ですが、夏場は雑菌が繁殖してヌメリが発生したり、カビの原因にもなるので毎日交換してあげるとより元気に育ちます。いいです。
水の量についても注意が必要です。水の量は多すぎ厳禁です。根が3〜4cm程度、水に浸かっていれば十分であり、根がすべて水中にある状態が長く続くと根腐れ原因になるので注意してください。
適切な肥料の選び方と与え方
観葉植物を水耕栽培する際、基本、肥料は不要です。ただし、大きく成長させたい時は定期的に肥料を与えてください。
水耕栽培では肥料を直接、水に与えると根腐れすることがあります。そのため、市販のスプレー型の肥料や液体肥料を水で薄めたものを葉面散布するのが良いでしょう。
- 頻度: 成長期(春〜秋)は2週間に1回程度、冬はあげなくて大丈夫です
- 希釈: 規定量よりもやや薄めに調整することが安全です
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【関連記事】
【水耕栽培の肥料】観葉植物の水耕栽培でおすすめの肥料と活力剤ー肥料と活力剤の違い、混合液の作り方
葉水も重要なケアのひとつです。乾燥を防ぐため、霧吹きで葉に水を吹きかけてあげましょう。特にエアコンを使用する夏と冬は、1日1回程度の葉水が効果的です。
【関連記事】
葉水とは?観葉植物への正しいやり方と効果|失敗しない頻度とコツを解説
季節ごとの管理ポイント
春(3〜5月)
成長が活発になる時期で、新芽が出始めます。十分な光を当て、水替えの頻度を増やし、肥料を規定通りに与えます。
夏(6〜8月)
高温に注意し、水温が上がりすぎないよう管理します。毎日の水替えが理想的で、直射日光は避け、明るい日陰で育てます。
秋(9〜11月)
成長が緩やかになるため、水替えと肥料の頻度を徐々に減らします。
冬(12〜2月)
冬季は気温が5℃以下になると、ガジュマルは葉を落としてしまいます。低温による根腐れを防ぐために、室内の暖かい場所での管理が必要不可欠です。成長が止まりしすので、この時期は肥料はあげなくて大丈夫です。
【参照記事】
【観葉植物】ガジュマルの育て方|苗の選び方、夏越えや冬越えの方法、葉を落としてしまう原因などご紹介(ハイポネックス)
ガジュマル(アース製薬)
4、よくある問題と対処法
Q、水耕栽培のガジュマルの葉が黄色くなって落ちてしまいました。何が原因でしょうか?
A、葉が黄色くなって落ちる原因は複数考えられます。下部の葉が数枚、黄色くなる場合は、植物の自然な新陳代謝による現象で、新しい葉に栄養を送るために古い葉を落とす正常な反応です。しかし、全体的に葉が黄色くなる場合は、夏の高温による根腐れ、または冬の寒さが原因の可能性があります。
【関連記事】
水耕栽培の観葉植物が枯れる原因と対策|葉が黄色くなるのはなぜ?
Q、根が柔らかくなって、水が濁っています。どうすれば良いでしょうか?
A、これは根腐れの典型的な症状です。根腐れしている場合、根が本来の機能を果たていないので水分を上げても吸収できません。すぐに水から取り出し、腐った根を清潔なハサミで切り取り、切り取った断面を2〜3日、乾燥させましょう。(断面を乾燥させる時は、ガジュマルの根に湿った脱脂綿やペーパータオルなどを巻いて、根が乾燥しないようにしてください)。その後、断面が乾いたら、新しい水に入れ直してください。根腐れしてしまった根っこは回復できません。残しておいてもほとんど機能しないため、まずは根腐れした部分を切り落としましょう。
Q、冬になってから急に元気がなくなりました。復活できるのでしょうか?
A、ガジュマルは寒さに弱い植物です。ガジュマルの耐寒温度は5℃ほどなので、それ以下の環境では株が耐えられずに枯れてしまいます。室内の暖かい場所に移動させ、水温を15-20℃程度の常温にして管理してください。
Q、カビが発生してしまいました。どう対処すれば良いのでしょうか?
