水耕栽培に関する記事
大葉の水耕栽培

大葉(紫蘇)を育てるなら水耕栽培がおすすめ!100均スポンジで「種」と「苗」から栽培する方法を紹介

【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年8月16日

土を使わず、清潔で簡単に栽培できる大葉の水耕栽培がおすすです!100均グッズだけで始められ、種からでも苗からでも約1〜2ヶ月で新鮮な大葉を収穫できます。適切な時期選びと摘芯のコツを覚えれば、半年間も継続して収穫可能。病害虫のリスクが低く、成長も早いため、家庭菜園初心者でも失敗知らず。

この記事では、材料準備から収穫まで、写真付きで詳しく解説します。今すぐ始めて、香り豊かな自家製大葉を楽しみませんか?

1、大葉(紫蘇)の水耕栽培に適した時期

大葉(紫蘇)は根の成長が旺盛で、水中でも根腐れしにくい特性があります。また、比較的少ない養分でも元気に育つため、水耕栽培におすすめの植物の一つです。水耕栽培を成功させるために最も重要な要素の一つが、適切な栽培開始時期を選ぶことです。種から育てる場合と苗から始める場合では、それぞれ最適なタイミングが少し異なります。

「種」から水耕栽培を始める場合の適期

大葉の種の画像

最適な開始時期は4月〜6月下旬9月〜10月上旬です。大葉は気温が20〜25℃の間で最も発芽しやすいため、この温度帯になる時期を狙って種まきを行うことが成功の鍵となります。

春の種まきでは、4月〜5月は遅霜の心配がなくなり、気温が20〜25℃の適温範囲に入る理想的な時期となります。6月〜6月下旬は梅雨時期で湿度も適度にあり、発芽・初期生育に良好な環境です。

秋の種まきでは、9月〜10月上旬は暑さが和らぎ、再び20〜25℃の適温になる時期で、害虫も減少し管理しやすくなります。

注意点として、7〜8月は避けるべき時期です。この時期は気温が25℃を超えることが多く、種の発芽率が著しく低下するため、種からの栽培には適していません。

 

「苗」から水耕栽培を始める場合の適期

大葉の苗の画像

最適な時期は4月〜5月中旬です。大葉の苗は一般的に園芸店やホームセンターにこの時期に多く出回るため、水耕栽培開始に最も適しています。

大葉は温暖な気候を好む一年草で、生育適温は20〜30℃です。4月〜5月はしっかりとした春苗が豊富に流通し、気温も安定しているため、水耕栽培でよく育ちます。

また、9月以降に秋冬野菜として大葉の苗が販売されることもあるので、もしこの時期に購入できたら、9月〜10月であれば水耕栽培が可能です。気温が10℃を下回ると著しく成長が遅くなるので、10月下旬頃までに水耕栽培を始めるのが良いでしょう。

 

【参考記事】シソ(大葉)の育て方|栽培のコツや収穫のポイント、増やし方(ハイポネックス)

 

2、大葉(紫蘇)を種から水耕栽培する方法

材料の用意

大葉を種から水耕栽培する時の材料の画像

大葉の種
・プラスチック容器(500ml)
・キッチン用スポンジ(2層になっているもの)
・アルミホイル

WOOTANG代表・中島
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大葉の種は発芽率を高めるため、購入から1年以内の新しい種を使いましょう。種以外は全て100均ショップで購入可能です。

 

水耕栽培キットの制作

スポンジをカッターで切っている画像

まずキッチン用スポンジを、容器の口の大きさに合わせてカッターで切ります。大きすぎると容器に入らず、小さすぎると隙間から落ちてしまうので、容器の口の大きさにぴったり合わせて切りましょう。

 

スポンジに1cm間隔で線を引いた様子

次に、スポンジの固い層(緑の層)の方に、1cm程度の間隔になるように線を3〜4本引きます。

 

線をカッターで切る

この線に沿って、固い層(緑の層)の部分のみカッターで切れ込みを入れていきます。 切り込みの深さは、固い層の厚みである約2〜3mm程度が理想的です。浅すぎると種が固定されず、深すぎると種が奥に落ちて発芽しにくくなります。柔らかい層まで切り抜かないよう注意してください。

 

スポンジに水を吸水させている画像

種を植え込む前に、スポンジにたっぷりと水を吸収させておきます。

 

