水耕栽培に関する記事
サンスベリアの水挿し

サンスベリア(トラノオ)を水挿しで増やす方法|失敗しない葉挿しのやり方を解説

【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年7月27日

サンスベリアを水だけで育ててみませんか?土がいらない水挿し栽培なら、お部屋が汚れる心配もなく、虫が寄ってくることもありません。透明なコップに挿すだけで、根がニョキニョキ伸びる様子が見られて感動的!基本は水を替えて明るい場所に置くだけなので、植物を育てるのが初めての方でも大丈夫です。暖かい時期なら1ヶ月ほどで根が出てきて、その後はどんどん成長していきます。

この記事では、誰でも簡単にできるサンスベリアの水挿し(葉挿し)の方法を解説します。

1、サンスベリアの水挿しとは?

水挿し(水耕栽培)とは、土を使わずに水だけで植物を育てる方法です。サンスベリアは原産地のアフリカの乾燥地帯で進化した強靭な生命力を持つ植物で、葉を切って水に挿すだけで簡単に根を出し、新しい株として成長させることができます。

サンスベリアの水挿し

土を使わないため清潔で害虫の心配がなく、特に室内栽培に最適です。透明な容器を使うことで根の成長過程を観察でき、植物の生命力を実感できる感動体験が味わえます。また、おしゃれなガラス容器に入ったサンスベリアはモダンなインテリアとしても楽しめ、初心者でも水の状態が一目でわかるため失敗しにくいのが大きな魅力です。

 

2、サンスバリアの水挿しに最適な時期と栽培環境

サンスベリアの水挿しは基本的に年間を通して行うことができますが、最も成功率が高いのは春から秋にかけての暖かい時期です。理想的な室温は20〜25℃で、この温度帯では発根が早く、約1ヶ月で白い根が確認できます。冬場でも室内が暖房で20℃以上に保たれていれば問題ありませんが、発根まで2〜3ヶ月かかることもあります。

置き場所は直射日光を避けた明るい場所を選び、窓際のレースカーテン越しの光が当たる場所が最適です。風通しも重要で、空気が淀まない場所に置くことで雑菌の繁殖を防げます。

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サンスベリア(トラノオ)の水耕栽培

【関連記事】
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2、サンスベリア(トラノオ)を水挿しで増やす方法

材料の用意

ダイソーのサンスベリア

・サンスベリア(土栽培のもの/ダイソーで300円で購入)
・水耕栽培用の器(WOOTANG)

WOOTANG代表・中島
WOOTANG代表・中島
サンスベリアは葉に張りがあってしっかりとしていることが大切です。葉にシワや変色がないか、触ってみて弾力があるかを確認しましょう。

 

挿し穂の準備

サンスベリアをハサミで切った様子

まず、ハサミの準備から始めましょう。雑菌の侵入を防ぐため、使用前に必ずアルコールで消毒するか、熱湯で煮沸消毒を行います。特に切り口は植物にとって傷口と同じですので、清潔な道具を使用することは絶対に欠かせません。消毒用エタノールがない場合は、中性洗剤でよく洗い、熱湯をかけて乾燥させるだけでも効果があります。

 

サンスベリアの葉を切った様子

次に、サンスベリアの葉を株元からハサミで丁寧に切り取ります。この時のポイントは、切り口をできるだけ平らにすることです。斜めに切ったり、ギザギザになったりすると、雑菌が侵入しやすくなり、腐敗の原因となります。迷わず一気にスパッと切ることで、きれいな切り口を作ることができます。切る位置は株元から1〜2cmの位置が理想的です。あまり根元に近すぎると親株を傷めてしまいますし、高すぎると挿し穂が不安定になってしまいます。

 

葉を切り取ったサンスベリア

切り取った親株は、そのまま土で育て続けることで新芽が出てきて大きく成長します。切り口が乾燥するまで数日間は水やりを控え、風通しの良い場所で管理すると良いでしょう。親株からも新しい葉が次々と出てくるので、一つの株から複数の株を作ることができるのがサンスベリアの魅力です。

 

水挿しの手順

器にサンスベリアを入れる

水挿しでは透明な容器がおすすめします。透明な容器を選ぶ最大のメリットは、根の成長過程をリアルタイムで観察できることです。根がどのように伸びているか、健康な白い根が出ているか、水が濁っていないかなど、植物の状態を常に把握できます。

 

