
ガジュマルは水耕栽培がおすすめ!土栽培からの移行手順と成功率を上げるコツを解説
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年9月16日
観葉植物として人気の高いガジュマルを、おしゃれな水耕栽培で育ててみませんか?土で育てたガジュマルを水耕栽培に移行する方法は、コツさえ掴めば意外と簡単です。この記事では、実際の体験に基づいて、失敗しないガジュマルの水耕栽培方法を詳しく解説します。
- 完全な土の除去 – 爪楊枝で細部まで徹底除去
- 細い根を剪定 – 水中用の新しい根を発根させるため
- 切り口の乾燥 – 半日程度日陰で乾燥させる
- 適切な水位 – 根が2〜3cm浸かる程度の水量で育てる
- 段階的適応 – 購入後1〜2週間環境に慣らしてから移行
1、ガジュマルの水耕栽培とは
ガジュマルは本来、熱帯地方に自生する丈夫な植物であり、適応力が高いため水耕栽培にも向いている観葉植物の一つです。ガジュマルの水耕栽培の最大の特徴は、透明な容器を使用することで根の成長を直接観察できることです。土を使わないため室内を清潔に保てることや、水やりのタイミングが一目で分かることなど、管理面でのメリットも数多くあります。
ガジュマルを土から水耕栽培に移行する最適な時期
ガジュマルを土栽培から水耕栽培に移行するタイミングは、春から夏(4月〜9月)が最も適しています。この時期はガジュマルの成長期にあたり、新しい環境への適応力が最も高くなります。発根に必要な温度条件(20〜30℃)を自然に保ちやすいのも大きなメリットです。
水耕栽培に移行する時の事前準備
土栽培のガジュマルは購入直後、環境変化によるストレスを受けているため、1〜2週間程度新しい環境に慣れさせてから水耕栽培に移行することをおすすめします。植物の葉に艶がなかったり、枝が徒長していたりと弱っている場合は成功率が下がるため、環境にしっかり慣れてから移行させましょう。
2、ガジュマルを水耕栽培する方法
材料の準備
<基本材料>
・ガジュマル(土植えのもの)
・水耕栽培用のガラス容器
<必要な道具>
・園芸用ハサミ(根を切るため)
・爪楊枝(根に絡んだ土を取るため)
理想的な容器は、ガジュマルの根がゆったりと入る大きさで、透明性が高いものです。口が広い容器を選ぶと、後々の手入れが楽になります。WOOTANGでは、水耕栽培用のガラス容器をオンラインで販売しています。
①ガジュマルの土を取る
まずガジュマルをポットから慎重に取り出します。茎の根元をしっかりと持って、ゆっくりと引き抜くことが重要です。
次に大まかな土を手で取り除きます。根についた土の塊を優しく崩していきますが、この段階では完全に土を取り除く必要はありません。大きな土の塊を取り除くことで、次の洗浄作業が楽になります。
②根を洗う
流水で根を洗って、土を完全に取り除きます。
次に爪楊枝を使って細かい土を取り除きます。特に根の隙間に入った土もしっかりと落とすことが重要で、この作業を怠ると後に根腐れの原因となります。
最終的に土が完全に除去されているか確認しましょう。少しでも土が残っていると、水耕栽培では菌の繁殖により根腐れを引き起こす可能性があります。土には様々な菌が含まれており、水耕栽培の清潔な環境では有害な菌が繁殖しやすくなります。完全な土の除去は水耕栽培の成功の鍵となる最も重要な工程の一つです。
③根の剪定
土を取り除いたら、ガジュマルの細い根を全て切り落とします。土栽培に特化した根は水中では適切に機能しないためです。土栽培の根は土壌から養分を吸収する構造になっており、水耕栽培では水中用の根を発根させる必要があります。この理由から、古い根を取り除いて、新しい環境に適応した根の成長を促すことが重要です。
剪定の方法は、まず園芸用のハサミを使用して細い根を切り落とします。ハサミは使用前にアルコールで消毒し、清潔な状態で作業を行うことが重要です。太い主根は傷つけずに、細い毛根のみ切り取っていきます。
根を切った後は日陰で半日程度乾燥させます。この乾燥期間中に植物は軽度のストレスを受けますが、このストレスが発根を促進する効果があります。切り口が乾燥することで、病気の侵入を防ぐ効果も期待できます。切り口から病気が入らないよう、作業環境を清潔に保つことも忘れてはいけません。
④水耕栽培をスタートする
水耕栽培用のガラス容器にガジュマルを入れます。
次に適量の水を入れます。根が2〜3cm程度が水に浸かる量が理想的です。初期段階では水が多すぎると根腐れの原因となるため、少なめから始めることが重要です。水位は根の発根状況に応じて徐々に調整していきます。
直射日光を避けた明るい場所が水耕栽培をスタートさせます。レースのカーテン越しの窓辺などが理想的な環境です。急激な温度変化を避けるため、エアコンの風が直接当たらない場所を選ぶことも大切です。
初期管理のポイント
発根するまでの期間は毎日水を交換します。この期間中は根が水に適応していないため、水質の悪化が植物に大きな影響を与えます。水が濁ったり臭いがしたりした場合は、時間に関係なく即座に交換しましょう。光量については明るい環境を好みますが、直射日光は葉焼けの原因となるため避けることが重要です。
⑤発根(2〜3週間後)
水耕栽培をスタートさせて2〜3週間で、ガジュマルが発根します。この白い根が出でくるとガジュマルが水に適応し始めた合図にあるので、このまま水耕栽培で育てましょう。その後の管理は、1週間に1度、減った分の補水して、2〜3週間に1度は、器の水を全部交換してください。
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3、よくある失敗とその対処法(Q&A)
Q1. 根腐れが発生してしまいました。どう対処すればいいですか?
