
アグラオネマの水耕栽培|植物の特徴、育て方、日々のケアと管理方法、トラブル対処法
Last Updated on 2025年5月5日
アグラオネマは美しい葉の模様と室内での育てやすさから、インテリアグリーンとして人気の観葉植物です。水耕栽培なら土を使わず清潔に育てられ、透明な容器で根の成長も観察できる魅力があります。耐陰性が強く日が当たらない場所でも育つため、初心者でも管理しやすいおすすめの植物です。
このガイドでは、アグラオネマの水耕栽培に必要な基礎知識から日々のケア、トラブル対処法まで詳しく解説します。
1、アグラオネマの特徴と魅力
アグラオネマは熱帯アジア原産のサトイモ科の植物で、その美しい葉の模様が最大の魅力です。葉の模様は、光の当たり方によっても見え方が変わり、室内照明との相性も良いため、インテリアとしての活用価値が高いのも特徴です。
サトイモ科の植物は、丈夫で育てやすく、根がしっかりと水に適応しやすい植物のため、水耕栽培に向いています。透明な容器と組み合わせることで、根の成長も観察でき、視覚的な楽しみが広がります。
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アグラオネマは特に以下の点で室内栽培に適しています。
- 耐陰性が強い: 日が当たらない室内でも葉色が変わらず育つ
- コンパクトなサイズ: 部屋に置きやすく、インテリアに馴染む
- 丈夫で育てやすい: 初心者でも管理しやすい
- 空気清浄効果: 室内の有害物質を除去する効果がある
- 水耕栽培との相性: 根がしっかりと水に適応しやすい植物
2、アグラオネマの種類
アグラオネマには多くの品種があり、葉の模様や色合いによって様々な雰囲気を楽しめます。水耕栽培に適した主な品種をいくつか紹介します。
アグラオネマ マリア
深みのある緑の葉に、濃淡のある迷彩のような模様が特徴的な品種です。通常30〜40cm程度のコンパクトな大きさで成長するため、小さなスペースでも育てやすいでしょう。耐陰性は強いが、やや明るい場所を好みます。
アグラオネマ ホワイトステム
葉に浮かび上がる白い斑と白い茎が特徴で、緑と白のコントラストが非常に美しい品種です。茎は直立型で、草丈は最大約50〜60cm程度まで成長します。耐陰性が高く、室内での栽培に最適です。
アグラオネマ ビューティー
赤やピンクの色彩が美しい品種です。緑色地に淡紅色から赤色の斑が大きく入ります。緑系品種よりも成長がやや遅く、色素の発色に十分な光が必要なため、少し明るい場所を好む傾向があります。
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3、アグラオネマの水耕栽培の始め方
WOOTANGでは水に適応したアグラオネマを販売しているので、購入後すぐに水耕栽培で育てることができます。
1、植物を器にセットする
器にフタを乗せたら、水耕栽培用のアグラオネマを入れます。
2、水を入れる
器に水を入れます。この時、水は水道水を使用してください。浄水(浄水器の水)だと、雑菌が湧きやすくなります。
3、理想的な水の量
アグラオネマの根の半分から2/3が浸かる程度の水を入れてください。
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4、日々のケアと管理方法
水耕栽培でアグラオネマを健康に育てるためには、適切な環境と日々のケアが重要です。
置き場所
アグラオネマは直射日光に当てると葉焼けを起こします。耐陰性があるので日陰でも育ちますが、ずっと日陰だと株が軟弱になることがあります。
生育期の春から秋は、風通しのよい半日陰か明るい日陰(レースのカーテン越しの窓辺や窓から少し離れた場所)で管理しましょう。冬は窓際は夜に温度が下がるので、お部屋の中央に移動させて育ててください。生育適温は25℃前後です。
水の交換頻度と水質管理のコツ
植物は葉や茎だけでなく根からも酸素を吸収しています。水耕栽培では水の温度が上がると酸素の溶け込む量が少なくなり、弱る可能性があるため、特に夏は注意が必要です。
植物は水は週に1回、減った分を足しましょう。特に春から夏にかけての成長期は、植物がたくさん水を吸い上げるので、水切れしないように注意してください。
2〜3週間に1度、器の中の水を全部交換してください。植物が出す当廃物で容器が汚れることがあるので、水替え時にスポンジなどで洗うとよいでしょう。
アグラオネマは空中湿度を好むので、葉水をあげると葉が生き生きとしてきます。
