【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2026年1月28日
鮮やかな赤やピンク、白の花が美しいアンスリウムは、水耕栽培で育てることができる人気の観葉植物です。土を使わずに清潔に育てられる水耕栽培は、室内で植物を楽しみたい方に最適な栽培方法といえます。本記事では、アンスリウムの水耕栽培の始め方から日々のケア、よくあるトラブルの対処法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
1、アンスリウムの特徴
①水耕栽培への適応性
アンスリウムは熱帯アメリカ原産のサトイモ科の植物で、もともと樹木に着生して育つ性質を持っています。この着生植物としての特性により、根が空気を好み、過度な湿気を嫌うという特徴があります。そのため、土栽培では根腐れのリスクが高い植物ですが、水耕栽培では根が常に新鮮な酸素に触れることができるため、むしろ健康的に育てることができます。

水耕栽培のアンスリウムは、土栽培とは異なる白く透明感のある水根を発達させます。この水根は土で育った根よりも効率的に水分と養分を吸収できるため、適切な管理を行えば土栽培以上に生き生きとした姿を楽しむことができます。また、透明な容器で育てることで根の成長を観察できるのも、水耕栽培ならではの魅力です。

②生育環境
アンスリウムは熱帯雨林の樹木の下で育つ植物のため、直射日光を避けた明るい場所を好みます。理想的な置き場所は、レースのカーテン越しの柔らかい光が入る窓辺や、明るい室内です。直射日光に当たると葉焼けを起こし、葉が茶色く変色してしまうため注意が必要です。
温度管理も重要なポイントで、生育適温は18度から28度程度です。冬の寒さには弱く、15度を下回ると生育が鈍り、10度以下になると枯れる危険性が高まります。そのため、冬季は暖かい室内で管理し、窓際の冷気が直接当たらないよう配慮することが大切です。
湿度に関しては、原産地の環境を再現するように60パーセント以上の湿度を保つのが理想的です。乾燥する季節には葉水を与えることで、葉の健康を維持し、ハダニなどの害虫予防にもつながります。
③種類
アンスリウムには600種以上の品種が存在し、花色や葉の形状も多様です。最も一般的なのは鮮やかな赤の花を咲かせる品種で、情熱的な印象を与えることから人気があります。この赤いアンスリウムは、開運や活力をもたらす植物としても知られています。

ピンクのアンスリウムは優しく柔らかな印象で、インテリアに温かみを加えてくれます。白のアンスリウムは清潔感があり、モダンな空間にも調和する洗練された雰囲気を持っています。また、花の部分である仏炎苞の形状も品種によって異なり、ハート型が強調されたものから、細長いものまで様々です。
観葉植物として葉の美しさを楽しむ品種もあり、クラリネルビウムやクリスタリナムなどは、葉脈が際立つ美しい葉を持っています。これらの品種も水耕栽培で育てることができ、花を咲かせる品種とは異なる魅力を楽しめます。
④花言葉と風水
アンスリウムの花言葉は「煩悩」「恋にもだえる心」「炎のような輝き」など、情熱的なものが多く、ハート型の花姿から恋愛運を高める植物としても人気があります。また「飾らない美しさ」という花言葉もあり、その自然な美しさが評価されています。
風水の観点では、アンスリウムは恋愛運や対人運を向上させる効果があるとされています。特に赤いアンスリウムは強いエネルギーを持ち、開運や仕事運の向上にも良いとされ、玄関やリビングに置くことで家全体の気の流れを良くすると考えられています。ピンクは恋愛運、白は浄化作用があるとされ、目的に応じて色を選ぶのも楽しみ方の一つです。
2、アンスリウムの水耕栽培の始め方
①植物を器にセットする

アンスリウムを水耕栽培で育てる際は、まず水にしっかりと適応したアンスリウムが必要になります。WOOTANGの植物であれば、最初から水に適応しているので、すぐに水耕栽培を始めることができます。
また、器選びも重要になります。透明なガラス容器を使用すると根の成長を観察できるため、初心者には特におすすめです。また、容器はアンスリウムの株がぐらつかないよう、しっかりと固定できることも重要です。アンスリウムは着生植物のため、根が宙に浮いた状態でも育ちますが、株が安定していることで健康的な成長が促されます。
WOOTANGの水耕栽培専用の容器なら、器(ガラス製)とふた(木製)がセットになっているので、アンスリウムをしっかり固定して育てることができるのでおすすめです。
②水を入れる

