水耕栽培に関する記事
サンスベリアの水耕栽培

サンスベリアの水耕栽培|初心者でも失敗しない育て方ガイド【水替え・置き場所・増やし方】

【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年10月14日

サンスベリアは水耕栽培でも簡単に育てられる観葉植物です。清潔で虫の心配がなく、根の状態を目で確認できるため、初心者でも失敗しにくいのが魅力。

本記事では、水耕栽培の始め方から日々の水替え・置き場所・肥料の与え方まで、サンスベリアを健康に育てるコツを徹底解説します。また、ゼラニカやハニーバニーなど人気品種の特徴や、葉挿しで増やす方法、根腐れや葉の変色などよくあるトラブルの対処法もご紹介。水耕栽培でサンスベリアを育てて、おしゃれで癒しのグリーンライフを始めましょう。

1、サンスベリアの特徴

サンスベリアは、キジカクシ科サンスベリア属の多肉植物で、アフリカやアジアの乾燥地帯を原産とする丈夫な観葉植物です。耐陰性と耐乾性に優れているため、初心者にも育てやすく、室内のインテリアグリーンとして高い人気を誇っています。

水耕栽培への適応性

サンスベリアの水耕栽培

サンスベリアは多肉植物でありながら、耕栽培にも非常に適した植物です。水耕栽培では根の状態を目で確認できるため、根腐れなどのトラブルを早期に発見しやすいという利点があります。また、土を使わないため清潔で、虫が発生しにくいのも大きな魅力です。サンスベリアは乾燥に強い性質を持つため、適度な水位管理を心がけることが成功の鍵となります。

 

生育環境

サンスベリアは温暖で乾燥した環境を好む植物です。生育適温は20℃〜30℃の範囲で、この温度帯であれば活発に成長します。耐陰性があるため日陰でも育ちますが、明るい場所に置くことで葉の色艶が良くなり、より健全な株に育ちます。ただし、直射日光に長時間当てると葉焼けを起こすことがあるため、レースカーテン越しの柔らかい光が理想的です。寒さには弱く、10℃を下回ると生育が止まり、5℃以下では枯れる危険性が高まります。冬場は暖かい室内で管理し、冷気が直接当たらない場所を選ぶことが大切です。空気中の有害物質を吸収する空気清浄効果も持っているため、寝室やリビングに置くのにも適しています。

 

サンスベリアのおすすめの種類

サンスベリア ゼラニカ

サンスベリアゼラニカの水耕栽培

サンスベリアゼラニカは最もポピュラーな品種で、濃い緑色の葉に明るい緑の横縞模様が入り、力強く上に伸びる姿が印象的です。丈夫で育てやすく、水耕栽培の入門種としても最適です。

 

サンスベリア ハニーバニー

サンスベリアハニーバニーの水耕栽培

サンスベリアハニーバニーは小型のロゼット型品種で、短い葉が放射状に広がる可愛らしい姿をしています。コンパクトなサイズ感から、デスクやシェルフなど限られたスペースでの栽培にも向いています。

 

サンスベリア ローレンチー

サンスベリアローレンチーの水耕栽培

ローレンチーは葉の縁に黄色いラインが入る品種で、明るく華やかな印象を与えます。このラインは日光に当てることでより鮮やかになり、観賞価値が高まります。

 

サンスベリア バキュラリス

サンスベリアバキュラリスの水耕栽培

バキュラリスは細長い円筒形の葉が特徴的な品種で、スタイリッシュでモダンな雰囲気を演出します。葉が放射状に広がる姿は他の品種とは一線を画し、個性的なインテリアプランツとして人気があります。

 

サンスベリアの花言葉と風水

サンスベリアの風水

サンスベリアの花言葉は「永久」「不滅」です。これは丈夫で枯れにくい性質に由来しており、長く付き合える植物としての魅力を表しています。また風水では、サンスベリアの上に伸びる鋭い葉が邪気を払うとされ、魔除けや厄除けの効果があると考えられています。特に玄関やリビングに置くことで、悪い気の侵入を防ぎ、良い運気を呼び込むとされています。さらにマイナスイオンを放出する効果もあり、空間を浄化して心身のリラックスを促進するとも言われています。金運アップにも効果があるとされ、仕事運や財運を高めたい場合は、部屋の西側や北西側に置くのが良いとされています。

