
ルッコラの育て方|おすすめ水耕栽培!栄養と効果、育てる時の注意点、食べ方を紹介
Last Updated on 2025年5月13日
ピリッとした風味と独特なゴマの香りが特徴的なルッコラ。サラダやパスタに添えるだけで、料理の風味が一気に引き立ちます。スーパーで購入すると少量で高価なことが多いルッコラですが、実は家庭で簡単に育てることができるんです!
今回は、初心者でも簡単に始められるルッコラの育て方について、特に水耕栽培に焦点を当てて詳しく解説します。土での栽培方法も合わせてご紹介しますので、ぜひご自宅での栽培にチャレンジしてみてください。
1、ルッコラの基本情報
ルッコラとは
ルッコラは、地中海沿岸地域が原産のアブラナ科キバナスズシロ属の一年草です。「ロケット」という英名でも知られており、和名では「キバナスズシロ」と呼ばれています。古代ローマ時代から食用や薬用として栽培されてきた歴史ある野菜で、伝説によるとクレオパトラが美しさを保つために好んで食べていたとも言われています。
ルッコラの特徴は、その独特の風味にあります。葉にはゴマに似た芳香とピリッとした辛味があり、イタリア料理では欠かせない食材として広く利用されています。
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栄養素と効果
ルッコラは見た目の小ささに反して、驚くほど栄養価が高い野菜です。主な栄養素と期待できる効果について見ていきましょう。
- ビタミンC: ホウレンソウの約2倍も含まれており、免疫力の向上に貢献します
- ビタミンE: 抗酸化作用があり、老化防止に効果的です
- ビタミンK: 骨の健康維持に重要な役割を果たします
- βカロテン: 抗酸化作用があり、皮膚や粘膜の健康維持をサポートします
- カルシウム: 骨や歯の形成に必要な栄養素です
- 鉄分: 貧血予防に効果的です
- 葉酸: 細胞の生まれ変わりや血液の生成を助けます
- 美肌効果: ビタミンCとβカロテンの抗酸化作用により、シミやシワの予防に役立ちます
- 消化促進: ピリッとした辛味成分が胃腸の働きを活性化させます
- 抗菌作用: アブラナ科特有の成分であるアリルイソチオシネートには殺菌効果があります
- デトックス効果: 体内の有害物質を排出する働きをサポートします
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2、ルッコラの栽培に向いている時期
ルッコラは比較的丈夫な野菜ですが、最も育てやすい時期を知っておくことで、より確実に栽培を成功させることができます。
種まきに適した時期
- 春まき: 3月中旬〜6月
- 秋まき: 9月中旬〜10月
ルッコラの生育に最適な温度は15〜25℃です。そのため、真夏の高温期や厳冬期を避けて栽培を始めると失敗が少なくなります。
各季節の特徴
春栽培
春まきの場合、種まきから約30〜40日ほどで収穫できます。気温が上がるにつれて生育が早くなるため、管理がしやすいのが特徴です。ただし、春はアブラムシなどの害虫が活発になる時期なので、防虫対策が必要になります。
夏栽培
夏は高温になると葉が硬くなり辛味が増します。また、トウ立ち(花茎が伸びること)しやすくなるという特徴があります。夏に栽培する場合は、寒冷紗などで直射日光を遮り、涼しい環境を作ることがポイントです。
秋栽培
秋まきの場合は、気温が下がるにつれて生育がゆっくりになり、種まきから60日ほどかかることもあります。しかし、害虫が少なく管理がしやすいという利点があります。特に家庭菜園初心者には秋栽培がおすすめです。
冬栽培
ルッコラは比較的寒さにも強く、関東以南であれば露地でも冬越しが可能です。ただし、生育は非常にゆっくりになります。寒冷地では、ビニールトンネルなどで保温すると良いでしょう。
3、ルッコラの育て方〜おすすめは水耕栽培!