種まき

スポンジに大葉の種を蒔いている様子

大葉の種をスポンジの切り込みにまいていきます。種はなるべく重ならないように切り込み全体に均等にまきましょう。

WOOTANG代表・中島
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各ブロックの切れ込みに5〜6粒ずつまくのが適量です。多すぎると発芽後に混み合ってしまい、少なすぎると発芽しなかった場合に収穫量が減ってしまいます。

 

楊枝で種をスポンジに押し込んでいる様子

次に楊枝を使って、種を切れ込みの奥まで優しく押し込みます。種が見えなくなる程度まで押し込めば十分です。種がスポンジの中に入っていないと発芽しなくなるので注意しましょう。

 

容器にスポンジをセットしている様子

プラスチック容器の中に水を入れて、種をまいたスポンジをセットします。

 

種をまいたスポンジに水が浸かっている様子

スポンジが常に水に触れた状態になるように、水の量を調整してください。

 

容器の周りをアルミホイルで覆っている様子

水を入れたら容器の周りをアルミホイルで覆います。アルミホイルで容器の側面と底面を覆うことで、水温上昇を防いで根に適した環境を維持し、光が水に当たることで発生する藻の繁殖を抑制し、根が光ストレスを受けるのを防ぐ効果があります。また、光の反射によって起こる収れん火災を防止することもできるので必ず巻いてください。

 

種の水耕栽培スタート

ベランダに置いて種の水耕栽培を始めた様子

日当たりの良い屋外に置いて発芽させます。南向きのベランダや窓辺など、1日4〜6時間以上日光が当たる場所が理想的です。日照不足だと発芽が遅れたり、成長後の葉が薄くなったりします。

 

水やりの様子

3〜4日経過したら、どのくらい水が減ったかをチェックして、減った分の水を継ぎ足してください。水が減る量は季節によって異なるので、スポンジが常に水に浸かるように調整しながら、週に1〜2回、水を継ぎ足しましょう。

 

種まきから2週間後

発芽した大葉の種

2週間後、大葉が発芽しました。緑色の双葉(子葉)が開いています。

 

発芽後の大葉の根の様子

根っこの状態を見てみると、スポンジを突き破って大葉の根が出ていました。この状態になったら、養液で栽培していきます。

 

養液づくり

水耕栽培の液体肥料

養液とは、水耕栽培用の肥料を混ぜた水のことで、大葉を大きく成長させたい時は、養液で育ててください。今回は、2液型のハイポニカ液肥を使用しました。

 

液体肥料のA液を入れている様子

ハイポニカ液肥は、水耕栽培では500倍に薄めて使用するので、まず水500mlを容器に入れ、A液を1ml加えてよく混ぜます。

 

液体肥料のB液を入れている様子

次にB液を1ml加えてさらに混ぜてください。A液とB液を同時に入れると沈殿することがあるので、必ず順番に入れることが大切です。

 

養液を大葉の容器に入れている画像

養液を作ったら、栽培用の容器に入れていきます。3〜4日に1度、養液が減ったら、水道水を継ぎ足してください。1週間に1度、養液は全部捨てて、新しい養液と交換しましょう。

WOOTANG代表・中島
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古い養液は養分バランスが崩れ、雑菌が繁殖する可能性があります。定期的な交換により、植物が常に新鮮な養分を吸収できる環境を保てます。

 

種まきから4週間後

4週間後の大葉の水耕栽培

4週間後、大葉が草丈15cm程まで成長しました。葉も大葉らしい形になり、葉の表面に細かい毛が生え、香りも強くなってきます。茎もしっかりしてきて、収穫に向けて準備が整ってきます。

 

種まきから7週間後

7週間後の大葉

7週間後、大葉が40cm程まで成長しました。これくらいの大きさになったら最初の収穫をします。

 

1回目の収穫

大葉を収穫している様子

大葉の葉を摘み取る時は、脇芽の上をハサミで切ります。 この脇芽を残して上の部分を切ることで、脇芽が新しい茎として成長し、より多くの収穫が期待できます。こうすることで、脇芽が成長して次の茎になり、葉もたくさん生えて収穫量を増やすことができます

WOOTANG代表・中島
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この作業を「摘芯(てきしん)」と呼びます。主茎の成長点を切ることで、植物は横方向への成長に力を向け、結果的に葉の数が増えて収穫量がアップします。

 

大葉を収穫した様子

摘み取りの時は、葉を全部取らずに、光合成のために少し残しましょう。すべての葉を取ってしまうと、植物が弱ってしまい、次の収穫に影響が出てしまいます。

 