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適切な肥料の選び方と与え方
観葉植物を(サイズを現状維持のまま)水耕栽培で育てる場合、基本、肥料は必要ありません。しかし、大きく育てたい、成長させたい場合は肥料を与える必要があります。
水耕栽培では、春から秋の生育期は1か月に1度程度与えます。水に直接、肥料を入れると植物が根腐れすることがあるので、液体肥料を水で薄めたものを葉面散布するのがおすすめです。
液体肥料を容器に記載されている希釈量で水で薄め、それを霧吹きなどで葉の裏表にたっぷりと散布します。肥料の濃度が濃すぎると枯れる原因にもなるので、希釈量を守ることが重要です。また、休眠期の冬は肥料を与えると弱ってしまうことがあるので、与えないようにしましょう。
水耕栽培で使える肥料としては、「ハイポネックス原液」「ハイポニカ液体肥料」「MY PLANTS」などがおすすめです。
季節ごとの管理ポイント
- 明るい日陰で管理
- 1か月に1回程度の肥料を与える
- 葉水を1日1~2回与える(冷房による乾燥に注意)
- 肥料の頻度を減らす
- 風通しをよくする
- 10℃以下にならない場所で管理
- 肥料は与えない
- 葉水を1日1〜2回与える(暖房による乾燥に注意)
5、よくある問題と対処法
水耕栽培でアグラオネマを育てる際に遭遇しやすい問題と、その対処法を紹介します。
Q、一番下の葉が1枚、黄色くなってしまいました。何か病気でしょうか?
A、下葉(根に一番近い葉)が1〜2枚、黄色くなった時は、病気ではなく、新陳代謝による自然現象(老化)なので心配しなくて大丈夫です。植物は下葉に老廃物を溜めて、新しい葉を成長させる習性があります。基本、問題ありませんので、黄色くなった葉はハサミなどでカットしてください。
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Q、葉先の先端だけが黄色く枯れてしまいました。対処法を教えてください。
Q、葉先の先端だけが枯れてしまった原因は、栄養がしっかりと葉先まで届いていないことが原因です。対処法としては、こまめな水替えをして新鮮な水に入れ替えてください。特に夏は気温が上昇すると、水質が悪化し、根が弱ってしまうことがあるので、水替えが大切になります。また、葉が乾燥すると栄養がしっかりと葉先まで届かないことがあるので、葉水をするのも効果的です。特に夏や冬は、冷房や暖房で部屋が乾燥しがちになるので、定期的に葉水をするとよいでしょう。
Q、葉の裏に白いフワフワした小さな虫を発見しました。何の虫でしょうか?
A、コナカイガラムシの可能性があります。水耕栽培では土を使わないので虫の心配がほとんどないのですが、葉が密集している植物は夏などの湿度が高い時期に、風通しが悪いと、ごくまれにコナカイガムシが発生することがあります。コナカイガラムシは葉の養分を吸って枯らしてしまうので、もし見つけたら綿棒などで取るか、殺虫剤を散布してください。湿度が高い時期、風通しを良くすることで発生を予防できます。
6、アグラオネマの増やし方
株分けでの増やし方
成長期にアグラオネマの根元から、新しい株(子株)が出始めたら、株分けをして増やすことができます。
清潔なハサミで子株を根元から切り分けます。
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子株を容器に入れて水耕栽培します。株分けしてから2〜3週間は、切り口から雑菌が湧きやすので、こまめに水替えをしましょう。
7、まとめ
アグラオネマの水耕栽培は、初心者でも比較的簡単に始められ、清潔で管理しやすいという利点があります。
- 土を使わないため清潔
- 水やりの頻度が少なく管理が楽
- 根の状態が見えるため健康管理がしやすい
- インテリア性が高い
- 害虫が少ない
アグラオネマの水耕栽培は、初心者でも始めやすく管理が簡単なのが魅力です。土を使わないため清潔で、水やりの頻度も少なく手間いらず。透明な容器を使えば美しい根の成長も観察できるため、インテリア性も高まります。耐陰性があり室内の少ない光でも元気に育ち、空気清浄効果も兼ね備えています。コンパクトなサイズで場所を取らず、美しい葉の模様がお部屋を彩る、暮らしに取り入れたい理想の観葉植物です。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>
水だけで育てる観葉植物ブランド WOOTANG(ウータン)
水栽培・水耕栽培で育てる観葉植物/サボテン/マイクロ蘭/アボカドの種/球根などを販売中