ダイソー商品で始める水耕栽培ガイド|野菜も観葉植物も手軽に育てる方法
【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2025年11月15日
家庭で新鮮な野菜を収穫したい、お部屋をグリーンで彩りたいと思っても、土の扱いや高額なキット購入に躊躇していませんか。実はダイソーなどの100円ショップで入手できる商品を活用すれば、土を使わず清潔で手軽に始められる水耕栽培という選択肢があります。この栽培法なら虫の心配も少なく、室内の小さなスペースでも野菜や観葉植物を育てることができます。
本記事では、ダイソーで購入可能な種や観葉植物を使った水耕栽培の基本から、実際の栽培手順、よくある失敗と対処法まで、園芸初心者の方にも分かりやすくお伝えします。
1、ダイソー商品で水耕栽培を始める3つのメリット
ダイソーなどの100円ショップを活用した水耕栽培には、従来の土栽培や高価な専用キットにはない魅力があります。
初期費用がわずか数百円で済むため、気軽に試すことができます。市販の専用キットは数千円かかることが多いですが、ダイソーの容器やスポンジ、種を組み合わせれば300円程度からスタート可能です。何より全国どこでも入手しやすく、追加の材料が必要になってもすぐに買い足せるのが便利です。
土を使用しないため室内でも清潔に育てられるのが大きな利点です。土ぼこりが飛び散る心配がなく、害虫の発生も抑えられます。窓辺やキッチンの小さなスペースでも栽培でき、アパートやマンション住まいでも気軽に挑戦できます。水の管理も目で見て確認できるため、水やりのタイミングが分かりやすく失敗が少なくなります。
成長の過程を観察する楽しさも水耕栽培ならではの魅力です。透明な容器を使えば根の伸び方まで見ることができ、植物の生命力を日々実感できます。特にお子さんと一緒に育てれば、自由研究や食育の教材としても活用できるでしょう。
2、ダイソーで手に入る野菜の種と栽培コツ

ダイソーでは年間を通じて様々な野菜やハーブの種が販売されており、水耕栽培に適した品種を選ぶことができます。
水耕栽培で特に育てやすいのは、水菜、春菊、小松菜、ルッコラ、バジル、イタリアンパセリなどの葉物野菜やハーブです。これらは発芽率が高く、種まきから収穫までの期間が短いため、初心者でも成功しやすい特徴があります。水菜や春菊なら約1ヶ月で初収穫を迎えられ、その後も根元を残して切り取れば2回から3回の収穫が楽しめます。
栽培に必要な材料もすべてダイソーで揃います。500ミリリットルのプラスチック容器、2層構造のキッチン用スポンジ、アルミホイルがあれば栽培キットが完成します。スポンジは容器の口に合わせてカットし、1センチメートル程度の間隔で格子状に切り込みを入れます。この切り込みに種をまき、楊枝で押し込むことで発芽の準備が整います。
容器にはアルミホイルを巻いて遮光することが重要です。これにより水温の上昇を防ぎ、藻の発生を抑えることができます。発芽までは直射日光の当たる場所に置き、スポンジが常に水に触れるよう水位を保ちます。本葉が2枚から3枚出てきたら、水道水から養液に切り替えると成長が加速します。
季節による管理の違いにも注意が必要です。春と秋は最も栽培しやすい時期ですが、夏は水温が上がりやすいため午後は半日陰に移動させ、冬は室内の明るい窓辺で育てるとよいでしょう。
3、ダイソーの観葉植物を水耕栽培に切り替える方法
ダイソーでは土に植わった観葉植物も販売されており、これらを水耕栽培に切り替えることで長く楽しむことができます。
パキラはダイソーで入手できる観葉植物の中でも特に水耕栽培に適しています。美しい葉と育てやすさから人気があり、風水では金運アップの効果があるとされています。土栽培から水耕栽培への移行は、気温が20度から25度前後の時期である5月から6月、または10月から11月が最適です。
移行手順はシンプルです。まず鉢から植物を取り出し、根についた土を丁寧に水で洗い流します。楊枝などを使って根の隙間の土も完全に落とすことが大切です。土が残っていると根腐れの原因になるため、この工程は念入りに行いましょう。清潔な容器に入れ、根の一部が水に浸かる程度に水を張ります。
