PLANT CARE
水耕栽培の観葉植物で最適な光条件

水耕栽培の観葉植物に最適な光条件|どのくらいの明るさで育てればよいか?

Last Updated on 2025年5月19日

土を使わず水だけで育てられる観葉植物は、お手入れが簡単なうえに、清潔感があり虫の心配もないという大きなメリットがあります。しかし、せっかく購入した水耕栽培の観葉植物を長く元気に育てるためには、適切な光条件を整えることが重要なポイントです。

「日当たりが悪くても大丈夫?」「直射日光は当てていい?」「どのくらいの明るさが必要?」など、光に関する疑問はたくさんあるでしょう。実は水耕栽培の観葉植物が枯れてしまう原因の一つが「日照不足」なのです。

今回は、水耕栽培の観葉植物を健康に育てるための最適な光条件について詳しく解説します。明るさの単位や測定方法から、植物別の理想的な置き場所まで、初心者の方でも分かりやすくお伝えします。この記事を参考に、あなたのお部屋に合った水耕栽培の環境を整え、緑あふれる癒しの空間を作りましょう。

1、観葉植物と光の関係を理解しよう

光合成のメカニズム

観葉植物は光合成によって生きるために必要な栄養を作り出しています。この光合成には光が欠かせません。植物は葉に含まれる葉緑体(クロロフィル)で光を受け、水と二酸化炭素から炭水化物を生成します。ここで作られた炭水化物が植物の成長を支えているのです。

窓辺で光を受けて光合成をしている植物

一方で、植物は呼吸によって酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。つまり、植物は光合成と呼吸を同時に行っているのです。光が足りないと光合成量が減少し、呼吸による消費が上回って、結果的に栄養が不足して弱ってしまいます。

 

照度(ルクス)について

植物に必要な光の強さを測る単位として「照度(ルクス、lx)」があります。照度は特定の場所にどれだけの光が届いているかを表す指標で、値が大きいほど明るいことを意味します。

照度計

 

一般的な環境の照度
  • 夏の直射日光:約100,000ルクス
  • 曇りの日の屋外:10,000~30,000ルクス
  • 明るいオフィス内:700~1,000ルクス
  • 一般的な家庭の室内:100~500ルクス

 

照度の測り方

照度は専用の照度計で測ることができますが、最近ではスマートフォンのアプリでも簡易的に測定できるようになりました。正確さは専用機器に劣りますが、おおよその目安をつかむには十分です。

アプリの照度計で明るさを計測している様子

 

また、照度計がなくても簡易的な目安として以下のような方法があります。

明るさの簡易的な目安
  • 本の小さな文字がスラスラ読める:400ルクス程度
  • 新聞の活字が問題なく読める:1,000ルクス程度
  • 手元に影ができるほどの明るさ:2,000ルクス以上

 

 

2、水耕栽培の観葉植物に最適な光条件

水耕栽培における光の重要性

水耕栽培は土を使わないため、植物が直接水から栄養を吸収します。このため、適切な光が当たることで光合成が活発になり、健全な成長が促されます。逆に、光が足りないと根が発達せず、新しい葉の成長も鈍くなります。

特に注意すべき点として、水耕栽培では「室温=水温」となるため、直射日光が水に当たると急激な水温上昇による根腐れの原因となることがあります。そのため、直射日光を避けつつも、十分な明るさを確保することが大切です。

水耕栽培の観葉植物の器の中の様子

一般的な観葉植物に必要な照度

水耕栽培に向いている観葉植物の多くは、元々熱帯地域の林床など、やや日陰になった場所に自生していたものが多いため、比較的弱い光でも育つ特性を持っています。しかし、光が足りなければ十分に育つことはできません。

植物が健康に成長するために必要な照度
  • 最低限必要な照度:400~500ルクス(生存維持レベル)
  • 健全な成長に必要な照度:1,000~3,000ルクス(種類による)
  • 理想的な照度:5,000~15,000ルクス(種類による)

 

植物によって必要な照度は異なりますが、一般的に観葉植物が光合成を行うための最低限の照度は約400ルクスと言われています。しかし、これはあくまで「生き延びる」ためのレベルであり、健康に成長するにはより高い照度が必要です。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
400ルクスの目安は「本の小さな文字がスラスラ読める」明るさです。