サンスベリアの器に水を入れている様子

水の量の調整は、水挿し成功の最重要ポイントといっても過言ではありません。サンスベリアの葉が1〜2cm程度浸かる深さに水を入れるのが理想的です。多くの初心者が犯しがちな間違いは、水を入れすぎてしまうことです。水位が高すぎると、葉の切り口以外の部分まで水に浸かってしまい、腐敗の原因となります。「少し物足りないかな?」と感じるくらいの水位が実は最適なのです。

 

サンスベリアの水挿しの時の水量

水が少なすぎて根が水に届かなくなったら、その時に追加すれば良いので、最初は控えめにスタートすることが成功への近道です。

 

サンスベリアの水挿しを置いている様子

置き場所の選択も植物の健康を大きく左右します。直射日光が当たらない明るい場所が理想的です。窓際のレースカーテン越しの光や、蛍光灯の明かりが届く場所が最適です。直射日光が当たると水温が上がりすぎて雑菌が繁殖しやすくなりますし、逆に暗すぎる場所では光合成ができずに弱ってしまいます。また、室温が安定している場所を選ぶことも大切です。

WOOTANG代表・中島
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エアコンの風が直接当たる場所や、急激な温度変化がある場所は避けましょう。風通しの良い場所であることも重要で、空気が淀んでいると雑菌が繁殖しやすくなります。

 

日常の管理(水やり)

サンスベリアの水挿しの水交換の様子

水挿しサンスベリアの管理で最も重要なのが、適切な水替えです。水替えの頻度とタイミングを間違えると、せっかく順調に育っていたサンスベリアが腐ってしまうことがあります。

発根期間中、つまり最初の1ヶ月間は特に丁寧な管理が必要です。この時期は2〜3日に1回、容器の水を全て交換することが基本となります。根がまだ出ていない状態では、植物の抵抗力が弱く、雑菌に対して非常に敏感です。そのため、水が少しでも濁ったり、嫌な臭いがしたりした場合は、予定日でなくても即座に水を交換することが重要です。

WOOTANG代表・中島
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気温が高い時期、具体的には室温が25℃以上になる夏場などは、雑菌の繁殖速度が格段に早くなるため、毎日の水替えをおすすめします。面倒に感じるかもしれませんが、この時期の丁寧な管理が発根成功の鍵を握っています。

 

水挿しを開始して1ヶ月後

発根したサンスベリアの水挿し

水挿しを始めてから約1ヶ月が経過すると、いよいよ感動的な瞬間が訪れます。サンスベリアの切り口から、白くて健康な根がたくさん生えてくるのです。この新しく生えた根は、土の中で育った根とは性質が異なり、水環境に特化して適応した根となっています。そのため、水耕栽培をそのまま続けることができるのです。

 

発根したサンスベリアの水挿し

健康な根を見分けるポイントはいくつかあります。まず、根の色は真っ白であることが重要です。茶色や黒っぽい根は腐敗している可能性があるため、見つけた場合は清潔なハサミで切り除く必要があります。次に、根の太さですが、健康な根は鉛筆の芯程度の太さがあり、指で軽く触れても折れない程度の弾力があります。細すぎる根や、触ると簡単に切れてしまう根は、栄養不足や環境ストレスが原因の可能性があります。また、複数本の根が出ていることも健康な証拠です。1本だけの根よりも、3〜5本程度の根が出ていると、植物としての安定性が格段に向上します。

 

サンスベリアの水挿し

発根が確認できた後の管理は、それまでよりもずっと楽になります。根がしっかりと水を吸収できるようになるため、水替えの頻度を週1回程度に減らしても問題ありません。ただし、水の清潔さを保つことは引き続き重要です。水が濁ったり、容器の内側にぬめりが付いたりした場合は、頻度に関係なく水を交換しましょう。また、根が成長して容器が窮屈になってきた場合は、ひと回り大きな容器に移し替えることを検討してください。

この時期になると、サンスベリアは非常に丈夫になり、多少の管理ミスでは枯れることはありません。適切な管理を続けることで、数ヶ月から1年以上という長期間にわたって美しく育てることができます。水耕栽培の魅力は、土を使わない清潔さだけでなく、植物の生命力を間近で観察できることにもあります。

【動画版はこちら】

3、サンスベリアの水挿しでよくある失敗と対処法

Q1、1ヶ月以上経っても根が出てこないのですが、何が原因でしょうか?