A、水耕栽培は、水はけが悪い環境での管理をしていく必要があるため、カビの発生には注意が必要です。容器などにカビが生えてしまった場合、ガジュマルの根腐れや病気の原因になります。すぐに植物を取り出し、容器を洗浄し、根も洗い直してから新しい水で管理を再開してください。
5、ガジュマルの増やし方〜挿し木(水挿し)
ガジュマルは挿し木(水挿し)で比較的簡単に増やすことができます。挿し木は土に挿して増やすのが一般的ですが、ガジュマルは発根率がよいため土を使わず、水に挿す「水挿し」も可能です。
挿し木(水挿し)の手順
- 挿し穂を用意する
ガジュマルの若い枝の先端部分(10〜15cm程度)をハサミで切ります。その際、必ず葉の付け根の節を含むように切り取ります。上部の葉を残し、水が浸かる部分の葉を取り除きます。 - 切り口の処理
切り口からでる白い樹液は洗い流しましょう。この白い樹液はラテックスと呼ばれるゴムの成分が含まれており、ゴムアレルギーの方や肌が弱い方はかぶれる恐れがあるので気を付けてください。 - 水挿しする
清潔な容器に挿し穂を入れ、茎が2〜3cm程度浸かる程度の水を入れます。 - 発根管理
直射日光の当たらない明るい日陰に置いて発根させます。水は2〜3日に1度、交換しましょう。2週間~3週間ほどで発根します。 - 継続管理
そのまま水栽培で育てるか、ハイドロカルチャーに植え替えします。十分に根が張ったら、そのまま水耕栽培として継続できます。
発根促進のコツ
生育期であれば水だけでも発根しますが、発根を早くしたり太く元気な根を促進させるには、2つの方法があります。
一つは、挿し木を切ったら、そのまま半日〜1日程度、日陰に置いて切った断面を乾かします。断面を乾燥させることで、水の中で細菌の侵入を防ぐことができます。また、過酷な環境を一時的に経験させることで、植物の発根能力が高まります。
もう一つの方法は発根促進剤も有効です。メネデールなどの発根促進剤を水に薄めて使用することで、より確実な発根が期待できます。
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【参照記事】
Cultural Guidelines for Commercial Production of Interiorscape Ficus(IFAS, 米国)
6、水耕栽培から土への移行について
長期間水耕栽培で育てたガジュマルは、必要に応じて土栽培に移行することも可能です。水耕栽培で十分に根が発達した株は、観葉植物用の培養土に植え替えることで、より大きく成長させることができます。
移行する際は、水耕栽培用の根が土に適応するまで時間がかかるため、半日陰で管理し、徐々に環境に慣らしていくことが重要です。植え替え後しばらくは水やりを控えめにし、根が土に定着するのを待ちましょう。
7、まとめ
ガジュマルの水耕栽培は、手軽に始められておしゃれな暮らしを演出できる、今注目のグリーンインテリアです。観葉植物が初めての方にもおすすめしたいポイントを以下にまとめました:
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ユニークな見た目と縁起の良さ
力強くふくらんだ幹と気根が特徴的で、「幸せを呼ぶ木」として親しまれています。ひとつ置くだけでお部屋がパッと明るく、運気もアップ! -
土いらずで清潔、お世話も簡単
水だけで育てられるから虫の心配もなし。容器の水を1週間に1回取り替えるだけでOK(夏場は毎日が理想)。根が透けて見える容器はインテリアとしても大人気。 -
育てやすく、環境に強い
明るい日陰でよく育ち、耐陰性・耐久性が高く、忙しい方でも安心。葉に霧吹きで水をあげるだけで元気に育ちます。 -
失敗しにくく、トラブル対応も簡単
葉の黄変や根腐れも、日常の水管理を見直すことでリカバリー可能。初心者でも育てながら学べます。 -
増やす楽しさ&土への移行も自由自在
挿し木(水挿し)で増やすこともでき、慣れてきたら土への植え替えでさらに大きく育てることも可能です。
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【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>