 

 

2、サンスベリアの水耕栽培の始め方

①植物を器にセットする

サンスベリアを器に入れている画像

サンスベリアを水耕栽培で育てる際は、まず水にしっかりと適応したサンスベリアが必要になります。土で育てたものを水耕栽培にすることも可能(方法は記事後半で解説)ですが、適応するまでに時間がかかります。WOOTANGの植物であれば、最初から水に適応しているので、すぐに水耕栽培を始めることができます。

また、器選びも重要になります。透明なガラス容器を使用すると根の成長を観察できるため、初心者には特におすすめです。また、容器はサンスベリアの幹がぐらつかないよう、しっかりと固定できることも重要です。

WOOTANGの水耕栽培専用の容器なら、器(ガラス製)とふた(木製)がセットになっているので、サンスベリアをしっかり固定して育てることができるのでおすすめです。

 

②水を入れる

サンスベリアの器に水を入れている様子

容器に水を入れる際は、水道水を使用してください。浄水器を通した水や蒸留水は塩素が除去されているため、雑菌が繁殖しやすくなる危険があります。水道水に含まれる微量の塩素は、水の腐敗を防ぐ自然の防腐剤として機能するため、水耕栽培には最適です。

水道水に含まれる塩素は数日で自然に抜けるため、神経質になりすぎる必要はありません。定期的な水の交換により常に新鮮な状態を維持することが大切です。

 

③理想的な水の量

サンスベリアを水耕栽培する時の最適な水の量

サンスベリアの水耕栽培において、水の量は非常に重要な要素です。基本的には根の先が少し水に浸かる程度が適切で、根全体を完全に水没させる必要はありません。根の一部を空気にさらすことで、根が呼吸できる環境を保ち、根腐れを防ぐことができます。

サンスベリアは多肉植物のため乾燥に強く、過度な水分はかえって根を傷める原因となります。水位が下がってきたら足し水をする程度で十分で、常に水がたっぷりある状態を維持する必要はありません。

 

3、日々のケアと管理方法

置き場所

水耕栽培のサンスベリアを明るい場所で育てている様子

サンスベリアを水耕栽培で育てる際は、明るい日陰から半日陰の場所が最適です。窓際であればレースカーテン越しの柔らかい光が当たる場所を選びましょう。直射日光が長時間当たると葉焼けを起こし、茶色く変色してしまうことがあります。一方で、あまりに暗い場所では徒長したり葉の色が薄くなったりするため、適度な明るさが必要です。エアコンの風が直接当たる場所は避けてください。冷暖房の風は乾燥を招き、葉にダメージを与える可能性があります。また、冬場は窓辺が冷え込むため、夜間は窓から少し離れた場所に移動させると安心です。室温は15℃以上を保つようにし、できれば20℃前後の安定した環境が理想的です。サンスベリアは比較的場所を選ばずに育ちますが、一度置き場所を決めたら頻繁に移動させず、同じ環境で管理することで植物がストレスを感じにくくなります。

 

水の交換頻度と水質管理のコツ

水耕栽培のサンスベリアの水替えの様子

水耕栽培において水の交換は植物の健康を保つ上で最も重要な作業です。サンスベリアの場合、基本的に週1回は減った分の水を補充し、水位を一定に保つことが重要です。また、2〜3週間に1度は容器内の水を完全に交換し、新鮮な水と入れ替えます。

水を交換する際は、容器の内側も軽くスポンジで洗い、ぬめりや藻の発生を防ぎます。根についたぬめりも優しく洗い流すことで、根の呼吸を妨げず健康な状態を保てます。

 

適切な肥料の選び方と与え方

サンスバリアに液体肥料を葉面散布している様子

水耕栽培でサンスベリアを現状のサイズで維持する場合、基本的に肥料は必要ありません。しかし、より大きく成長させたい場合や幹を太くしたい場合、葉の色つやを良くしたい場合は、適切な施肥が効果的です。水耕栽培では液体肥料を使用し、春から秋の生育期に月1回程度の頻度で与えます。

肥料を与える際の重要なポイントは、水に直接肥料を入れないことです。水に肥料を混ぜると濃度管理が難しく、根を傷め、根腐れの原因となります。水耕栽培でおすすめの方法は、液体肥料を葉面散布することです。霧吹きに薄めた液体肥料を入れて葉の表裏にまんべんなく散布すれば、葉から直接栄養を吸収でき、根への負担を最小限に抑えられます。

