
マドカズラとは|育て方と増やし方のポイント、水耕栽培する方法まで徹底解説
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年6月14日
葉に窓のような美しい穴が開く「マドカズラ」をご存知ですか?マドカズラは初心者でも簡単に育て方をマスターできる人気の室内植物で、モンステラとは異なる独特の特徴を持ち、水耕栽培も可能でインテリア性も抜群。
本記事では、マドカズラの基本知識から実践的な栽培方法、植え替え、剪定、挿し木での増やし方、よくあるトラブル解決まで、植物初心者の方でも安心して育てられるよう詳しく解説します。
1、マドカズラってどんな植物?【基本を知ろう】
マドカズラの特徴とは
マドカズラ(学名:Monstera friedrichsthalii)は、サトイモ科モンステラ属に属する熱帯性の観葉植物です。その最大の魅力は、何といっても葉に自然に現れる美しい円形の穴です。
原産地は中央アメリカから熱帯アメリカにかけての雲霧林で、現地では大きな樹木に着生しながら成長する半つる性植物として自生しています。日本では室内栽培用の観葉植物として親しまれており、その特徴的な葉の穴から「窓葛(まどかずら)」という美しい和名で呼ばれています。
項目 | 詳細内容 |
---|---|
正式学名 | Monstera friedrichsthalii |
分類 | サトイモ科モンステラ属 |
原産地 | 中央アメリカ・熱帯アメリカ |
別名 | 窓葛、フリードリヒスターリー、スイスチーズプラント |
生育タイプ | 半つる性・常緑多年草 |
一般的な大きさ | 30~80cm(栽培環境により変動) |
耐寒性 | 弱い(最低5℃以上必要) |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 中程度(明るい日陰で育つ) |
参照記事: モンステラとは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版)
なぜ葉に穴が開くのか?
マドカズラの葉に現れる穴は、植物学では「フェネストレーション」と呼ばれる現象です。この不思議な穴ができる理由については、以下の説が有力とされています。
- 強風時に葉が破れることを防ぐため
- 激しい雨から葉を守るダメージ軽減効果
- 上層の葉から下層の葉への光の透過を促進
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モンステラとは何が違うの?
「マドカズラとモンステラって同じもの?」という質問をよく受けますが、実は明確な違いがあります。

左:マドカズラ 右:モンステラ
- 葉に丸い穴のみが開く
- 比較的小型でコンパクト
- 切れ込みは入らない
- 葉に深い切れ込みが入る
- 大型に成長する
- 成熟すると葉に裂け目ができる
花言葉と風水効果
マドカズラの花言葉
- 「嬉しい便り」:穴を通して光が下葉に届く様子から
- 「壮大な計画」:生命力あふれる成長過程を表現
- 「深い関係」:穴と成長の密接な関係性から
風水における効果
- 健康運の向上:丸い葉が気を和らげリラックス効果をもたらす
- 良縁を引き寄せる力:玄関や窓際に置くことで良い出会いを呼ぶ
- 空間の浄化:負のエネルギーを和らげ、穏やかな雰囲気を作る
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2、マドカズラの育て方【栽培ガイド】
マドカズラは比較的育てやすい観葉植物ですが、健康に育てるためには光・水・温度の3つの基本要素を適切に管理することが重要です。
置き場所と光の管理
マドカズラは明るい間接光を好みます。直射日光は葉焼けの原因となるため、レースカーテン越しの窓際や、明るい室内の中央部分が最適です。耐陰性はありますが、暗すぎる場所では葉に特徴的な穴が開かず、徒長(間延び)の原因となります。
水やりの基本
季節に応じた水やりが成功の鍵です。マドカズラは春夏(15℃以上)は土の表面が乾いたら2-3日に1回、秋冬(15℃以下)は土が完全に乾いてから3-4日後にたっぷりと与えます。受け皿に溜まった水は必ず捨てて根腐れを防ぎましょう。
葉水の重要性 熱帯原産のマドカズラには定期的な葉水が欠かせません。霧吹きで毎日1-2回、葉全体に水を吹きかけることで、湿度確保と害虫予防の効果があります。
