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豆苗の育て方

豆苗の育て方|種から水耕栽培する方法や再生栽培のコツを解説

Last Updated on 2025年5月21日

手軽に栽培できて栄養価も高い豆苗。種から簡単に水耕栽培で育てることができ、シャキシャキとした食感と爽やかな風味で料理の幅を広げてくれる頼もしい野菜です。

この記事では、豆苗の基本知識から栽培方法、栄養効果、おすすめレシピまで紹介します。

1、豆苗とは

豆苗(とうみょう)は、マメ科エンドウ属に属するエンドウ豆のスプラウト(新芽)です。エンドウ豆の成長段階によって呼び名が変わり、最初の若い芽が「豆苗」、その後成長して若いサヤごと食べるものが「サヤエンドウ」や「スナップエンドウ」、未成熟の実を食べるのが「グリーンピース」、完熟した豆が「赤エンドウ」や「青エンドウ」と呼ばれます。

豆苗

エンドウ豆の歴史は非常に古く、南西アジアでは紀元前7,000年頃から栽培されていたとされ、古代エジプトのツタンカーメンの墳墓からも発見されています。

豆苗として食べる文化は中国で始まりました。当初は畑に植えたエンドウ豆の新芽を一つひとつ手摘みするため高価な食材とされ、一部の貴族や特別な行事の際にだけ食べられる貴重な野菜でした。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
日本では1990年代半ばから植物工場での水耕栽培による安定供給が可能になり、現在では一年中手頃な価格で手に入る家計の味方として私たちの食卓を彩っています。

 

2、豆苗の栽培に向いている時期

豆苗は基本的に一年中栽培可能ですが、他のスプラウト栽培と同様に、気温が安定している春と秋が最も適しています。これらの季節は豆苗が最も元気に育ち、トラブルも少なくなります。

豆苗を育てている様子

季節別の栽培ポイント

春・秋(最適期)

  • 気温が15〜25℃程度で安定しており、豆苗の生育に理想的
  • 水の管理も比較的簡単で、カビの発生リスクも低い
  • 窓辺など室内の明るい場所で問題なく育つ

夏(注意が必要)

夏場は高温になりすぎると豆苗の成長に悪影響を及ぼします。豆が腐りやすくなったり、カビが発生しやすくなったりするため、以下の点に注意しましょう。

  • 直射日光を避け、明るい室内で育てる
  • 水の交換頻度を増やす(1日2回以上)
  • エアコンの効いた涼しい環境で育てる

冬(対策が必要)

冬場は気温が低すぎると成長が遅くなります:

  • 室内の暖かい場所で管理する
  • 窓辺は外気の影響で冷え込むことがあるので注意
WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
気温が30℃を超える真夏の時期は、暑さで豆苗がすぐに腐ってしまうので、栽培は避けた方がよいでしょう。

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3、豆苗を種から水耕栽培で育てる方法

豆苗を種から育てる水耕栽培は、専用の設備がなくても手軽に始められます。以下の手順で育ててみましょう。

必要な材料

豆苗の栽培で必要な材料

・豆苗の種(園芸店やホームセンター、ネット通販などで購入可能)
・水耕栽培用の器(WOOTANGで販売中
・キッチンペーパー
・遮光用のダンボール箱

 

器の準備

器に除菌スプレーを吹きかけている様子

器にキッチン用の除菌スプレーを器にふきかけ、キッチンペーパーでしっかりと拭き取りましょう。

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
豆苗栽培では雑菌を繁殖させないように常に清潔な環境を保つことが大切です。

 

種まき

キッチンペーパーの上に器をのせてマジックで書いている

4つ折りに畳んだキッチンペーパーの上に器を乗せて、マジックなどで底の外径を書き写します。

 

キッチンペーパーをハサミで切る

線通りにハサミで丸く切ります。

 

豆苗の器に水を注いている様子

キッチンペーパーが十分に浸かる程度、水を注ぎます。

 

余分な水を捨てている様子

水がしっかりとキッチンペーパー全体に染み込むように器を回し、余分な水は捨てましょう。

 

器に豆苗の種を蒔いている様子

吸水させたキッチンペーパーの上に豆苗の種を蒔きます。

WOOTANG代表・中島
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この時、雑菌が付くのを防止するため種を直接手で触らないように注意しましょう。

 

器に豆苗の種をまいた様子

器を揺すって、種が重ならないように隙間なく広げてください。

 