 

植物別の最適照度

WOOTANGで取り扱っている水耕栽培の観葉植物別に、最適な照度の目安をご紹介します:

耐陰性が特に高い植物(500~1,000ルクス)

中程度の明るさを好む植物(1,000~3,000ルクス)

より明るい場所を好む植物(3,000~5,000ルクス以上)

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
これらの植物は、それぞれの最適照度で育てることで、美しい葉色や形状を保ちながら健康に成長します。

 

3、室内での理想的な置き場所

ベストな置き場所

水耕栽培の観葉植物にとって理想的な設置場所は以下の条件を満たす場所です。

  1. 直射日光が当たらない明るい場所
    • 南向きや西向きの窓から少し離れた場所
    • レースカーテン越しの窓際
    • 東向きの窓際
  2. 安定した温度環境
    • エアコンやヒーターの風が直接当たらない
    • 夏は涼しく、冬は暖かい場所(10℃以下にならない)
  3. 適度な空気の流れがある場所
    • 風通しが良く、湿気がこもらない

水耕栽培の観葉植物を置いている場所

具体的な室内の場所で言うと:

  • リビングルーム:窓から1~2m離れた明るい場所
  • キッチン:窓際のカウンター(調理台から少し離す)
  • 書斎・寝室:窓際の棚や机

 

避けるべき置き場所

以下の場所は水耕栽培の観葉植物には不向きです。

  1. 直射日光が長時間当たる場所
    • 南向きの窓際(特に夏場)
    • 西日が強く当たる窓際
  2. 極端に暗い場所
    • 窓から遠く離れた場所
    • 日光が全く入らない部屋
  3. 温度変化が激しい場所
    • 冬の窓際(夜間は特に冷え込む)
    • エアコンの真下
    • 暖房器具のすぐそば

方角別の光条件

お部屋の窓の方角によって、入ってくる光の量と質が大きく異なります。方角別の特徴と、その環境に合った植物をご紹介します。

観葉植物の効果,観葉植物のメリット,空気清浄効果

南向きの窓

東向きの窓

西向きの窓

  • 特徴:午後から夕方にかけて強い日差しが入る
  • 置き場所:窓から離すか、レースカーテン越しに
  • おすすめ植物:サンスベリアアグラオネマ

北向きの窓

 

4、光不足・光過多のサイン

光不足のサイン:植物からのSOSを見逃さない

あなたの観葉植物が光不足になると、いくつかのサインを示します。以下の症状が見られたら、より明るい場所に移動させることを検討しましょう:

  1. 徒長(とちょう):茎や枝が異常に長く伸び、節間(葉と葉の間)が広がる現象。光を求めて伸びようとしている証拠です。
  2. 新芽や新葉が小さくなる:十分な栄養が作れないため、新しく出てくる葉が通常よりも小さくなります。
  3. 葉色が薄くなる:葉緑素(クロロフィル)の生成が減少し、葉が薄い緑色や黄色味を帯びてきます。

窓辺に飾ってあるアグラオネマ

光過多のサイン:強すぎる光から植物を守る

逆に、光が強すぎる場合も植物にダメージを与えることがあります。以下のサインが見られたら、より日陰になる場所に移動させましょう:

  1. 葉焼け:葉に茶色い斑点や斑が現れる、葉の縁が焦げたようになる。
  2. 葉の変色:葉が白っぽくなったり、赤みを帯びたりする(日焼けのようなもの)。
  3. 葉が巻く:強い光から身を守るために葉が内側に巻くことがあります。

 

5、光条件を改善する方法

自然光が足りない場合の対策

お部屋の自然光が足りない場合は、以下の方法で光条件を改善できます。

  1. カーテンや障害物を取り除く:窓辺に置いている場合、日中はカーテンを開け、窓際の障害物をなるべく取り除きましょう。
  2. 反射材を利用する:窓側に反射板(白い板や鏡など)を置くことで、入ってくる光を効率よく植物に当てることができます。
  3. 定期的に植物の向きを変える:1週間ごとに植物の向きを90度回転させることで、均等に光が当たるようにします。
  4. 窓を清掃する:窓ガラスの汚れは意外と光を遮ります。定期的に窓を掃除することで、より多くの光を取り入れることができます。
WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
水が入ったガラス容器に直射日光が当たると、光の反射による「収れん火災」が起こる可能性があります。燃えやすいものは周辺には置かないように十分に注意してください。