A. 根が出ない原因として最も多いのは水温の低さです。サンスベリアは熱帯性植物のため、室温が20℃を下回ると発根が困難になります。逆に水温が高すぎると発根しなくなります。気温が30度を超える夏の時期は水挿しは避けた方がよいでしょうあ。また、水替えが不十分だと古い水に酸素が不足し、雑菌も繁殖して根の成長を阻害します。2日に1回のペースで新鮮な水に交換しましょう。

 

Q2、サンスベリアの葉が腐ってしまいました。どうすればよいでしょうか?

A. 腐敗の主な原因は水位の高さです。水が多すぎると切り口以外の健康な部分まで浸かってしまい、そこから雑菌が侵入します。水位は葉が1cm程度浸かる程度に調整してください。既に腐敗が始まっている場合は、清潔なハサミで腐った部分を健康な部分まで切り戻し、切り口を数時間乾燥させてから新しい水に挿し直します。夏場は特に雑菌が繁殖しやすいため、毎日の水替えを心がけ、風通しの良い場所に移動させることも効果的です。

 

Q3、根は出たのですが、その後、成長が止まってしまいました。

A. 発根後の成長停滞は、多くの場合栄養不足が原因です。水だけでは限界があるため、市販の液体肥料を規定の半分程度に薄めて月に1回程度与えてみてください。また、光量不足も成長を妨げる要因です。直射日光は避けつつ、より明るい場所に移動させることをおすすめします。根が容器いっぱいに広がっている場合は、ひと回り大きな容器に移し替えることで成長が再開することもあります。水温も重要で、20℃以下では代謝が鈍くなるため、暖かい環境を維持してください。根の色が茶色く変色している場合は腐敗の可能性があるため、健康な白い根だけを残して植え直しましょう。

 

Q4、水がすぐに濁ってしまい、嫌な臭いがします。何が悪いのでしょうか?

A. 水の濁りと悪臭は雑菌の繁殖が原因です。容器の洗浄が不十分だったり、切り口から雑菌が侵入したりすることで起こります。まず容器を中性洗剤でしっかり洗い、熱湯で消毒してください。水替えの頻度も見直しましょう。夏場は毎日、冬場でも2日に1回は交換が必要です。水道水のカルキには殺菌効果があるため、汲み置きよりも新鮮な水道水を使用することをおすすめします。また、置き場所の風通しが悪いと空気が淀んで雑菌が繁殖しやすくなります。エアコンの風が直接当たらない程度の風通しの良い場所に移動させてください。

 

Q5、根が茶色に変色してきました。このまま育てても大丈夫ですか?

A. 根が茶色く変色した場合、根腐れが始まっている証拠です。放置すると全体に腐敗が広がるため、すぐに対処が必要です。清潔なハサミで変色した根をすべて切り除き、健康な白い根だけを残してください。根をカットした後は、切り口を1〜2時間乾燥させてから新しい水に挿し直します。容器も完全に洗浄し、煮沸消毒することが重要です。根の腐敗は水温が高すぎたり、水替えが不十分だったりすることが原因となります。水温は25℃を超えないよう注意し、こまめな水替えを心がけてください。健康な根が残っていれば、適切な管理で回復できます。

 

4、まとめ

サンスベリアの水挿し栽培は、正しい手順と管理方法を守れば初心者でも簡単に成功できる植物の増やし方です。土を使わない清潔さと、根の成長を間近で観察できる感動体験が得られます。

成功のポイント

  • 最適な時期: 春から秋の暖かい時期(室温20~25℃)
  • 挿し穂準備: 消毒したハサミで株元から平らに切り取る
  • 水の管理: 葉が1~2cm浸かる程度の水位を保つ
  • 置き場所: 直射日光を避けた明るく風通しの良い場所
  • 水替え頻度: 発根前は2~3日に1回、発根後は週1回

よくある失敗と対策

  • 根が出ない→水温と水替え頻度を見直す
  • 葉の腐敗→水位を下げ、腐った部分を切り戻す
  • 成長停滞→液体肥料を薄めて月1回施肥

約1ヶ月で白い健康な根が複数本出てくれば成功です。その後は管理が楽になり、長期間美しく育てることができます。水耕栽培でサンスベリアの生命力を実感しながら、モダンなインテリアとしても楽しめる魅力的な栽培方法です。

 

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