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植え替え
水はけと保水性のバランスが取れた観葉植物専用土を使用します。購入から2年経過、または鉢底から根が出てきたら、5-7月頃の成長期に一回り大きな鉢に植え替えを行います。
肥料の与え方
マドカズラは多くの肥料を必要としません。春から秋の成長期に、緩効性肥料を2-3ヶ月に1回、または液体肥料を2週間に1回程度与えます。冬季は成長が止まるため肥料は一切与えません。
温度と湿度の管理
最低5℃以上を保ち、理想的には20-28℃で管理します。マドカズラは寒さに弱いため、冬季は暖かい室内で管理し、冷暖房の風が直接当たらない場所に置きます。湿度は60-70%以上が理想的で、乾燥する時期は加湿器や葉水で調整します。
3、マドカズラの水耕栽培【おすすめの栽培法】
水耕栽培とは、土を使わずに水だけで植物を育てる現代的な栽培方法です。近年、おしゃれで清潔な栽培方法として注目が高まっており、マドカズラのような丈夫な観葉植物なら初心者でも高い成功率で楽しむことができます。
- 栽培の手間が省ける:水やりは週に1回、減った分の水を足すだけ
- 成長過程の観察:根の発達を目で見て楽しめる
- 衛生面の優位性:土がないため虫の発生がほとんどなく砂埃も立たない
- インテリア性:透明容器でスタイリッシュに
水耕栽培だと毎日の水やりが不要で、お手入れ簡単!砂ぼこりや虫の心配もなく清潔で、お部屋のどんな場所でも育てることができます。 販売サイト:WOOTANG

左:Lサイズ(4,400円〜) 右:Mサイズ(3,300円〜)
参照記事: 初心者におすすめの観葉植物12選!水耕栽培で育てるコツとは? | WOOTANG
4、マドカズラの剪定【美しい形に保つ】
マドカズラの剪定は、健康維持と美観向上のために重要な作業です。適切な剪定により、風通しが改善され、病害虫の予防にもつながります。
剪定の時期と目的
最適な剪定時期は5-9月の成長期です。この時期に行うことで、カット後の回復が早く、新しい芽の成長も期待できます。主な目的は、古い葉や傷んだ葉の除去、伸びすぎたつるの調整、全体的なバランスの改善です。
剪定の基本方法
葉の剪定では、黄色くなった葉や茶色く傷んだ葉を葉柄の根元から切り取ります。茎の剪定では、伸びすぎたつるを節の上2-3cmでカットし、全体の形を整えます。
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5、マドカズラの増やし方【株を増やす楽しみ】
マドカズラは生命力が強く、挿し木で簡単に増やすことができます。初心者でも高い成功率で新しい株を作ることが可能です。
挿し木の基本
最適な時期は5-9月の成長期、特に6-7月が理想的です。健康な茎を10-15cm程度の長さでカットし、2-3節を含むようにします。気根があるとより発根しやすくなります。
挿し木の方法
水挿しと土挿しの2つの方法があります。水挿しは透明な容器に挿し穂を入れ、2-3日ごとに水を交換します。土挿しは挿し木用土に挿し穂を植え、高湿度を保ちながら管理します。どちらも2-4週間程度で発根します。
株分けで増やす方法
地際から新しい芽が出ている場合は、株分けも可能です。植え替え時に根を傷めないよう慎重に分割し、それぞれを独立した株として育てます。
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6、よくあるトラブルと解決法【Q&A】
生育不良に関するQ&A
Q1: 葉がしわしわになって元気がありません。何が原因でしょうか?
A: 葉のしわしわは主に以下の原因が考えられます。
主な原因と対処法
- 湿度不足:葉水を1日2-3回実施し、加湿器を使用
- 寒さによるダメージ:20℃以上の暖かい場所に移動
- 水不足:土の状態を確認し、乾燥していればたっぷり水やり
- 根腐れ:水やりしても改善しない場合は植え替えを検討
Q2: 葉が茶色く枯れてしまいます。どうすれば良いでしょうか?
A: 茶色く枯れる原因は複数あります。
原因別対処法
- 葉焼け:直射日光が原因。レースカーテン越しの場所に移動し、傷んだ部分をカット
- 寒害:5℃以下の環境が原因。暖かい場所で管理し、傷んだ葉は除去
- 病気:湿度過多と風通し不良が原因。風通しを改善し、必要に応じて殺菌剤を使用
Q3: 葉の色が薄くなってきました。栄養不足でしょうか?