水に適応するまでの最初の3週間から5週間は毎日水を交換し、根の様子を観察します。白い新しい根が出てきたら水環境に適応した証拠です。この段階まで来れば、水替えは週1回程度で問題ありません。直射日光の当たらない明るい場所に置き、葉が黄色くなったり根が茶色く変色したりしないか定期的にチェックします。
シノブという日本原産のシダ植物も、ダイソーで購入して水耕栽培できる面白い選択肢です。石に根を絡ませてテグスで固定し、ガラス容器に入れれば和風のインテリアとして楽しめます。乾燥に強く初心者向けの植物で、根の数本が水に浸かる程度に水位を調整し、3日から4日に1度水を継ぎ足すだけで育ちます。
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4、水耕栽培で失敗しないための重要ポイント
水耕栽培は手軽ですが、いくつかの点に注意しないと失敗することがあります。
発芽しない原因として最も多いのは温度管理の失敗です。種の発芽には20度から25度の温度が最適で、30度を超える真夏や15度を下回る真冬は避けましょう。また、スポンジの切り込みが深すぎると種が水に浸かって腐り、浅すぎると乾燥してしまいます。5ミリメートル程度の深さが理想的です。
成長期によく見られるトラブルは葉の黄変と根腐れです。葉が黄色くなるのは栄養不足のサインなので、本葉が出たら速やかに養液に切り替えます。根が茶色く柔らかくなったら根腐れの可能性があり、水温が高すぎることが原因です。養液を全交換し、夏場は容器を日陰に移動させて水温を下げましょう。
水の管理では、常にスポンジや根の一部が水に触れている状態を保つことが重要です。水が完全に蒸発してしまうと植物は枯れてしまいます。また、水道水を使用することで塩素の殺菌効果により雑菌の繁殖を防げます。浄水やミネラルウォーターは腐敗しやすくなるため避けてください。
5、収穫と長く楽しむための管理方法
せっかく育てた野菜や植物を長く楽しむためには、適切な収穫と日々の管理が欠かせません。
野菜の収穫では、根元を1センチメートルから2センチメートル残して切ることがポイントです。成長点を残すことで、そこから新しい芽が出て繰り返し収穫できます。全部刈り取ってしまうと再生しないため注意が必要です。初回の収穫が最も葉が柔らかく美味しいので、サラダなど生食で楽しむとよいでしょう。
観葉植物を長持ちさせるには、季節に応じたケアが必要です。成長期である春から秋は月1回から2回程度、薄めた液体肥料を葉に散布すると元気に育ちます。冬は成長が鈍化するため肥料の回数を減らします。また定期的に葉のホコリを湿った布で拭き取り、容器もこまめに洗って藻の発生を防ぎましょう。
水替えの頻度も植物の状態に合わせて調整します。最初は毎日、根が十分に出たら週1回が基本ですが、夏場は水が腐りやすいため頻度を上げる必要があります。水が濁ったり容器にぬめりが出たりしたら、すぐに容器ごとよく洗って新しい水と交換してください。
6、まとめ
ダイソーの商品を活用した水耕栽培は、初期費用わずか数百円から始められる手軽な栽培方法です。土を使わないため清潔で、虫の心配も少なく、室内の小さなスペースでも野菜や観葉植物を育てられます。
野菜なら水菜や春菊が約1ヶ月で収穫でき、2回から3回の連続収穫も可能です。観葉植物ではパキラやシノブが水耕栽培に適しており、透明な容器で根の成長を観察する楽しみもあります。失敗を避けるには、適切な温度管理、こまめな水替え、スポンジの切り込み深さに注意することが大切です。
この週末から、キッチンの片隅やお部屋の窓辺で、ダイソー商品を使った水耕栽培を始めてみませんか。新鮮な野菜を収穫する喜びや、グリーンのある暮らしの癒しを、きっと実感できるはずです。
【この記事を執筆した人】WOOTANG代表/植物アーティスト。植物をもっと身近に気軽に育てて欲しいという想いから2020年に水だけ育てる観葉植物ブランド「 WOOTANG(ウータン)」を立ち上げる。その他「植物×アート」制作を行い、インテリア、空間デザイン、メディアなどを通して提案している。<プロフィールページを見る>![]()












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