家庭でルッコラを育てる場合、種から水耕栽培で育てる方法が簡単なのでおすすめです。
準備するもの
・ルッコラの種
・500mlの容器(透明なプラスチック容器やペットボトルなど)
・キッチン用スポンジ(2層になっているもの)
・アルミホイル
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1)スポンジの準備
キッチン用スポンジを、容器の口の大きさに合わせてカッターで切ります。
次に、スポンジの固い層(緑の層)の方に、1cm程度の間隔になるように縦と横に線を3〜4本引きます。
定規でスポンジを押さえて、カッターで力加減を調整しながら、この線に沿って固い層の部分だけに切れ込みを入れます。
この切れ込みに種を植えていくので、切れ込みの深さが浅くなったり、深くなりすぎないように、固い層の部分のみを切り離すのがポイントです。
種を植え込む前に、スポンジにたっぷりと水を吸収させておきます。
2)種まき
ルッコラの種をスポンジの切り込みにまいていきます。種はなるべく重ならないように切り込み全体に均等にまきましょう。
次に楊枝を使って、種を切り込みの中にしっかりと押し込んでいきます。
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プラスチック容器の中に水を入れて、種をまいたスポンジをセットします。
スポンジが常に水に触れた状態になるように、水の量を調整してください。
水を入れたら容器の周りをアルミホイルで覆います。
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3)水耕栽培スタート
日当たりの良い屋外に置いて発芽させます。種にとっては、日光が発芽のスイッチになるので、直射日光をたっぷりと当てましょう。
3〜4日経過したら、どのくらい水が減ったかをチェックして、減った分の水を継ぎ足してください。
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4)水耕栽培を始めて3週間後
3週間後、ルッコラが発芽し、高さ10cm程まで成長しました。
このくらいの大きさになったら、葉1枚1枚にしっかりと日光が当たるように、込み入った部分の葉を間引いていきます。
根っこの状態を見てみると、スポンジを突き破ってルッコラの根が出ていました。
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5)養液づくり
養液とは、水耕栽培用の肥料を混ぜた水のことで、ルッコラを大きく成長させたい時は、養液で育ててください。今回は、2液型のハイポニカ液肥を使用しました。
ハイポニカ液肥は、水耕栽培では500倍に薄めて使用するので、水500mlに対して、肥料をそれぞれ1mlずつ入れていきます。
養液を作ったら、栽培用の容器に入れていきます。
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6)水耕栽培を始めて5週間後〜1回目の収穫
5週間後、ルッコラが20cm程まで成長しました。これくらいの大きさになったら最初の収穫をします。
水耕栽培のルッコラの収穫では、次の収穫のために根元を1cm程度残して切るのがポイントです。
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1回目でこれだけ収穫することができました。
光合成をするための葉を少し残した状態にしておいて伸びてきた葉を収穫しながら、水耕栽培を続けましょう。
7)水耕栽培を始めて8週間後〜2回目の収穫
再びルッコラが15cm程度の大きさまで成長してきました。
再びルッコラを収穫していきます。
2回目もこれだけ収穫できました。
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葉っぱを少し残した状態にして水耕栽培を続けてみます。
8)水耕栽培を始めて11週間後
3〜4回収穫して、成長のスピードが遅くなってきたら終了に合図です。再び、新しい種を蒔いて水耕栽培を始めましょう。
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4、ルッコラの育て方〜土で育てる方法
準備するもの
・ルッコラの種
・プランターまたは鉢(深さ15cm以上、容量15L程度が理想)
・野菜用培養土
・鉢底石(水はけをよくするため)
・化成肥料(元肥として使用する場合)
・じょうろやスプレー
・防虫ネット(春〜夏の栽培の場合)
1)プランターの準備
まず、プランターの底に鉢底石を敷きます。これは水はけをよくするためで、プランターに直接排水穴がある場合は省略しても構いません。その上に野菜用培養土を入れ、プランターの8割程度まで満たします。
2)種まき
種まきには「すじまき」と「ばらまき」の2つの方法があります。
すじまき
- 土の表面に指で浅い溝(深さ約1cm)を等間隔に作ります
- 溝に沿って種を1cmほどの間隔でまきます
- 薄く土をかぶせ、手で軽く押さえます
ばらまき
- 土の表面全体に均等に種をまきます
- 種が重ならないように注意してください
- 薄く土をかぶせ、手で軽く押さえます
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3)水やり
種まき後は、種が流れないようにスプレーやじょうろのハス口を使って優しく水やりをします。発芽するまでは土が乾かないように管理しましょう。通常、適温であれば4〜7日程度で発芽します。
4)間引き
本葉が2〜3枚出てきたら、1回目の間引きを行います。株間が2〜3cmになるように間引きます。さらに本葉が4〜5枚になったら、2回目の間引きを行い、株間を5〜6cmに広げます。
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5)追肥と管理
2回目の間引き後、肥料を与えます。その後は2週間に1回程度、追肥を行いましょう。追肥は株元に軽く土寄せをしてから行うと効果的です。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。乾燥させすぎると葉が硬くなり風味が落ちるので注意が必要です。
6)収穫