A: 葉色の薄化には複数の要因があります。
考えられる原因と対策
- 光不足:より明るい場所に移動(ただし直射日光は避ける)
- 栄養不足:成長期に適切な肥料を与える
- 根詰まり:2年以上植え替えしていない場合は植え替えを実施
Q4: マドカズラの特徴である葉の穴が開きません。なぜでしょうか?
A: 穴が開かない理由は主に以下です。
対処方法
- 株の若さ:若い株では普通のこと。1-2年程度じっくり成長を待つ
- 光量不足:より明るい環境に移動(直射日光は避ける)
- 栄養・環境ストレス:適切な肥料と安定した環境を提供
害虫・病気に関するQ&A
Q5: 葉に小さな虫がついています。どう対処すれば良いでしょうか?
A: 害虫の種類によって対処法が異なります。
ハダニの場合
- 症状:葉に白い斑点、細かい蜘蛛の巣状の糸
- 対処法:葉水を強化、シャワーで洗い流す、専用殺虫剤の使用
カイガラムシの場合
- 症状:白い綿状物質や茶色い盛り上がり、葉のベタつき
- 対処法:綿棒にアルコールを付けて物理的除去、殺虫剤の散布
アブラムシの場合
- 症状:新芽に群生、葉の縮れ、ベタベタした分泌物
- 対処法:強めの水流で洗い流す、専用殺虫剤の使用
管理に関するQ&A
Q6: 冬の管理で特に注意すべき点は何ですか?
A: マドカズラの冬季管理のポイントは以下の通りです。
重要な注意点
- 温度管理:最低5℃以上を維持、窓際の冷え込みに注意
- 水やり調整:頻度を減らし、土が完全に乾いてから3-4日後に実施
- 湿度維持:暖房による乾燥対策として葉水を継続
- 肥料停止:冬季は一切肥料を与えない
Q7: マドカズラを大きく育てたいのですが、コツはありますか?
A: 大きく育てるためのポイント。
効果的な方法
- 支柱の使用:ヘゴ支柱やモスポールで上向きに誘引
- 適切な肥料:成長期に定期的な栄養供給
- 十分な光:明るい間接光の確保
- 定期的な植え替え:根詰まりを防ぐため2年に1回実施
Q8: ペットがいる家庭でマドカズラを育てても安全ですか?
A: 注意が必要です。
安全対策
- 毒性について:シュウ酸カルシウムを含むため、ペットが誤食すると口腔や喉の刺激を引き起こす可能性
- 配置の工夫:ペットの手の届かない高い場所に設置
- 代替案:吊り下げ栽培や壁面設置を検討
参照記事: 井上動物病院|ペットに危険な植物
7、マドカズラの季節別管理ガイド【月別作業カレンダー付き】
マドカズラの健康な成長には、四季それぞれの特性に合わせた適切な管理が欠かせません。原産地の中央アメリカの気候パターンを理解し、日本の季節変化に対応した栽培テクニックをマスターしましょう。
春の管理(3月〜5月):成長スッチON期
春はマドカズラが冬眠から目覚め、活発な成長を始める重要な季節です。この時期の管理が1年間の成長を左右します。
春の主要作業
項目 | 3月 | 4月 | 5月 |
---|---|---|---|
水やり頻度 | 週1-2回 | 3-4日に1回 | 2-3日に1回 |
肥料 | – | 緩効性肥料開始 | 液肥月2回 |
植え替え | 準備 | 最適期 | 適期 |
剪定 | 軽い整理 | 本格剪定可 | 形整え |
置き場所 | 南向き窓際 | レースカーテン越し | 明るい日陰 |
- 水やり調整:土の乾き具合をこまめにチェックし、徐々に頻度を上げる
- 温度管理:朝晩の寒暖差に注意し、15℃以下になる日は室内中央へ移動
- 新芽ケア:出てきた新芽は特に乾燥に弱いため、葉水を朝夕2回実施
夏の管理(6月〜8月):成長ピーク
夏はマドカズラが最も活発に成長する時期です。ただし、日本の高温多湿は原産地以上に過酷なため、特別な配慮が必要です。
夏の主要作業
項目 | 6月 | 7月 | 8月 |
---|---|---|---|
水やり頻度 | 毎日〜2日に1回 | 毎日 | 毎日〜2日に1回 |
葉水 | 1日2回 | 1日3回 | 1日2-3回 |
遮光 | 30% | 50% | 50% |
風通し | 扇風機微風 | サーキュレーター | 扇風機微風 |
肥料 | 液肥週1回 | 液肥週1回 | 液肥2週に1回 |
- 高温対策:35℃超える日は一時的に浴室や玄関の涼しい場所へ避難