容器に水を入れる際は、必ず水道水を使用してください。浄水器を通した水や蒸留水は塩素が除去されているため、雑菌が繁殖しやすくなる危険があります。水道水に含まれる微量の塩素は、水の腐敗を防ぐ自然の防腐剤として機能するため、水耕栽培には最適です。
水を入れる前に、容器が清潔であることを確認し、汚れや油分が付着していないかチェックすることも重要です。アンスリウムは水質にやや敏感な面があるため、最初の数日は水の様子をこまめに確認し、濁りが出たらすぐに交換するようにしましょう。特に花を咲かせる時期は、清潔な水を保つことが美しい赤やピンク、白の花を長く楽しむためのポイントです。
③理想的な水の量

水の量は根の半分から3分の2が浸かる程度が最適です。すべての根が水に浸かってしまうと酸素不足により根腐れを起こす可能性があるため、必ず一部の根は空気中に出しておきます。アンスリウムは着生植物の性質を持つため、根が空気に触れることで呼吸し、健康的に育ちます。茎の付け根部分は水に浸からないよう注意が必要で、浸かってしまうと腐敗の原因となります。
季節によって蒸散量が変わるため、夏場は水の減りが早く、冬場はゆっくりになります。株が成長して根が増えてきたら、それに応じて水の量も調整していきます。
アンスリウムは開花時期に水の吸収が活発になるため、花芽がついたら水位の確認をより頻繁に行うとよいでしょう。
3、日々のケアと管理方法
①置き場所

アンスリウムの水耕栽培では、明るい間接光が当たる場所が最適です。東向きや北向きの窓辺、またはレースカーテン越しに光が入る南向きや西向きの窓辺が理想的な置き場所となります。直射日光に当てると葉焼けを起こし、茶色く変色してしまうため注意が必要です。
一方で、光量が不足すると徒長して茎が細く伸びすぎてしまい、葉と葉の間隔が広がって見栄えが悪くなります。さらに重要なのは、光が不足すると花が咲かない原因となることです。アンスリウムは美しい赤やピンク、白の花を楽しむ植物のため、適切な光量を確保することが大切です。エアコンの風が直接当たる場所は乾燥しすぎるため避け、人が生活する空間の中で適度な湿度が保たれる場所を選びましょう。
アンスリウムは熱帯原産の植物のため、温度管理も重要です。冬場は窓辺が冷え込むため、夜間は室内の暖かい場所に移動させると安心です。15度以上の温度を保つことで、冬でも花を楽しめる可能性が高まります。

②水の交換頻度と水質管理のコツ

基本的に週1回は減った分の水を補充し、水位を一定に保つことが重要です。2〜3週間に1度は容器内の水を完全に交換し、新鮮な水と入れ替えます。この際、容器の内側にぬめりや藻が発生している場合は、スポンジなどで丁寧に洗浄し、清潔な状態を保ちましょう。
水替えの際には根を優しく水で洗い流すことで、根に付着した老廃物を除去できます。容器の内側に藻が発生することがありますが、これは光が当たりすぎている証拠なので、置き場所を見直すか、容器の周りを紙などで覆って光を遮ることで防げます。夏場は水温が上昇すると水中の溶存酸素量が減少し、根が酸素不足になりやすくなるため、こまめな水交換がより重要になります。
アンスリウムは水質に敏感な面があり、特に開花期間中は清潔な水を保つことで、花を長持ちさせることができます。水が濁ってきたり、異臭がする場合は、すぐに水を交換してください。

③適切な肥料の選び方と与え方
水耕栽培でアンスリウムを現状のサイズで維持する場合、基本的に肥料は必要ありません。しかし、より大きく成長させたい場合や株を充実させたい場合、葉の色つやを良くしたい場合、そして美しい花を咲かせたい場合は、適切な施肥が効果的です。水耕栽培では液体肥料を使用し、春から秋の生育期に月1回程度の頻度で与えます。