水耕栽培に適した肥料としては、ハイポネックス原液やハイポニカ液体肥料などがあり、これらは水耕栽培専用に配合されているため安心して使用できます。パキラの健康的な成長を促進するためには、チッソ、リン酸、カリウムがバランスよく配合された液体肥料を選ぶと効果的です。葉の色が濃くなり、新芽が活発に出てくるようであれば、肥料が適切に効いているサインです。

 

季節ごとの管理ポイント

春は気温が上がり始め、サンスベリアの生育が活発になる季節です。この時期から水の交換頻度を増やし、薄めた液肥を月に一度程度、葉面散布で与え始めます。置き場所を見直し、明るい場所に移動させることで成長を促進できます。梅雨時期は湿度が高くなるため、水の交換をこまめに行い、容器内の水が傷まないよう注意します。

 

夏は生育のピークを迎える時期で、水の蒸発も早くなります。週に1〜2回程度の水足しを心がけ、直射日光が当たらない明るい場所で管理します。高温多湿の環境では根腐れのリスクが高まるため、容器内の通気性を保つことが重要です。

 

秋〜冬

秋になると気温が下がり始め、徐々に生育が緩やかになります。この時期から水の交換頻度を減らし、肥料も控えめにしていきます。冬は休眠期に入るため、水の交換は10日に一度程度で十分です。室温を15℃以上に保ち、冷たい窓辺から離れた場所で管理します。水の量も控えめにし、根の先端がわずかに水に触れる程度の水位を保ちます。暖房器具の近くは乾燥しやすいため避け、安定した温度の場所を選ぶことが冬越しの鍵となります。

 

 

4、土で育てたサンスベリアを水挿し(葉挿し)で増やす方法

サンスベリアは葉挿しという方法で簡単に増やすことができ、この方法は初心者にもおすすめの繁殖方法です。

葉挿しのためにサンスベリアの葉を切った様子

まず健康な親株から、充実した葉を一枚選びます。葉は根元から切り取るのではなく、株を傷めないよう慎重に外側の葉を選びましょう。切り取る際は清潔なハサミやカッターナイフを使用し、斜めにカットすると発根面積が広がり発根しやすくなります。カットした切り口は、そのまますぐに水に挿すのではなく、半日から一日程度乾燥させて切り口をしっかり乾かします。この工程により切り口から雑菌が入るのを防ぎ、腐敗のリスクを減らせます。

 

サンスバリアの葉挿しの様子

切り口が乾いたら、透明な容器に水を入れて葉を挿します。水の深さは2〜3cm程度で十分で、葉全体が水に浸かる必要はありません。容器は直射日光の当たらない明るい場所に置き、定期的に水を交換します。最初の数週間は特に水をこまめに交換し、清潔な状態を保つことが発根の成功率を高めます。

 

発根には時間がかかり、通常2週間から1ヶ月程度で小さな根が出始めます。気温が低い時期はさらに時間がかかることもあるため、焦らず待つことが大切です。根が3〜5cm程度伸びたら、そのまま水耕栽培を続けるか、土に植え替えることができます。水耕栽培を続ける場合は、徐々に水位を上げていき、根の成長に合わせて管理します。

 

 

5、よくある質問と対処法(Q&A)

Q: サンスベリアの根が茶色く変色してきました。これは根腐れでしょうか

A: 根が茶色や黒に変色している場合、根腐れの可能性が高いです。健康な根は白色をしており、触るとしっかりした弾力があります。根腐れの主な原因は水の交換頻度が少ない、水位が高すぎる、気温が低すぎるなどです。特に冬場は水を控えめにし、根の一部が空気に触れる状態を保つことで予防できます。

 

Q: 葉が黄色くなってきたのですが、どうすればよいですか

A: 葉が黄色くなる原因はいくつか考えられますが、主な原因に一つが日光不足です。置き場所を見直し、より明るい場所に移動させましょう。肥料過多の場合も葉が黄色くなることがあるため、肥料を与えすぎていないか確認が必要です。自然な葉の老化で下の方の葉が黄色くなることもあり、この場合は正常な現象なので心配ありません。

 

