
土を使わない観葉植物 | 室内で手軽に育てられる水耕栽培、初心者におすすめ植物10選
Last Updated on 2025年4月15日 by 中島大輔
「観葉植物を室内に置きたいけれど、土の扱いが面倒…」「虫が発生するのが心配…」 こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?そんな方におすすめなのが「土を使わない観葉植物」です。近年、インテリアグリーンとして人気を集めているこの方法は、従来の土栽培とは違ったアプローチで植物を育てることができます。
この記事では、土を使わない観葉植物について、その基本から育て方のコツ、おすすめの植物までを詳しく解説します。これを読めば、あなたも手軽に室内グリーンライフを始められるはずです!
1、土を使わない観葉植物とは?
土を使わない観葉植物の栽培方法には、主に以下のような種類があります。
ハイドロボール
ハイドロボールとは、粘土を高温で焼いて発泡させたボール状の軽石です。発泡させているので軽石の中に小さな空洞がたくさんあり、その中に取り込まれた空気(酸素)を植物に供給できます。
ハイドロボールの使い方は基本的には土と同様で、底穴のない容器に(水耕栽培に適応した)植物と一緒に入れて使用します。水の量は容器の深さの1/4〜1/5程度、根が水に触れる程度が目安です。
ハイドロボールは土と同じ感覚で植物を育てることができるので、水耕栽培を初めてする人にはおすすめです。ガラス容器を使用する場合、こまめに容器の中を掃除しないと藻などが生えてきて見た目が悪くなるので注意が必要です。
スポンジ
観葉植物の水耕栽培で近年人気になってきているのがスポンジ栽培です。スポンジはハイドロボールと同様に中に無数の穴が空いているので植物に空気(酸素)を供給することができます。また、水をよく吸収して保持するので、水切れしにくいのもメリットです。
ハイドボールよりも容器の中の掃除がしやすいので、お手入れの手間を省きたい人にはおすすめです。お部屋のインテリアとして、スポンジの見た目が気になる人は、透明な容器ではなく、色付きの容器などを使用するとよいでしょう。
水だけで育てる
今、観葉植物の水耕栽培で注目されているのが、水だけで育てる方法です。
他の水耕栽培と比べて、水だけで育てるメリットは掃除のしやすです。ハイドロボールやスポンジを取り出して掃除をする必要はなく、切り花のように水を交換するだけでいいので手間がありません。また培地を使用していないので透明感があって、おしゃれでインテリア性にも非常に優れています。また、植物の力強い根も鑑賞することができ、癒しを提供してくれます。
水だけで育てる観葉植物ブランドWOOTANG(ウータン)では、特殊な栽培方法によって、水の中に入れても根腐れしにくい観葉植物やサボテン、蘭などをオンラインで販売しています。
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2、土を使わない観葉植物のメリット・デメリット
メリット
1、水やりの管理が簡単
多くの場合、水の量が目で見て確認できるため、水やりのタイミングがわかりやすいのが特徴です。特に「水だけ育てる」場合、減った分の水の量がすぐにわかるので管理が容易になります。水やりは週に1度、減った分の水を足すだけなので手間がありません。
2、 清潔で衛生的
土を使わないため、部屋が汚れる心配がありません。鉢を倒してしまっても、土がこぼれる心配がないのは大きなメリットです。砂埃なども立たないので、キッチンやリビングなどの清潔にしておきたい場所に最適です。
3、虫が発生しにくい
土の中には虫の卵や微生物が含まれていることがありますが、土を使わない栽培方法では虫の発生リスクが大幅に減少します。虫が苦手な方でも安心して植物を育てることができるでしょう。
4、インテリア性が高い
透明なガラス容器を使うことで、植物自体の美しさだけでなく、栽培環境もインテリアとして楽しむことができます。好みのガラス容器や器を使って自分だけのスタイルを作れるのも魅力です。
5、アレンジが自由自在
水だけ育てる観葉植物であれば、切り花と一緒に育てることも可能です。また、シールやマスキングテープ使って、自分好みにガラス容器をアレンジすることもできます。
デメリット
1、成長が緩やか
土栽培に比べると、成長スピードが遅い傾向があります。大きく育てたい場合には向いていません。
2、定期的なメンテンナンスが必要
水耕栽培では、根腐れを防ぐために定期的な水の交換や容器の洗浄が必要です。「水だけで育てる観葉植物」の場合、2〜3週間に1度、水を全部交換して、器を水洗いすることをおすすめしています。
3、気温に左右されやすい
水耕栽培では、気温=水温となるため、夏と冬は注意が必要です。特に30℃を超えるような暑い夏は、締め切った室内に長時間置かないようにしましょう。また、冬は冷気の影響を受けやすい窓際は避けてください。
・最適温度:15〜25℃が理想的な温度
・最低温度:5℃を下回ると葉が黄色くなって落ちる可能性があります
・夏場の注意点:30℃を超える高温では生育が弱まる可能性があるので、涼しい場所で管理しましょう
・冬場の注意点:窓際は夜間から朝にかけて冷え込むことがあるので、室内の中央に移動させると安心です
3、土を使わない観葉植物の育て方
ここではWOOTANGの「水だけで育てる観葉植物」の基本的な育て方を紹介します。
置き場所
直射日光を避けた明るい室内に置きましょう。窓から少し離れていて間接光が当たるような明るい場所が理想的です。窓際で育てる場合はレースのカーテン越しに育てるのが良いでしょう。エアコンの風が直接当たる場所は避けてください。