豆苗をダンボールで遮光している様子

種を入れたガラス容器はダンボール箱などをかぶせて光が入らないように遮光します。

 

豆苗にスプーンで水をあげている様子

途中で、キッチンペーパーが乾いているようならスプーンなどで水を少量、継ぎ足しましょう。

 

種まきから3日後〜発芽

3日後に発芽した豆苗

種まきから3日後、豆苗の種が発芽しました。発芽したら、1日1回の水替えをしていきます。

 

水替え

豆苗の器に水を入れる

種が浸かる程度の水を入れます。

 

器をゆする

器を揺すって、底に溜まった老廃物をよく洗います。

 

豆苗の器の水をしっかりと捨てる

洗った水はしっかりと切って捨てましょう。

WOOTANG代表・中島
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ここで器の中に水を溜めないことがスプラウト栽培で成功するポイントです。この水替えを1日1回(気温が高い時期は1日2回)行いましょう。

豆苗をダンボールで遮光している様子

再びダンボール箱をかぶせて栽培を続けます。

 

種まきから7日後

高さ20cmほどに成長した豆苗

種まきから1週間後、豆苗が高さ20cm程まで成長しました。

WOOTANG代表・中島
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このくらいの大きさになったら、太陽の光を当てて緑化させます。

緑化

豆苗に日光を当てて緑化させる様子

日当たりの良い屋外に出して、豆苗を緑化させます。植物の苗は太陽の光が当たることで葉緑素を作り出し葉が緑色になります。

WOOTANG代表・中島
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屋外に出しても水替えは1日1回行いましょう。

種まきから9日後

緑化した豆苗

屋外に出して2日後、葉全体が緑色に変化しました。双葉がしっかりと開いたので収穫していきます。

 

収穫

豆苗を収穫している様子

収穫の時は、根から2〜3cmの高さにある脇芽を残して、ハサミで切ります。脇芽を残しておくと、再び豆苗が成長するので2〜3回収穫することができます。

 

収穫した豆苗

1回目でこれだけ収穫できました。

WOOTANG代表・中島
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スーパなどで販売している豆苗は生食でも大丈夫ですが、自宅で栽培した豆苗を食べる時は、雑菌がついている恐れがあるので、必ず加熱処理してから食べてください。

豆苗の2回目の栽培

収穫した豆苗は、再度、1日1回の水交換を続けてください。季節にもよりますが、2〜3回収穫できます。

 

<動画版はこちら>

 

4、買ってきた豆苗を再生栽培するコツ

スーパーで購入した豆苗を再生栽培すれば、もう一度おいしい豆苗を楽しむことができます。経済的でエコな再生栽培のコツをご紹介します。

最適なカット位置

豆苗を再生させるためには、カットする位置が非常に重要です。豆苗の茎をよく観察すると、下の方に小さな「脇芽」が見つかります。これが新たな芽を伸ばす成長点です。

豆苗の脇芽を残して包丁で切る様子

最適なカット位置は、この脇芽の上部です。この脇芽を残しておくと、早く収穫できるようになります。脇芽よりも下でカットしてしまうと、成長に時間がかかってしまいます。

 

水管理のポイント

豆苗の水管理は成功の鍵です。ポイントは、器に水を溜めないことです。

豆苗がひたひたに水に浸かっている状態で育ててしまうと、腐敗する原因になります。そのため、水交換では毎回、水をよく切ることが大切です。

豆苗の水をよく切る

<水替えのポイント>

  • 水を入れたら、容器をよく揺すって、種に付いた老廃物をよく洗う。
  • 容器に入れた水は捨てる。(器に水が残らないようにしっかりと水を切る)
  • 水替えは毎日、朝晩2回します。
WOOTANG代表・中島
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この方法で栽培すれば、雑菌が湧きづらくヌメヌメを防止できます。

 

置き場所と光の条件

豆苗は以下のような場所で育てると良いでしょう。

  • 明るい窓辺(直射日光は2〜3時間程度が限度)
  • 夏場の直射日光は避ける(水温が上がりすぎると生育不良の原因に)
  • 室内の明るい場所(室内照明だけでは茎が細くなり風味が落ちる)
  • 適温は20℃前後(冬場の寒い場所では成長が遅くなる)

豆苗を育てている様子

 