Q: サンスベリアの成長が遅いのですが、何か問題がありますか

A: サンスベリアはもともと成長がゆっくりな植物ですが、あまりに成長が見られない場合は環境を見直す必要があります。光量不足栄養不足温度が低すぎるなどが原因として考えられます。明るい場所に移動させ、生育期には適度に薄めた液肥を与えてみてください。また、冬場は休眠期のため成長が止まりますが、これは正常な状態です。春になれば再び成長を始めるため、焦らず見守りましょう。

 

Q: 水が緑色に濁ってきました。これは何でしょうか

A: 水が緑色になるのは藻が発生している証拠です。藻は日光と栄養分があると繁殖しやすくなります。透明な容器を使用している場合、光が当たりやすく藻が発生しやすくなります。対処法としては、容器を遮光性のある素材で覆う、直射日光の当たらない場所に移動させる、水の交換頻度を増やすなどが効果的です。藻自体は植物に直接害を与えることは少ないですが、水質を悪化させる原因となるため、定期的な水の交換が重要です。

 

Q: 葉先が茶色く枯れてきました。原因は何でしょうか

A: 葉先が茶色くなる現象は葉枯れと呼ばれ、いくつかの原因が考えられます。肥料過多の場合、根が肥料焼けを起こして葉先に症状が現れます。この場合は水を完全に交換し、しばらく肥料を控えてください。また、空気の乾燥も葉先の枯れを引き起こします。特に冬場の暖房による乾燥には注意が必要で、時々、葉水をする(霧吹きで葉に水をふきかける)と予防になります。根詰まりも原因の一つですが、水耕栽培では土栽培ほど深刻な問題にはなりません。

 

Q: サンスベリアから子株が出てきました。どうすればいいですか

A: 子株が出てくるのは株が健康に育っている証拠です。子株が十分に成長し、根が数本出ている状態になったら、清潔なハサミで親株から切り離すことができます。切り離した子株は独立した株として別の容器で水耕栽培を続けることができます。切り口は数日乾燥させてから水に入れると腐敗のリスクが減ります。株分けで増やした子株は、親株の特徴をそのまま受け継ぐため、斑入り品種の場合でも斑が維持されます。

 

Q: 水耕栽培から土栽培に戻すことはできますか

A: 水耕栽培で育てたサンスベリアを土栽培に戻すことは可能ですが、植物が環境の変化に適応するまで時間がかかります。土に植え替える際は、水耕栽培用の根を傷つけないよう慎重に扱い、水はけの良い用土を使用します。植え替え直後は水を控えめにし、徐々に通常の水やりに移行していきます。最初の数週間は葉が黄色くなったり成長が止まったりすることがありますが、徐々に土の環境に適応していきます。

 

Q: 冬場に葉がしおれてきました。どう対処すればよいですか

A: 冬場にサンスベリアがしおれる主な原因は低温です。サンスベリアは寒さに弱く、10℃以下になると生育が止まり、5℃以下では枯れる危険性があります。まず室温を確認し、15℃以上を保てる場所に移動させてください。窓際は夜間に冷え込むため、夜は部屋の中央寄りの暖かい場所に移すとよいでしょう。水の量も控えめにし、冬場は根の先端がわずかに水に触れる程度の水位を保ちます。暖房器具の温風が直接当たる場所も避けてください。

 

6、まとめ

サンスベリアの水耕栽培は、清潔で管理しやすく初心者に最適な育て方です。この記事でご紹介した重要ポイントをまとめます。

水耕栽培の基本

  • 透明容器で根の状態を観察しながら育てる
  • 水道水を使用し、根の先が少し浸かる程度の水位を保つ
  • 週1回の水足し、2〜3週間に1度の完全交換が基本

日々の管理のコツ

  • 置き場所はレースカーテン越しの明るい日陰が最適
  • 室温は15℃以上、理想は20℃前後を維持
  • 肥料は基本不要、成長を促したい場合は葉面散布で月1回程度

季節ごとのケア

  • 春〜夏は生育期で水替え頻度を増やし、適度に施肥
  • 秋〜冬は休眠期で水を控えめに、暖かい場所で管理

トラブル対処法

  • 根が茶色→根腐れのサイン、水位を下げて交換頻度を上げる
  • 葉が黄色→日光不足や肥料過多、環境を見直す
  • 水が緑色→藻の発生、遮光して水替え頻度を増やす

 

 

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