摘み取った大葉の葉

水耕栽培で育てた大葉は土栽培のものより柔らかく、香りも豊かです。特に初回収穫の若い葉は繊維が少なく、生食に最適です。

 

種まきから10週間後(1回目の収穫から3週間後)

10週間後の大葉

1回目の摘み取りから3週間後、大葉の草丈も伸び、葉も増えてきました。

 

摘心した後の様子

摘芯の効果で、元の主茎の代わりに複数の脇芽が成長し、茎の数が増えています。これにより、収穫量が初回よりも多くなることが期待できます。

 

2回目の収穫

2回目の収穫

1回目と同様に、脇芽の上をカットします。 2回目以降も同じ方法で摘芯を続けることで、さらに多くの側枝が発生し、収穫量がどんどん増加していきます。

【長期栽培のコツ】 養液の定期交換を継続し、日当たりの良い場所で管理し、適切なタイミングでの摘芯を心がけ、病気や害虫のチェックを定期的に行うことで、半年以上の長期栽培も可能です。

動画版はこちら

 

 

3、大葉(紫蘇)を苗から水耕栽培する方法

材料の準備

大葉の苗の水耕栽培の材料

・大葉の苗
・プラスチック容器(1000ml)
・キッチン用スポンジ
・アルミホイル

 

苗の準備

大葉の苗から土を取り除いている様子

購入してきた大葉の苗をポットから取り出したら、根を傷つけないよう細心の注意を払いながら土を取り除いていきます。

 

楊枝で土を落としている様子

根に付着した土は楊枝を使って優しく落としていきます。特に根の隙間に入り込んだ細かい土粒は、後の根腐れの原因となるため、時間をかけてでも完全に除去する必要があります。

 

大葉の土を流水で落としている様子

ある程度土を取り除いたら、流水を使って土を完全に落とし切ります。蛇口から出る水を弱めに調整し、根を傷つけないよう注意しながら洗い流します。

 

流水をかけながら、楊枝を浸かって大葉に付いた土を落としている様子

この時も楊枝を併用して、水だけでは落ちにくい土を除去していきます。土が完全に除去されていない状態で水耕栽培を始めると、土に含まれる細菌が水中で繁殖し、根腐れを引き起こす可能性が高くなります。そのため、この工程は手間を惜しまず丁寧に行うことが重要です。

 

水耕栽培キットの制作

100均スポンジをカッターで切っている様子

水耕栽培キットの制作は、家庭にある道具で簡単に行えます。まず2層構造のキッチン用スポンジを容器の口径に合わせてカッターで切ります。

 

スポンジに十字の線を書いた様子

次にペンを使ってスポンジの表面に十字の線を描きます。この十字の線のうち、1本は端まで線を伸ばすことがポイントです。

 

スポンジをカッターで切った様子

カッターを使って線に沿って切り込みを入れていきます。4つの切り込みのうち3つは途中で止め、1つだけは完全に端まで切り抜きます。これにより、スポンジが完全に4つに分かれることなく、開閉できる構造になります。この開閉部分に葉の茎を挟み込むことで、植物をしっかりと固定できるのです。

 

スポンジに大葉の苗を固定している画像

土を完全に除去した大葉をスポンジの切り込み部分に挟み込みます。

 

スポンジの中央に大葉の苗を挟み込んでいる画像

この時、茎と根の境界部分が十字の中心に来るよう位置を調整します。

 

スポンジを容器にセットしている様子

苗を挟んだスポンジを容器にセットします。

 

スポンジが容器の口に引っかかっている様子

2層のスポンジを使用することで、硬い層の部分が容器の口に引っかかって落ちなくなります。

 

養液づくり

液体肥料を使った養液づくりの様子

養液とは水耕栽培専用の肥料を水に溶かしたもので、土の代わりに植物に必要な栄養素を供給します。種の水耕栽培の時と同様にハイポニカ液肥を使用します。

 

水耕栽培用の液肥を計測している様子

水耕栽培では通常500倍に希釈して使用するため、水1リットルに対してA液とB液をそれぞれ2mlずつ加えて混合します。

 

養液を容器に入れている様子

容器に作った養液を注ぎます。

 

養液の分量の目安

養液は、根が半分から2/3半分程度が浸かる水位を保つことで、根の一部は水中で栄養を吸収し、残りの部分は空気中で呼吸を行えます。この空気層の存在が根腐れを防ぐ重要な要因となります。水位が高すぎると根が呼吸困難になり、低すぎると栄養不足や乾燥による枯死を招く可能性があります。

 