収穫回数と期間

豆苗の再生栽培で収穫できる回数は基本的に1〜2回です。

  • 1回目の収穫から7〜10日程度で2回目の収穫ができます
  • 3回目も挑戦できますが、収穫量が少なくなり、豆が腐りやすくなります
  • タネの養分が尽きるため、再生回数は2回までを目安にしましょう
  • 収穫が遅れると茎が硬くなるので、20〜30cm程度の高さになったら収穫するのがベストです

 

 

5、豆苗を育てる時の注意点

豆苗を健康に育てるために、いくつかの重要な注意点があります。

水の管理

豆苗の栽培において最も重要なポイントは水の管理です。

  • 水交換は毎日行い、清潔な状態を保ちましょう
  • 特に夏場は1日に2回以上の水交換が望ましいです
  • 容器には水を溜めずに、しっかりと水を切って捨てることが大切です

衛生管理の重要性

豆苗の栽培では衛生管理が重要です。

  • 水を溜めてしまうと腐敗の原因にになります
  • カビを見つけたり、異臭がしたら食べるのは絶対にやめましょう。
  • 自分で栽培した豆苗は、雑菌がついている可能性があるので、加熱処理して食べましょう。

6、よくある問題と対処法

豆苗の栽培中によく起こる問題とその対処法をQ&A形式でご紹介します。

栽培している豆苗

Q:豆苗の種が黒くなり、根元に白いカビのようなものが生えています。食べても大丈夫ですか?

A: カビが発生した豆苗は、絶対に食べないでください。カビ毒は熱に強いものもあり、加熱しても完全に安全にはなりません。カビが発生したら必ず処分してください。

カビが発生する主な原因は次の通りです。

  • 水の交換頻度が少ない
  • 水が容器に溜まってしまっている(しっかり水を切っていない)
  • 風通しが悪い
  • 温度が高すぎる
WOOTANG代表・中島
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予防策としては、毎日水を交換する、水はしっかり切って捨てる、風通しの良い場所に置くことが効果的です。

 

Q:豆苗からイヤな臭いがします。どうすればいいですか?

A: 異臭がする場合は、豆や水が腐敗している可能性が高いです。このような場合も、安全のために絶対に食べないでください

次回からは、水を毎日交換し、容器も清潔に保つように心がけましょう。特に暖かい季節は1日2回の水交換が効果的です。

 

Q:豆苗の茎が補足、葉も小さいまま成長が止まっています。原因は何ですか?

A: 成長不良の主な原因は以下の3つが考えられます:

  1. 光不足 – 窓辺など明るい場所に移動させましょう
  2. 温度の問題 – 適温は20℃前後です
  3. 水の交換頻度が少ない – 1日1〜2回、水交換をしましょう
WOOTANG代表・中島
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対策としては、明るい窓辺など適度な光が当たる場所に移動させ、室温が20℃前後になるよう調整しましょう。水交換は1日1〜2回、忘れずに行うことが大切です。

 

Q:豆苗がまっすぐに育たず、横や斜めに曲がって伸びています。どうすれば良いですか?

A: 植物は基本的に太陽の方向に向かって伸びる性質(屈光性)があります。一方向からのみ光が当たると、その方向に曲がって成長するのは自然な現象です。

これを防ぐには、毎日容器の向きを180度回転させるなど、均等に光が当たるようにすることで、バランスよく成長させることができます。

 

Q5:豆苗の周りに小さな虫が飛んでいます。どうすれば良いですか?

A: 小さな虫はコバエである可能性が高いです。コバエは豆苗が腐敗すると発生しやすくなります。

対策としては:

  • 水交換は毎日行い、清潔な状態を保つ
  • 栽培時、容器に水は溜めずにしっかり切って捨てる
  • 風通しをよくする
WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
豆苗にカビが生えていたり、異臭がしたら絶対に食べるのはやめましょう。

 

Q:豆苗を何度も再生栽培していますが、3回目はほとんど成長しません。なぜですか?

