
カップヌードルの容器で野菜を育てる!初心者でもできる簡単水耕栽培ガイド
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年6月23日
食べ終わったカップヌードルの容器を捨てていませんか?実は、この身近な容器が野菜の水耕栽培に最適なんです。特別な道具や広いスペースは不要で、初心者でも手軽に始められます。カップヌードル容器の優れた断熱性と遮光性により、安定した栽培環境を実現。みつば、水菜、春菊などの葉物野菜を約5週間で収穫でき、何度も再収穫が可能です。
今回は、環境に優しいリサイクル栽培で、特別な道具も場所も必要ない、誰でも始められる水耕栽培の方法を詳しくご紹介します。
1、なぜカップヌードルの容器が水耕栽培に適しているのか?
カップヌードルの容器は、もともとラーメン用として設計されているため、水に対する耐性が非常に高く、水耕栽培に理想的な条件を満たしています。
また、透明なプラスチック容器と比べて光が内部に侵入しにくい特徴があります。これは水耕栽培において大きなメリットで、光が水に当たることで発生する藻の繁殖を効果的に防ぐことができます。
さらに、カップヌードル容器の素材は断熱性に優れており、外気温の変化に対して容器内の水温が急激に変化しにくい構造になっています。これにより、根に優しい安定した水温環境を保つことができ、野菜の健康的な成長をサポートします。特に夏場の高温時や冬場の低温時において、この断熱効果は植物にとって大きなメリットとなります。
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【参照】カップのギモン(日清食品)
2、カップヌードル容器を使った野菜の水耕栽培の方法
材料の用意
・野菜の種(3種類)
・日清カップヌードル(3種類)
・キッチン用スポンジ(2層になっているもの)
・液体肥料(ハイポニカ液肥)
・カッター、定規、爪楊枝
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まずは熱湯をカップヌードルに注ぎましょう。3分待ったら・・・
熱々のうちに食べてください!
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食べ終わった容器は、食器用洗剤でしっかりと洗いましょう。油分や調味料が残っていると、カビが生えてしまう原因になるので注意してください。
水耕栽培キットの制作
カップヌードルの容器にぴったりはまるように、スポンジの余分な部分をカッターで切り取ります。容器の口の直径が9cmなので、スポンジも9cmの長さになるようにしましょう。
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スポンジの固い層(緑の層)の方に、1.5cmの間隔になるように線を引いていきます。
縦と横に線を均等に引いたら、この線に沿って、固い層(緑の層)の部分のみカッターで切り込みを入れていきます。
切り込みに種を植えていくので、切り込みの深さが浅くなったり、深くなりすぎないように、力加減を調整しながら固い層の部分のみを切り離すのがポイントです。
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種まき
野菜の種をスポンジの切り込みに丁寧にまいていきます。種はなるべく重ならないように、切り込み全体に均等に配置することが大切です。
次に楊枝を使って、種を切り込みの中にしっかりと押し込んでいきます。この作業により、種とスポンジの密着度が高まり、発芽率が向上します。
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種をまいたスポンジにたっぷりと水を吸収させます。
カップヌードルの容器に水を入れて、種をまいたスポンジをセットします。
水位の調整が重要で、スポンジが常に水に触れた状態になるように容器の縁ギリギリまで水を入れましょう。
水耕栽培スタート
日当たりの良い屋外に置いて発芽を促進させます。ベランダや庭先など、1日4〜6時間程度の直射日光が当たる場所が理想的です。種にとって日光は発芽のスイッチの役割を果たすため、直射日光をたっぷりと当てることが重要です。
水は毎日チェックし、減った分を継ぎ足してください。
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3週間後
種まきから3週間後、みつば(しょうゆ味の容器)、水菜(シーフード味の容器)、春菊(カレー味の容器)がそれぞれ発芽し、小さな双葉が出てきました。水菜が一番成長スピードが早く、既に本葉も出始めています。
根っこの状態を確認してみるとスポンジを突き破って根が伸びていました。この段階になったら、水だけでなく養液を使用して、栄養を補給していきます。
養液づくり
養液とは、水耕栽培用の肥料を混ぜた水のことで野菜を大きく成長させたい時に使用します。野菜は水だけでも成長しますが、収穫可能なサイズまで育てるには養液が不可欠です。今回は、水耕栽培用の2液型のハイポニカ液肥を使用しました。

ハイポニカ液肥は、水耕栽培では通常500倍に薄めて使用します。水500mlに対して、A液とB液をそれぞれ1mlずつ計量して入れていきます。
養液を作ったら、容器に入れます。1日1回、養液が減った分、水道水を継ぎ足してください。1週間に1度、養液を全部捨てて新しい養液と交換すると野菜がぐんぐん成長します。
5週間後
種まきから5週間後、みつば、水菜、春菊がそれぞれ20cm程まで成長しました。葉の色も濃い緑色で、健康的な状態です。この大きさになると、葉も柔らかく、香りも良いので、美味しく食べることができます。
収穫
待ちに待った収穫です!
みつばの収穫
みつばは次の収穫のために、根元を2〜3cm程度残して切るのがポイントです。完全に刈り取ってしまうと再生しないので、成長点を残すことが重要です。
1回目の収穫の時が一番葉が柔らかく、香りも最も良い状態です。この香りの良さは、新鮮な自家栽培だからこそ味わえる贅沢です。
水菜の収穫
水菜も次の収穫のために根元を2〜3cm程度残して収穫しましょう。水菜は成長が早いので2週間程度で再び収穫サイズに育ちます。
シャキシャキとした食感が特徴の水菜は、サラダはもちろん、鍋物や炒め物にも重宝します。
春菊の収穫
春菊は、下葉を3〜4枚残して収穫するのがコツです。下葉を残しておくと、そこから脇芽が出てきて2回目以降はより多くの収穫が期待できます。
春菊は栄養価も高く、β-カロテンやビタミンCが豊富に含まれています。
収穫を終えた野菜は、再び屋外で水耕栽培を続けましょう。収穫後は養液を新しいものに交換し、日当たりの良い場所で管理を続けます。2週間程度で再び成長し、2〜3回の収穫が可能です。
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カップヌードル栽培の野菜を食べる
収穫した野菜は、食べる前によく水洗いしてください。
今回は3つの味のカップヌードルに、その容器で育てた野菜をトッピングしてみました。
・しょうゆ味→みつばをトッピング
・シーフード味→水菜をトッピング
・カレー味→春菊をトッピング
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しょうゆ味にみつばの香りがぴったりマッチし、上品な和風の味わいを演出してくれました。
シーフード味には水菜のシャキシャキ感が加わり、食感のアクセントとなります。
カレー味に春菊のほろ苦さを加えると大人向けの複雑な味わいが楽しめますよ。カップヌードルの容器を使った水耕栽培なら手軽に野菜づくりが始められ、何度も収穫することができます。
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【動画版はこちら】
3、まとめ
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