種まきから春や秋の適期であれば30〜40日程度、葉の長さが10〜15cm、または草丈が20〜25cmになったら収穫のタイミングです。収穫方法は大きく分けて2種類あります。
株ごと収穫する方法
- 株全体を根から抜き取ります
- 春まきのルッコラに適した方法です(気温が上がると花が咲きやすくなるため)
外葉から収穫する方法
- 外側から大きな葉を必要な分だけ切り取ります
- 中央から新しい葉がどんどん生えてくるので、長期間収穫を楽しめます
- 花茎が伸びてきたら早めに摘み取り、葉を柔らかい状態で保ちましょう
5、育てる時の注意点
ルッコラ栽培において注意すべきポイントをいくつか紹介します。
日当たりと温度管理
ルッコラは日当たりと風通しのよい場所を好みますが、強すぎる直射日光はNGです。特に夏の強い日差しは葉を硬くし、辛味と苦味を増加させます。そのため、明るい日陰や半日陰で栽培するか、寒冷紗などで日差しを和らげる工夫をしましょう。
生育適温は15〜25℃です。温度が高すぎると葉が固くなり、風味が落ちます。水耕栽培で室内育成する場合も、エアコンの風が直接当たらないように注意してください。
水やり
ルッコラはアブラナ科の野菜に共通して多湿を嫌います。土が乾いた時に適量の水を与えるのがコツです。一方で、乾燥しすぎると葉が硬くなり苦味が強くなるので、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
水耕栽培の場合は、スポンジが常に湿った状態を保つことが重要です。容器内の水が濁ってきたら交換し、清潔な状態を保ちましょう。
肥料
ルッコラは「栄養が大好き」な野菜です。土栽培の場合、間引き後から週に一度程度の追肥が理想的です。ただし、窒素肥料が多すぎるとゴマの香りが悪くなるので注意が必要です。
水耕栽培では、専用の液体肥料を使用します。一般的には規定量の1/2から始め、生育状況を見ながら調整するのがおすすめです。
病害虫対策
ルッコラはアブラムシ類やアオムシなどの害虫が好む植物です。特に春から初夏にかけては防虫ネットなどで予防することが大切です。
もし虫がついてしまった場合は、次のような対策が効果的です。
- 少数の場合:セロハンテープで貼り付けて除去
- 多数の場合:専用の忌避剤や殺虫剤を使用
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6、ルッコラの食べ方とおすすめレシピ
ルッコラの独特の風味と食感を活かした食べ方やレシピをご紹介します。
基本の食べ方
- 生食(サラダ): 若い葉は特に柔らかく、サラダに最適です。オリーブオイルと塩、レモン汁を少しかけるだけでシンプルに楽しめます。
- パスタやピザのトッピング: 料理の仕上げにルッコラをトッピングすると風味がアップします。熱が加わることでルッコラの香りが引き立ちます。
- おひたし: 日本風のシンプルな食べ方として、軽く茹でておひたしにするのもおすすめです。
- 炒め物: 軽く炒めると辛味が和らぎ、別の風味を楽しめます。
- スープの具: 仕上げに加えると、香りと風味がスープに広がります。
おすすめレシピ
【ルッコラの胡麻和え】
材料(2人分)
・ルッコラ:50g
・すりごま:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1/2
・砂糖:大さじ1/2
作り方
1、ルッコラを熱湯で30秒程度、湯通しします。
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2、冷水で冷まします。
3、食べやすい大きさに切ります。
4、切ったルッコラに調味料(すりごま、しょうゆ、砂糖)を混ぜます。
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5、完成!ルッコラの苦味と胡麻の甘味がマッチする一品です。おかずにもおつまみにもなります。
7、よくある問題と対処法
ルッコラ栽培でよく遭遇する問題とその対処法を紹介します。
発芽しない
原因と対策
- 乾燥: 発芽期は乾燥させないよう、こまめに霧吹きなどで湿らせましょう
- 温度が適切でない: 発芽適温は15〜20℃です。室温が低すぎる場合は暖かい場所に移動させましょう
- 古い種子: 種子の発芽率は時間とともに低下します。1〜2年以内の種子を使用するのがおすすめです
葉が黄色くなる
原因と対策
- 栄養不足: 葉色が薄くなったら追肥のタイミングです。液体肥料を与えましょう
- 過湿: 根腐れの可能性があります。水やりの頻度を減らし、風通しをよくしましょう
- 日照不足: より明るい場所に移動させるか、LEDライトなどで補光しましょう
葉に穴が開く
原因と対策
- 虫害: アオムシやヨトウムシなどの害虫による食害です。葉の裏をチェックし、見つけたら早めに駆除しましょう
- 風による傷: 強風から守るため、風の強い日は室内に移動するか、風よけを設置しましょう
花が咲いてしまった(トウ立ち)
原因と対策
- 気温上昇: 気温が高くなるとトウ立ちしやすくなります。春まきでは早めの収穫を心がけましょう
- 長期間の栽培: ルッコラは一年草なので、一定期間後には花が咲きます
- 対処法: 花茎を早めに摘み取ることで、葉の収穫期間を延ばすことができます。また、花やつぼみも食べられるので無駄にせず利用しましょう
苦味が強い
原因と対策
- 強い日差し: 直射日光を避け、半日陰で育てましょう
- 乾燥: 適切な水やりを心がけ、極端な乾燥を避けましょう
- 収穫時期が遅い: 若い葉のうちに収穫すると苦みが少なく食べやすいです
8、まとめ
ルッコラは栄養価が高く、独特の風味を持つ素晴らしい野菜です。種まきから短期間で収穫できるため、初心者の方でも気軽に栽培を楽しむことができます。土での栽培と水耕栽培、どちらも手軽に始められるので、ご自身の環境に合った方法を選んでみてください。
特に水耕栽培は、清潔で手間が少なく、キッチンやリビングなど室内でも栽培できるメリットがあります。育てる楽しさと、採れたての新鮮なルッコラを味わう喜びを、ぜひ体験してみてください。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>
水だけで育てる観葉植物ブランド WOOTANG(ウータン)
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