A: 豆苗が成長するエネルギー源は、タネに蓄えられた養分です。2回収穫すると、タネの養分がほぼ使い切られてしまうため、3回目は十分に成長しなくなります。

豆苗の再生栽培は2回までを目安にし、その後は新しい豆苗に切り替えるのがおすすめです。

 

7、豆苗の栄養素と効果

豆苗は豆と緑黄色野菜の両方の栄養を兼ね備えた栄養価の高い野菜です。特に注目すべき栄養素と効果をご紹介します。

主な栄養素

豆苗には以下のような豊富な栄養素が含まれています:

  • ビタミンA(βカロテン):抗酸化作用があり、皮膚や粘膜の健康維持、視力保持に効果的
  • ビタミンC:抗酸化作用、免疫力向上、コラーゲン生成を促進
  • ビタミンE:抗酸化作用、細胞の老化抑制
  • ビタミンK:骨の形成や止血をサポート
  • ビタミンB群(葉酸、ナイアシンなど):エネルギー代謝の促進、神経機能の維持
  • カリウム:体内の水分バランス調整、血圧の安定化
  • タンパク質:筋肉や臓器の構成成分、細胞の修復

豆苗のβカロテン含有量は特に注目に値します。ほうれん草、小松菜、チンゲン菜、春菊、ニラといった一般的な葉物野菜の中でもトップクラスのβカロテンを含んでいます。

【豆苗の栄養素に関する参考サイト】 食品成分データベース(文部科学省)

豆苗を包丁で切る様子

健康効果

豆苗に含まれる抗酸化ビタミン(A、C、E)は体内の酸化ストレスを軽減し、老化抑制が期待できます。また、ビタミンKは骨の健康維持に役立ちます。

βカロテンは油と一緒に摂ると吸収率が高まります。そのため、豆苗の定番調理法である「豆苗炒め」は栄養学的に理にかなった調理法と言えるでしょう。

【ブロッコリースプラウトの健康効に関する参考サイト】 豆苗研究会(村上農園)

 

 

8、豆苗の食べ方とおすすめレシピ

豆苗はシャキシャキとした食感と爽やかな風味が特徴で、様々な料理に活用できます。

生で食べる場合

豆苗はアクがないため、そのまま生で食べることができます:

  • サラダに加える
  • 生春巻きの具材に
  • 薬味として刻んで使用
  • 冷奴やそうめんのトッピング

注意点:家庭で種から育てた豆苗や、再生栽培した豆苗は、衛生面を考慮して生食を避け、加熱して食べることをおすすめします。

 

加熱調理の方法

豆苗は加熱調理でも美味しくいただけます:

  • 炒め物(肉や卵との相性が良い)
  • スープの具材
  • お浸し
  • 蒸し料理のトッピング

シャキシャキした歯ごたえを活かすため、炒めすぎないのがポイントです。サッと調理して、フレッシュな風味や食感を損なわないようにしましょう。

 

豆苗のおすすめレシピ「豆苗と卵のオイスター炒め」

材料

  • 豆苗 100g(1袋)
  • 卵(2個)
  • オイスターソース(大さじ1/2)
  • 胡椒(少々)
  • ごま油(適量)

作り方

豆苗を包丁で切る

豆苗を食べやすい大きさに切ります。

 

卵を炒める

フライパンにごま油を入れて中火で卵を炒めます。菜箸でかき混ぜ、ふわっとしたらボールに取り出しておきます。

 

豆苗を炒める

先ほどのフライパンに豆苗を入れて強火でしんなりするまで炒めます。

 

卵と豆苗をフライパンで炒める

先ほど炒めた卵を戻し入れて、オイスターソース、胡椒で味付けします。

 

卵と豆苗のオイスター炒め

お皿に盛ったら完成です!

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
とても簡単に作れて、ご飯のおかずにも、お酒のおつまみにもなる一品です。

 

9、まとめ

豆苗は栄養価が高く、手軽に栽培できる素晴らしい野菜です。この記事でご紹介した方法で、ぜひご家庭での豆苗栽培にチャレンジしてみてください。

豆苗栽培のポイント

  • 豆苗の基本:エンドウ豆の新芽で、栄養価が高く、手軽に育てられる
  • 栽培方法:水耕栽培が一般的で、種から育てることも、購入したものを再生栽培することも可能
  • 種の栽培の成功のコツ:適切な水管理(毎日交換・水をしっかり切る)、適した光と温度環境
  • 再生栽培の成功のコツ:正しいカット位置(脇芽の上)、適切な水管理(毎日交換・水をしっかり切る)
  • 注意点:カビや腐敗に注意し、清潔な管理を心がける
  • 収穫と食べ方:1〜2回の収穫が可能で、生食から炒め物まで様々な調理法で楽しめる

豆苗の栽培は、食費の節約になるだけでなく、新鮮な野菜を楽しむ喜びや、植物の成長を観察する楽しさも味わえます。子どもの食育にも最適なので、ぜひ家族で豆苗栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

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