
【初心者必見】アイビー挿し木の育て方完全ガイド!水挿しで4週間で根が出る方法
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年6月11日
観葉植物として人気のアイビーを簡単に増やす方法をご存知ですか?水挿しという手軽な挿し木方法なら、植物初心者の方でも失敗なくアイビーを増やすことができます。特別な道具や土は不要で、カットしたアイビーを水に挿すだけで美しい根が育ちます。
本記事では最適な時期や挿し穂の準備方法、日々の管理のコツから、よくあるトラブルの対処法まで、アイビーの水挿し栽培を成功させるための全てのノウハウを詳しく解説します。インテリアとしても楽しめる水耕栽培で、お気に入りのアイビーをどんどん増やしてみませんか?
1、アイビーの挿し木(水挿し)に最適な時期
水挿しを始める前に、まず時期についてお話しします。アイビーの水挿しは一年中できますが、最も成功率が高いのは春から初夏にかけてです。この時期は気温が安定していて、植物も成長期に入るので根が出やすくなります。
挿し木に最も最適な時期
春の4月から5月は、アイビーが冬の休眠期から目覚めて活発に成長を始める時期です。気温も15度から25度程度と安定しており、湿度も適度で挿し木には最適な環境が整います。新芽も出やすく、根の発育も早いのが特徴です。
6月から7月の初夏も挿し木に適していますが、梅雨の時期は湿度が高すぎることがあるので、風通しの良い場所での管理が重要になります。
避けた方が良い時期
真夏の7月下旬から8月の猛暑日は、気温が30度を超えると水温も上がりすぎて根が傷みやすくなります。また、エアコンの効いた室内では温度差が激しく、植物にストレスを与えてしまうことがあります。
真冬の12月から2月は、アイビーが休眠期に入り成長が鈍くなるため、根が出るまでに時間がかかったり、失敗率が高くなったりします。室内の暖房で乾燥しがちなのも挿し木には不利な条件です。
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2、アイビーを挿し木(水挿し)する方法
挿し穂の準備
まず大きく成長した健康なアイビーを用意します。できるだけ病気や虫食いのない、元気で緑色の濃い枝を選びましょう。弱っている枝だと根が出にくいことがあります。
枝先から15cmから20cmくらいの長さでカットします。この時大切なのは、節という茎のふくらんだ部分が2つから3つ含まれるようにすることです。根は主にこの節の部分から出てくるので、節がないと根が出ません。また、カットする時はハサミやカッターをアルコールなどで消毒してから使うと、雑菌が入るのを防げます。
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次に、水に浸かる部分の葉をすべて取り除きます。葉が水に浸かっていると腐ってしまい、水が汚れる原因になってしまいます。上の方の葉は3枚から4枚程度残しておけば大丈夫です。葉を取る時は、茎を傷つけないよう丁寧に手でつまんで取り除きましょう。これで挿し穂の完成です。
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水挿しの準備
アイビーの挿し穂、水耕栽培用の器、ミリオンAを用意します。容器は透明なガラス瓶や花瓶など何でも構いませんが、口が広すぎると挿し穂が安定しないので、適度な大きさのものを選びましょう。おすすめは蓋が付属したWOOTANGの水耕栽培用のガラス容器です。
ミリオンAは天然の鉱石で、珪酸塩白土とも呼ばれています。水を浄化してくれる効果があり、根腐れを防ぐ働きもあります。また、植物に必要なミネラルも少しずつ溶け出すので、水だけでは不足しがちな栄養を補ってくれる優れものです。
まず器にミリオンAを入れます。量は容器の底が1/3ほど隠れる程度で十分です。あまり多く入れすぎる必要はありません。
次に器にアイビーの挿し穂を入れます。複数本挿す場合は、葉同士が重ならないよう、適度に間隔を空けて配置しましょう。あまり密集させると風通しが悪くなり、病気の原因になることがあります。
水はアイビーの枝先が3センチから4センチ浸かる程度入れます。水が多すぎると茎が腐りやすくなりますし、少なすぎると乾燥してしまいます。ちょうど良い量を心がけましょう。
直射日光が当たらない明るい場所に置きます。南向きの窓辺でもレースのカーテン越しくらいの明るさが理想的です。あまり暗い場所だと根が出にくくなりますし、直射日光が当たりすぎると水温が上がりすぎて根が傷んでしまいます。蛍光灯の下でも十分育ちます。
管理はとても簡単で、1週間に1度、水を交換するだけです。水を交換する時は、古い水を完全に捨てて、容器も軽く洗ってから新しい水を入れます。この時、根が出始めていても無理に触ったりせず、そっと扱いましょう。新しく出た根はとても繊細で、ちょっとした刺激で折れてしまうことがあります。
水の交換のタイミングは、水が濁ってきたり、においが出てきた時は週1回を待たずに交換してください。特に夏場は水が傷みやすいので注意が必要です。
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4週間後
アイビーの挿し穂からたくさんの白い根が生えてきました。最初は小さな白い点のようなものが見えてきて、それがだんだん伸びて根になっていきます。根が出始めると成長がとても早く、あっという間に容器の中いっぱいに広がっていきます。根の色は健康であれば白く、もし茶色や黒くなっている場合は腐敗している可能性があるので注意が必要です。
根が出るとどんどん成長していくので、このまま水耕栽培で育てることができます。水耕栽培として長く楽しむ場合は、月に1回から2回程度、薄めた液体肥料を葉面散布してあげると良いでしょう。肥料の濃度は表示されている濃度の4分の1程度に薄めて使います。濃すぎると根を傷めてしまうので注意してください。
根がたくさん出て容器が手狭になってきたら、一回り大きな容器に移し替えてあげましょう。また、茎が長く伸びすぎた場合は適度に剪定して形を整えます。切った部分はまた水挿しに使えるので、どんどん増やしていくことができます。
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【動画版はこちら】
3、アイビー挿し木(水挿し)のよくある疑問を解決!カテゴリー別Q&A
アイビーの水挿しに関して、多くの方から寄せられる疑問を項目別に整理してお答えします。初心者の方から経験者の方まで、きっと参考になる情報があるはずです。
基本的な疑問
アイビーの水挿しを始める前に知っておきたい基本的な疑問についてお答えします。
Q、根が出るまでにどのくらいの時間がかかりますか?