容器をアルミホイルで覆う様子

容器をアルミホイルで覆います。アルミホイルは直射日光を反射し、水温の急激な上昇を防ぎます。水温が上がりすぎると根が傷み、また藻類が繁殖しやすくなります。さらに、光の収束による火災リスクも軽減できます。アルミホイルは容器全体をしっかりと覆い、光が入らないよう隙間なく巻きつけることが大切です。

 

苗の水耕栽培スタート

屋外大葉の苗の水耕栽培を開始した様子

大葉は日光を好む植物のため、1日6時間以上直射日光が当たる場所が理想的です。ベランダや庭などの屋外が最適ですが、室内であれば南向きの明るい窓辺でも栽培可能です。風通しの良い場所を選ぶことで、病害虫の発生も抑制できます。

 

大葉の苗に水足しをしている様子

2日から3日に一度、容器内の水位をチェックし、蒸発によって減った分を水道水で補充します。この時、毎回養液を作る必要はありません。ただし、2週間に一度は容器内の水を完全に入れ替え、新しい養液を作って交換します。これにより、老廃物の蓄積や栄養バランスの崩れを防ぐことができます。

 

4週間後

4週間後の様子

4週間程度経過すると、目に見えて成長を実感できるようになります。最初は15センチ程度だった草丈が20センチまで伸び、葉の数も倍程度に増加します。この時期から植物の成長速度が加速し、日々の変化を楽しめるようになります。

 

5週間後

5週間後の様子

5週間後には草丈30センチ程度まで成長し、いよいよ初回の収穫時期を迎えます。この段階での葉の摘み取り方法が、その後の収穫量を大きく左右します。

 

1回目の収穫

大葉の収穫の様子

葉を摘み取る際は、脇芽と呼ばれる茎の分岐点の上でハサミを使ってカットします。脇芽を残すことで、そこから新しい茎が伸び、より多くの葉を付けるようになります。(種から大葉を水耕栽培する時と同様です)

 

収穫した後の大葉の様子

収穫時の注意点として、すべての葉を摘み取ってしまわないことが挙げられます。光合成を継続するため、主要な葉はいくつか残しておく必要があります。摘み取った葉は新鮮なうちに料理に使用し、使い切れない分は冷凍保存しておけば長期間利用できます。

 

8週間後(1回目の収穫から3週間後)

8週間後の大葉の様子

1回目の収穫から3週間後の8週間目には、脇芽から新しい茎が伸び、草丈40センチ程度まで成長します。この時期には葉の数も大幅に増加し、1株からかなりの量を収穫できるようになります。2回目の収穫も同様に脇芽の上でカットすることで、さらなる分岐を促進できます。

 

12週間後

12週間後の大葉の水耕栽培

12週間後、つまり栽培開始から約3ヶ月経過すると、草丈は50センチ程度に達し、株全体のボリュームも大幅に増加します。大葉は気温が下がる10月頃まで、約半年間にわたって収穫を続けることができます。適切な管理を行えば、1株から相当な量の大葉を収穫でき、スーパーで購入することを考えれば経済的にも非常にメリットがあります。

この水耕栽培方法の最大の利点は、土を使わないため清潔に栽培できること、そして病害虫のリスクが低いことです。また、成長が早く、収穫量も多いため、初心者でも成功体験を得やすい栽培方法と言えるでしょう。

動画版はこちら

 

 

4、まとめ

大葉の水耕栽培は、初心者でも手軽に始められる家庭菜園の入門として最適です。土を使わないため清潔で、病害虫のリスクも大幅に軽減できます。

栽培成功のポイント

最適な栽培時期

  • 種から:4月〜6月下旬、9月〜10月上旬(気温20〜25℃)
  • 苗から:4月〜5月中旬が最適

必要な材料

  • 100均で揃う基本用品(プラスチック容器、スポンジ、アルミホイル)
  • ハイポニカ液肥(500倍希釈で使用)

栽培のコツ

  • アルミホイルで遮光し、藻の発生と水温上昇を防止
  • 週1回の養液交換で清潔な環境を維持
  • 脇芽の上で摘芯することで収穫量アップ

期待できる成果

  • 種から約7週間、苗から約5週間で初回収穫
  • 適切な管理で半年間の長期収穫が可能
  • 市販品より柔らかく香り豊かな大葉を自家栽培

水耕栽培の大葉は成長が早く、経済的メリットも大きいため、家庭菜園を始めたい方にぜひおすすめしたい栽培方法です。

 

 

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