A1. 根腐れの症状として、根が茶色く変色し悪臭を発するようになります。この場合、まず腐った部分を清潔なハサミやカッターで完全に切り取ります。その後、切り口を半日ほど乾燥させてから再度、水耕栽培を始めましょう。
Q2. 2週間経っても発根しません。何が原因でしょうか?
A2. 発根しない主な原因として、温度が低すぎる、光量不足、またはストレスが不十分であることが考えられます。室温が20℃以下の場合は暖かい場所に移動し、光量が不足している場合は明るい場所に置き直してください。また、細い根の切り方が不十分だった可能性もあるため、再度根を少し切ってストレスを与えることも有効です。
Q3. 葉が黄色くなってきました。このまま枯れてしまうのでしょうか?
A3. 水耕栽培に移行中に葉の黄変が見られる場合の原因は、環境の急激な変化が考えられます。土栽培から水栽培に移行させるため、植物は大きなストレスを受けるので、どうしても葉が黄色くなってしまうことがあります。しばらくしてガジュマルが環境に慣れると、黄変は止まりますので、しばらく様子を見てください。
Q4. 水にぬめりが出て濁ってきました。正常ですか?
A4. 水のぬめりや濁りは細菌の繁殖を示しており、正常な状態ではありません。すぐに水を完全に交換し、容器も清潔に洗浄してください。このような症状が頻繁に起こる場合は、水替えの頻度を上げるか、置き場所の温度が高すぎないか確認が必要です。
Q5. 冬場でも水耕栽培を続けることはできますか?
A5. 冬場でも水耕栽培は可能ですが、管理方法を調整する必要があります。成長が鈍る時期のため室温の変化に注意してください。暖房の直風は避け、室温が15℃を下回らないよう注意が必要です。また、日照時間が短くなるため、できるだけ明るい場所に置くことが重要です。
4、水耕栽培のガジュマルのお手入れ方法
日常のケア
水やりは、1週間に1度、減った分を補水し、2〜3週間に1度、器の水替えをしましょう。水が濁ったり、藻が発生したりした際は頻度を上げて対応しましょう。特に夏場は気温が高く細菌が繁殖しやすいため、こまめに水替えが大切です。
肥料については月1回程度、薄めた液体肥料を与えることで健康的な成長を促進できます。ただし水耕栽培では、水の中に肥料を入れると根腐れしてしまうことがあるので、水で薄めた液体肥料を葉面散布するのがおすすめです。
また、葉水も重要なケアのひとつです。乾燥を防ぐため、霧吹きで葉の裏表にたっぷりと水を吹きかけてあげましょう。特にエアコンを使用する夏と冬は、1日1回程度の葉水が効果的です。
季節ごとの管理のポイント
春から夏にかけてはガジュマルの成長期にあたるため、より注意深い管理が必要です。気温の上昇とともに植物の代謝が活発になり、水の消費量も増加します。そのため水替えの頻度を上げることで、常に新鮮な水を供給しましょう。また、直射日光を避けつつも十分な明るさを確保することで、健康的な成長を支援できます。レースカーテン越しの光や、明るい室内照明の下が理想的な環境です。
秋から冬にかけては植物の成長が鈍くなるため、水替えの頻度を下げて管理します。この時期は過度な水分や栄養が逆に植物にストレスを与える可能性があるため、控えめな管理を心がけることが重要です。室温の変化に特に注意を払い、暖房の直風が植物に当たらないよう配置を工夫しましょう。急激な温度変化は植物に大きなストレスを与えるため、安定した環境を維持することが冬場の管理のポイントです。
5、まとめ
ガジュマルの水耕栽培移行は、正しい手順を踏めば初心者でも成功できる園芸方法です。以下の要点を押さえて、おしゃれな室内栽培を楽しみましょう。
移行の基本ポイント
- 最適時期:春から夏(4月〜9月)の成長期を選ぶ
- 事前準備:購入後1〜2週間環境に慣れさせてから移行
- 必要材料:透明なガラス容器、園芸用ハサミ、爪楊枝
成功の鍵となる作業手順
- 土の完全除去:流水と爪楊枝で徹底的に土を取り除く
- 根の剪定:細い根を全て切り落とし、切り口を半日乾燥
- 初期管理:根が2〜3cm浸かる程度の水位で開始
日常管理のコツ
- 水替え:発根まで毎日、その後は1週間に1度補水、2〜3週間に1度全交換
- 置き場所:直射日光を避けた明るい場所(レースカーテン越しが理想)
- 肥料:月1回薄めた液体肥料を葉面散布
根腐れや発根しない場合の対処法も把握しておけば、トラブル時も安心して対応できます。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>
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