肥料を与える際の重要なポイントは、水に直接肥料を入れないことです。肥料は根を傷め、根腐れの原因となります。水耕栽培でおすすめの方法は、液体肥料を葉面散布することです。霧吹きに薄めた液体肥料を入れて葉の表裏にまんべんなく散布すれば、葉から直接栄養を吸収でき、根への負担を最小限に抑えられます。アンスリウムの光沢のある葉は肥料の吸収も良く、葉面散布との相性が良いです。
水耕栽培に適した肥料としては、ハイポネックス原液やハイポニカ液体肥料などがあり、これらは水耕栽培専用に配合されているため安心して使用できます。
アンスリウムの美しい花を咲かせるためには、リン酸分がやや多めの肥料を選ぶと効果的です。窒素分が多すぎると葉ばかりが茂り、花が咲かない原因となるため、バランスに注意しましょう。

④季節ごとの管理ポイント
春は新芽が出始める季節で、アンスリウムが最も活発に成長する時期です。水の交換頻度を増やし、肥料も定期的に与えて成長を促します。気温が上がってくると水の蒸発も早くなるため、水位のチェックを欠かさず行いましょう。春から初夏にかけては花芽もつきやすい時期なので、適切な光と栄養を与えることで、美しい赤やピンク、白の花を楽しむことができます。
夏は高温多湿の環境となるため、水温が上がりすぎないよう注意が必要です。水温が30度を超えると根が傷む可能性があるため、涼しい場所に移動させたり、エアコンで室温を調整したりします。また、夏場は水が腐りやすいため、水の交換頻度を週に2回程度に増やすと良いでしょう。葉水をこまめに与えることで、葉の乾燥を防ぎ、害虫の予防にもなります。アンスリウムは湿度を好む植物のため、夏の湿度は成長に有利ですが、水質管理には特に注意が必要です。

秋は再び成長期となるため、春と同様の管理を続けますが、徐々に気温が下がってくるため、寒さ対策を意識し始める時期でもあります。秋にも開花する可能性があるため、引き続き明るい場所で管理し、適度な肥料を与えましょう。
冬は生育が緩慢になるため、水の交換頻度を減らし、肥料も控えめにします。アンスリウムは寒さに弱いため、室温を15度以上に保つよう心がけ、夜間の冷え込みに注意します。10度以下になると深刻なダメージを受ける可能性があるため、特に注意が必要です。暖房による乾燥で葉が傷むことがあるため、霧吹きで葉水を与えて湿度を保つことが大切です。冬場でも適切な温度と光を保てば、花を咲かせることもあります。

4、よくある問題と対処法(Q&A)
Q:葉が黄色くなってきました。どうすればよいですか?
A:下の方の古い葉が徐々に黄色くなって落ちるのは正常な生理現象です。季節の変わり目の温度変化や植物の置く場所を移動したすると、植物が軽度のストレスを受けて葉が黄色くなることがあります。こうした生理現象やストレスによるものは、それほど気にしなくても大丈夫です。その他の原因としては最も多いのが根腐れで、水位が高すぎたり水が汚れていたりすると根が傷んで葉が黄変します。まず水を全て交換し、根の状態を確認してください。黒く柔らかくなった根があれば取り除き、清潔な水で管理を再開します。光不足も葉の黄変を引き起こすため、より明るい場所に移動させることも検討してください。