- 葉焼け防止:朝10時〜夕方4時は直射日光を完全にシャットアウト
- 根腐れ予防:受け皿の水は必ず30分以内に捨て、夜間の水やりは避ける
秋の管理(9月〜11月):冬支度期
秋は夏の疲れを癒し、冬に向けて体力を蓄える大切な調整期間です。適切な秋管理で冬越しの成功率が大幅に向上します。
秋の主要作業
項目 | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
水やり頻度 | 2-3日に1回 | 3-4日に1回 | 週1回 |
肥料 | 液肥2週に1回 | 緩効性肥料最後 | 停止 |
剪定 | 整理剪定 | 軽い剪定 | – |
置き場所 | 明るい日陰 | 南向き窓際 | 室内暖かい場所 |
防寒準備 | – | 鉢カバー準備 | 防寒開始 |
- 段階的水やり減量:急激な変化を避け、徐々に頻度を下げる
- 栄養蓄積:10月末までに最後の栄養補給で越冬体力をつける
- 環境適応:室温20℃前後をキープし、寒暖差を最小限に抑える
冬の管理(12月〜2月):休眠期
冬はマドカズラの生命活動が最も穏やかになる休眠期です。過保護にせず、適度な刺激で春の成長に備えます。
冬の主要作業
項目 | 12月 | 1月 | 2月 |
---|---|---|---|
水やり頻度 | 10日に1回 | 2週に1回 | 10日に1回 |
室温管理 | 10-20℃ | 10-18℃ | 12-20℃ |
湿度管理 | 加湿器使用 | 加湿器+葉水 | 葉水増加 |
日光浴 | 午前中のみ | 1日中当てる | 午前中メイン |
観察頻度 | 週2回 | 週1回 | 週2回 |
- 最小限のケア:水やりは控えめに、肥料は一切与えない
- 温度を最優先:5℃を絶対に下回らせない、暖房器具の風は厳禁
- 春の準備:2月下旬から徐々に水やり頻度を上げ、成長期に備える
8、マドカズラのインテリア活用術【部屋別コーディネート】
マドカズラの独特な穴開き葉は、どんな空間にも洗練された雰囲気をもたらします。部屋の特性を活かした配置で、マドカズラの魅力を最大限に引き出しましょう。
リビング:家族が集う癒しの中心地
リビングはマドカズラの美しさを最も活かせる空間です。天井が高く、自然光が豊富なリビングは、マドカズラの成長にも理想的な環境を提供します。
- 高低差の活用:フロアスタンドと組み合わせて立体的な緑空間を創出
- 光の演出:間接照明でマドカズラの穴から漏れる光の影を壁に投影
- ファミリーグリーン:異なるサイズのマドカズラを3つ配置して家族構成を表現
寝室:質の高い睡眠をサポート
寝室でのマドカズラは、空気清浄効果と癒しの相乗効果で、深い眠りへと導きます。風水的にも健康運向上が期待できる最適な配置があります。
- 湿度調整:就寝中の呼吸で湿度が上がるため、朝の換気を徹底
- サイズ選択:大きすぎると圧迫感、小さすぎると存在感不足
- 夜間ケア:睡眠を妨げない程度の微音で加湿器併用
玄関:第一印象を決める顔作り
玄関のマドカズラは、来客への最初のおもてなしとして重要な役割を果たします。限られたスペースでも最大の効果を発揮する配置術をマスターしましょう。
- 風通し管理:ドアの開閉による風の変化に注意
- 温度変化:外気の影響を受けやすいため、防寒・防暑対策必須
- スペース効率:縦空間を活用した吊り下げ栽培がおすすめ
9、まとめ
マドカズラは葉の穴が美しい育てやすい観葉植物として、植物初心者にもおすすめです。
明るい間接光と適切な水やりさえ守れば、健康に成長してくれます。水耕栽培なら土を使わずさらに簡単に管理でき、挿し木で株を増やす楽しみもあります。室内インテリアとしての美しさと栽培の手軽さを兼ね備えたマドカズラで、あなたも観葉植物ライフを始めてみませんか?適切な育て方をマスターして、この魅力的な植物との暮らしを楽しみましょう。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>
水だけで育てる観葉植物ブランド WOOTANG(ウータン)
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