水やり・お手入れ
水やりは1週間に1度、減った分の水を足しましょう。水の量は根が半分〜全部浸かる程度入れます。茎の部分に水が浸かると腐ってしまうことがあるので注意が必要です。水の交換は2〜3週間に1度行い、スポンジなどで器の中の汚れをよく洗い落としましょう。
肥料
水耕栽培では、器の中の水に直接肥料を与えてしまうと、植物が根腐れしてしまうことがあります。そのため、スプレー式の肥料を葉っぱに与える(葉面散布)がよいでしょう。肥料は春〜夏の成長期に、1ヶ月1〜2回程度で十分です。
葉水
観葉植物は熱帯原産の植物が多く、高温多湿の環境を好みます。そのため室内で育てる場合は空気が乾燥しがちになるので、葉水は重要なケアのひとつになります。
葉水の頻度は、1日1回、午前中に行うのがおすすめです。特にエアコンをつける夏や冬は部屋が乾燥しがちになるので毎日行うと効果を発揮します。梅雨の時期や雨の日など湿度が高い時は不要です。
4、土を使わない観葉植物|初心者におすすめ10選
WOOTANGで販売している「水だけ育てる観葉植物」の中から、初心者におすすめな丈夫で育てやすい植物をご紹介します。
アグラオネマ マリア
緑の迷彩模様が美しい観葉植物です。比較的日陰に強く、水切れにも耐えるため初心者にも育てやすいのが特徴。暑さに弱いので夏は風通しの良い場所に置きましょう。柔らかな色合いがインテリアに上品なアクセントを添えてくれます。
シェフレラ(カポック)
放射状に広がる小さな葉が集まった独特の葉姿が魅力的な熱帯植物です。別名「カポック」とも呼ばれ、丈夫で育てやすく、乾燥にも比較的強いのが特徴です。明るい室内に置けば、特別な手入れなしでも長く楽しめる初心者向けの観葉植物です。
ドラセナ サンデリアーナ
白と緑のストライプ模様が美しい植物です。少ない光でも育ち、水やりの頻度も少なくて済むため、観葉植物初心者にぴったり。コンパクトなサイズでどんな部屋にも馴染みます。
マドカズラ
漢字では「窓葛(マドカズラ)」と書く通り、葉に窓のような穴が空いているのが特徴の植物です。室内の間接光でもよく育ち、乾燥に強いので、初心者でも扱いやすい丈夫な植物です。
オキシカルディウム
ハート形の葉が特徴のつる性の植物です。室内の比較的暗い場所でも育ち、水やりもそれほど神経質にならなくても大丈夫です。つるを這わせたり、吊るして育てたりとディスプレイの幅が広い、初心者にも扱いやすい植物です。
フィカス アルテシマ
グリーンの斑入りの葉のコントラストが美しいゴムの木の仲間です。適度な明るさと水やりで、さほど手間をかけずに育てられます。枝や葉を剪定すれば独自の形に整えられ、存在感のあるインテリアグリーンとして人気です。
サンスベリア ゼラニカ
暗めの場所でも育ち、ほとんど手入れ不要なため超初心者にもおすすめです。空気清浄効果があると言われているので、リビングや寝室などにおすすめです。
ミリオンバンブー
別名「開運竹」とも呼ばれ、風水的に良い効果があり、ギフトとしても人気があります。明るい室内で育てれば、どんどん成長していきます。
サンスベリアローレンチー
「虎の尾」の別名を持つ、細長くとがった葉が特徴の多肉植物です。非常に丈夫で乾燥に強く、インテリアとしても人気の植物です。直立して成長するため省スペースで育てられ、手間をかけたくない初心者に最適です。
ポトス
ハート形の葉が特徴の植物です。種類も多く、黄色や白の斑入りなど様々な葉色を楽しめます。成長が早く、水耕栽培にも向いているため初心者でも育てやすい植物です。
6、よくある質問
Q、根腐れを防ぐにはどうすればいいですか?
A: 水質が悪化すると根腐れしやすくなるので、定期的に水を交換することがとても大切です。特に気温が上がる夏は根腐れしやすくなるので、こまめに水替えをするのがおすすめです。水質浄化剤の「ミリオンA」を使用するのも効果的です。
Q、土栽培から水耕栽培に変えることはできますか?
A: 可能ですが、コツがあります。土から水耕栽培に変える場合、丁寧に土を洗い落とした後、根が少し浸かる程度の限りなく少ない水で水耕栽培に適応させてあげる必要があります。環境の変化によるストレスで枯れてしまう可能性もあるため、徐々に新しい環境に慣らしていくことが重要です。
Q、季節の変わり目などに葉っぱが黄色くなってしまう原因は何ですか?
A、温度変化の激しい季節の変わり目などに、根に近い一番下の葉が黄色くなることがあります。これは植物が環境に適応しようとするための「新陳代謝」の影響によることが多いです。植物はストレスを受けると、古い葉(一番下の葉)を栄養を、新しい葉に移動させる働きがあるので、一番下の葉が枯れるのは自然現象なので基本、問題ありません。
Q、土を使わない観葉植物のおしゃれなディスプレイの方法を教えてください
A、初心者でも簡単にできるディスプレイとしておすすめは「ハンギング」です。壁や天井を活用して、空間に立体感を出しながら、お部屋を簡単にワンランク上のインテリア空間に変身することができます。詳しいやり方は以下の記事を参考にしてください。
土を使わない観葉植物は、その手軽さと清潔感から植物初心者の方には特におすすめです。週に1度の水やりと2〜3週間に1度の水交換を基本としたお手入れを行い、直射日光を避けた明るい室内で管理するだけで育てられます。また、水耕栽培ならではのガラス容器を活かしたインテリア性の高さも魅力です。今日から始める水だけの観葉植物で、清潔で癒しに満ちた空間づくりを楽しみましょう。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>