Q:花が咲かない原因は何ですか?
A:アンスリウムの花が咲かない主な原因は、光不足、栄養不足、温度不足の3つです。アンスリウムは明るい環境を好むため、暗い場所では花芽がつきにくくなります。レースカーテン越しの明るい窓辺に移動させてみましょう。次に栄養面ですが、窒素分が多すぎると葉ばかりが育ち開花しにくくなります。リン酸を含むバランスの良い肥料に切り替え、適切な頻度で与えることが大切です。また、温度が18度以下になると花芽の形成が抑制されるため、冬場でも暖かい環境を保つことが重要です。これらの条件を整えることで、鮮やかな赤やピンク、白の花を楽しむことができます。
Q:水耕栽培から土へ植え替えはできますか?
A:水耕栽培から土への植え替えは可能ですが、慎重に行う必要があります。水耕栽培で育った根は水根と呼ばれる土の根とは異なる構造を持っているため、急に土に植え替えると植物がストレスを受けます。植え替えを行う場合は、まず水はけの良い用土を用意し、根を傷めないよう優しく土に植え付けます。植え替え直後は土を湿らせた状態を保ちながら、徐々に通常の水やりに移行していきます。ただし、植え替え後は一時的に元気がなくなることもあるため、明るい日陰で養生させ、2週間から3週間は様子を見守ることが大切です。
Q:冬の間、全く成長しません。枯れているのでしょうか?
A:冬はアンスリウムの休眠期にあたるため、成長が止まるのは自然な現象です。気温が15度前後になると生育が緩やかになり、ほとんど新しい葉が出なくなります。ただし、葉が緑色を保ち、根が白く健康であれば問題ありません。枯れているかどうかは、茎を軽く触って確かめることができます。茎がしっかりしていて弾力があれば健康な証拠です。冬の間は水の交換頻度を減らし、肥料もほとんど与えずに管理します。室温を15度以上に保ち、春になれば再び成長を始めるため、焦らず見守ることが大切です。
Q:葉に黒い斑点ができました。病気でしょうか?
A:葉に黒い斑点が現れる場合、炭疽病や細菌性の病気の可能性があります。これらは水のはね返りや高湿度の環境で発生しやすく、感染力があるため早めの対処が必要です。まず、斑点がある葉は速やかに取り除き、他の健康な葉に広がらないようにします。容器と根を清潔に洗い、新しい水に交換してください。風通しの良い場所に置き、葉水を与える際は葉に水滴が残らないよう注意します。症状が改善しない場合は、市販の殺菌剤を使用することも検討しましょう。
Q:根がほとんど伸びてきません。どうすればよいですか?
A:根の成長が遅い場合、いくつかの原因が考えられます。まず、水位が高すぎると根が酸素不足になり成長が止まります。根の半分から3分の2程度が水に浸かる水位に調整してください。また、水温が低すぎると根の活動が鈍るため、特に冬場は室温程度の水を使用します。栄養不足も根の成長を妨げるため、適切な濃度の液体肥料を定期的に葉面散布して与えることが重要です。明るさも根の成長に影響するため、明るい間接光の当たる場所で管理しましょう。
Q:開運効果を高める置き場所はありますか?
A:風水の観点では、アンスリウムは恋愛運や対人運を高める植物とされており、置き場所によって効果が変わるとされています。玄関に置くと良い気を招き入れ、家全体の運気を上げる効果があります。特に赤いアンスリウムは開運や仕事運の向上に良いとされ、仕事部屋やリビングに置くのもおすすめです。ピンクのアンスリウムは寝室に置くと恋愛運が上がるとされています。ただし、風水を意識しすぎるよりも、植物が健康に育つ環境を優先することが大切で、明るく風通しの良い場所であれば、自然と良い気が流れるとも考えられています。
5、まとめ
アンスリウムの水耕栽培は、土を使わずに清潔に育てられる魅力的な栽培方法です。着生植物としての性質を持つアンスリウムは、根が空気に触れる水耕栽培と相性が良く、適切な管理を行えば美しい赤やピンク、白の花を長く楽しむことができます。栽培を始める際は、水に適応した株を用意し、透明な容器で根の成長を観察しながら育てましょう。水の量は根の半分から3分の2が浸かる程度に保ち、茎の付け根が水に浸からないよう注意することが重要です。日々のケアでは、明るい間接光の当たる場所に置き、週1回の水の補充と2から3週間に1度の水交換を基本とします。肥料は水に直接入れず、葉面散布で与えることで根への負担を軽減できます。季節に応じた管理を心がけ、特に冬は15度以上の温度を保つことで、一年を通して健康的に育てることが可能です。開運効果も期待できるアンスリウムを、水耕栽培で楽しんでみてください。