通常は2週間から4週間程度で根が出始めます。気温や湿度、アイビーの品種によって多少前後しますが、1ヶ月以上経っても根が出ない場合は、新しい挿し穂で再チャレンジすることをおすすめします。春から初夏の成長期であれば、早ければ10日ほどで小さな根が見えることもあります。根が出始めるサインとしては、切り口付近が少し膨らんでくることが多いので、毎日観察してみてくださいね。
Q、ミリオンAは必ず必要ですか?代用品はありますか?
ミリオンAがなくても水挿しは可能ですが、あった方が成功率は高くなります。代用品としては、活性炭や竹炭の小片を使うこともできます。これらも水質浄化の効果があります。ただし、炭を使う場合は事前によく洗って、粉が出ないようにしてから使用してください。その他にも、水質浄化剤として市販されているものや、金魚の水槽用の浄化剤なども代用できます。
Q、根が出た後、土に植え替えることができますか?
根の長さが5センチ以上になったら植え替え可能です。ただし、水耕栽培で育った根は土の根とは少し性質が違うので、植え替え後しばらくは慎重に管理する必要があります。植え替え直後は半日陰で管理し、土が乾かないよう注意しながら、徐々に通常の管理に移行していきます。急激な環境変化は植物にストレスを与えるので、ゆっくりと慣らしていくことが大切です。
Q、冬でも挿し木はできますか?
可能ですが、春から初夏に比べると成功率は下がります。室内の暖房で温度を一定に保ち、乾燥しすぎないよう注意が必要です。暖房の風が直接当たらない場所を選び、加湿器などで適度な湿度を保つと良いでしょう。根が出るまでに時間がかかることも多いので、気長に待つことが大切です。冬場は植物の成長が鈍くなる休眠期に入るため、どうしても時間がかかってしまいます。
Q、アイビーの品種によって成功率は変わりますか?
基本的にどの品種のアイビーでも水挿しは可能ですが、多少の違いはあります。一般的に、葉の小さな品種や成長の早い品種の方が根が出やすい傾向があります。斑入りの品種はやや繊細で、無地の緑葉品種に比べると少し注意が必要ですが、適切に管理すれば問題なく根が出ます。ヘデラカナリエンシスやヘデラヘリックスなど、一般的な品種であれば初心者の方でも成功しやすいでしょう。
日々の管理に関する疑問
水挿しを始めた後の管理について、よくある疑問にお答えします。
Q、複数の挿し穂を一つの容器に入れても大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。ただし、葉同士が重ならないよう適度に間隔を空けて配置してください。あまり密集させると風通しが悪くなり、病気の原因になることがあります。また、一本でも調子が悪くなると他にも影響が出やすいので、心配な方は別々の容器で管理することをおすすめします。複数本まとめて管理する場合は、より頻繁に水の状態をチェックすることが大切です。
Q、水耕栽培のまま大きく育てることはできますか?
はい、可能です。長期間水耕栽培を続ける場合は、月に1〜2回薄めた液体肥料を葉面散布して、根が混み合ってきたら容器を大きなものに変える必要があります。また、定期的な剪定で形を整えることも大切です。水耕栽培では根の成長に限界があるため、あまり大きくはなりませんが、コンパクトな状態でインテリアとして楽しむには十分です。
Q、水の交換頻度はどのくらいが適当ですか?
発根するまでは、基本的には週に1回の交換で十分ですが、夏場は水が傷みやすいので3〜4日に1回チェックして、濁りや臭いがあればすぐに交換しましょう。冬場は水の劣化が遅いので、10日に1回程度でも大丈夫な場合があります。ただし、水の状態は環境によって大きく左右されるので、見た目と臭いで判断することが一番確実です。
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トラブルの対処法
水挿しをしていて困った時の対処法をご紹介します。
Q、水が濁ってきましたが、大丈夫でしょうか?
水の濁りは雑菌が繁殖しているサインです。すぐに新しい水に交換し、容器もきれいに洗ってください。濁った水をそのままにしておくと、根腐れの原因になります。夏場は特に水が傷みやすいので、週1回と言わず3〜4日に1回は水の状態をチェックしましょう。濁りが頻繁に起こる場合は、置き場所が暑すぎるか、容器が汚れている可能性があります。
Q、葉が黄色くなってきました。何が原因でしょうか?
葉が黄色くなる原因はいくつか考えられます。最も多いのは水の汚れや栄養不足です。まず新しい水に交換し、黄色くなった葉は取り除いてください。また、光が不足している場合もあるので、もう少し明るい場所に移してみてください。ただし、直射日光は避けましょう。あまりにも多くの葉が黄色くなる場合は、挿し穂自体に問題がある可能性もあります。
Q、挿し木に失敗しました。何が原因でしょうか?
失敗の原因として多いのは、挿し穂に節がない、水が汚れている、温度が不適切、光が不足している、などです。まず健康な親株から節のある枝を選び、清潔な環境で管理することから始めてください。時期も重要で、春から初夏に行うと成功率が格段に上がります。失敗を恐れずに何度でもチャレンジしてみてくださいね。