人工光の活用

自然光だけでは足りない場合は、植物育成用の人工光を活用するという選択肢もあります。

  1. 植物育成用LEDライト:植物の光合成に適した波長の光を効率よく照射できます。赤色と青色のLEDが一般的です。
  2. フルスペクトラムLED:太陽光に近い光のスペクトラムを持ち、より自然な成長を促進します。
  3. 蛍光灯タイプ:広い範囲を均一に照らせるため、複数の植物を育てる場合に適しています。

水耕栽培の観葉植物に蛍光灯の光を当てている様子

人工光を使用する際のポイントは以下の通りです。

  • 照射時間:夏場は1日12~14時間、冬場は8~10時間程度が目安
  • 設置距離:LED電球なら植物から30~50cm、蛍光灯タイプなら20~30cm程度離す
  • タイマーの活用:一定のリズムで照射するために、タイマーを使用するとよい

 

6、よくある質問

Q1:水耕栽培の観葉植物は一般的な観葉植物と光条件が違いますか?

A: 水耕栽培と土栽培で植物自体の光に対する好みは変わりませんが、水耕栽培では直射日光による水温上昇のリスクがあるため、強い直射日光は避けるべきという点が異なります。また、土には保温効果がありますが、水耕栽培では「室温=水温」となるため、冬は窓際が冷え込む場所は避けた方が良いでしょう。

 

Q2:蛍光灯やLEDの下でも観葉植物は育ちますか?

A: 一般的な蛍光灯でも、ある程度の光合成は可能ですが、観葉植物が健康に育つには十分ではないことが多いです。特に光量が足りない場合は、植物育成用の蛍光灯やLEDライトの使用をお勧めします。室内照明だけで育てる場合は、1日10時間以上照明が点いている場所に置くことが望ましいです。

 

Q3:スマホのアプリで照度を測れますが、信頼できますか?

A: スマホのアプリで測定する照度は、専用の照度計ほど正確ではありませんが、おおよその目安をつかむには十分です。ただし、機種やアプリによって精度が異なるため、あくまで参考値として捉えることをお勧めします。

 

Q4:季節によって光条件を変える必要がありますか?

A: はい、季節によって日照時間や光の強さが大きく変わるため、配置を調整することが理想的です。夏場は直射日光を避け、冬場はなるべく明るい場所に置くようにします。特に冬場は窓際が冷え込むため、光を確保しつつも保温に気を配ることが重要です。

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7、まとめ:水耕栽培の観葉植物を健康に育てるための光条件

水耕栽培の観葉植物を健康に育てるためには、適切な光条件を整えることが重要です。以下のポイントを押さえておきましょう。

  1. 基本的な光条件:直射日光は避け、明るい間接光が当たる場所が理想的です。最低でも400ルクス、できれば1,000~3,000ルクス程度の明るさがあると良いでしょう。
  2. 植物別の適性:耐陰性の高い植物(ポトス、アグラオネマなど)は比較的暗い場所でも育ちますが、成長を促すにはある程度の明るさが必要です。一方、マドカズラやモンステラなどはより明るい環境を好みます。
  3. 季節による調整:季節によって日照条件は変わるため、夏は強い光を避け、冬はなるべく明るい場所に置きましょう。ただし、冬場の窓際は冷え込むため注意が必要です。
  4. 人工光の活用:自然光が不足する場合は、植物育成用のLEDライトなどを活用することで、健康的な成長を促すことができます。

水耕栽培の観葉植物は、適切な光条件さえ整えれば、土を使った従来の栽培よりも手軽に育てることができます。週に1回程度の水の補充や定期的な水替えといった簡単なお手入れで、長く楽しむことができるでしょう。

あなたのお部屋の環境に合わせて、適切な植物を選び、理想的な置き場所を見つけて、水耕栽培の魅力を存分に楽しんでください。緑あふれる空間が、あなたの日常に彩りと癒しをもたらしてくれることでしょう。

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