【執筆者】中島大輔(WOOTANG代表)【最終更新日】2026年9月22日
「お気に入りの観葉植物を増やしてみたいけれど、どうやればいいかわからない」「挿し木に挑戦したけど腐らせてしまった」——観葉植物を増やす方法に興味を持つと、こうした疑問や失敗にぶつかることがあります。
観葉植物を増やす方法は、大きく分けると水挿し・葉挿し・株分けの3つです。どれも特別な道具を必要とせず、清潔なハサミと容器があれば始められますが、植物の種類に合った方法を選び、正しい手順で行うことが成功のポイントです。
この記事では、水耕栽培専門店として観葉植物を扱ってきたWOOTANGが、3つの増やし方の基本と手順、失敗しないコツ、よくあるトラブルの対処法まで、初心者にもわかりやすく解説します。モンステラやポトス、パキラなど植物別の詳しい増やし方記事もあわせてご紹介しますので、気になる植物が決まっている方はそちらもチェックしてみてください。
観葉植物の増やし方は主に3つ
観葉植物を増やす方法は、植物のどの部分を使うかによって主に3つに分けられます。それぞれの特徴を知っておくと、手持ちの植物に合った方法を選びやすくなります。
水挿し・葉挿し・株分けの違い

| 方法 | 使う部分 | 特徴 |
|---|---|---|
| 水挿し | 茎(挿し穂) | 茎をカットして水に挿し、発根させる方法。つる性・茎立ち性の植物に向く。もっとも定番で成功率が高い |
| 葉挿し | 葉 | 葉を1枚切り取り、水に挿して発根させる方法。多肉質の葉を持つ植物に向く |
| 株分け | 子株・根 | 親株のそばに出た子株を切り離して独立させる方法。根が十分に育った株で行う |
いずれの方法も、植物が生育期に入る春から夏(5〜9月頃)が適期です。気温が低い時期は発根までに時間がかかったり、切り口から腐敗しやすくなったりするため、できるだけ暖かい季節に挑戦しましょう。
植物のタイプ別・向いている増やし方

すべての植物がどの方法にも対応しているわけではありません。植物の性質によって、向き不向きがあります。
| 植物のタイプ | 向いている増やし方 | 代表的な植物 |
|---|---|---|
| つる性・茎が伸びるタイプ | 水挿し | ポトス、モンステラ、フィロデンドロン、オキシカルディウム |
| 節を持つ木立ちタイプ | 水挿し | ドラセナ、ミリオンバンブー、パキラ、ウンベラータ |
| 多肉質の葉を持つタイプ | 葉挿し | サンスベリア |
| 子株が出やすいタイプ | 株分け | アグラオネマ |
増やす前に知っておきたい共通の準備
方法は違っても、増やす前に押さえておきたい基本の準備は共通しています。
増やすのに適した時期
もっとも成功しやすいのは、植物の生育が活発になる5〜9月です。特に気温が安定する5〜7月は発根も早く、初めて挑戦する方にもおすすめの時期です。冬場は生育が緩やかになり、切り口から腐敗するリスクも高まるため、できるだけ避けましょう。
必要な道具
増やし方に共通して必要なものは、次のとおりです。
- 透明な容器(発根の様子を観察しやすいガラス製がおすすめ)
- 水道水
- ミリオンA(天然鉱石・珪酸塩白土):必須ではないが、あると発根がスムーズになるアイテム
- 清潔なハサミやカッターナイフ(雑菌の混入を防ぐため、使用前にアルコール消毒するのがおすすめ)

容器は、根の状態を確認しやすい水耕栽培専用の器を使うと、発根後もそのまま水耕栽培に移行できて便利です。
ミリオンAは、水を浄化して雑菌の繁殖を抑え、発根を促進してくれる天然鉱石です。昔は傷の治療にも使われていたほど安全性の高い素材で、容器の底に少量入れておくだけで水の清潔さを保ちやすくなります。水挿し・葉挿しどちらにも使えるので、発根率を少しでも高めたい方は取り入れてみましょう。
水挿しで増やす方法【基本の手順】
水挿しは、茎をカットして水に挿し発根させる、もっとも定番の増やし方です。ポトスやモンステラなど、つる性・茎立ち性の植物に向いています。
①挿し穂を準備する

健康な茎を10〜20cm程度の長さでカットします。節を1〜3個含めるのがポイントで、切り口は斜めにカットすると水に触れる面積が広がり、発根しやすくなります。水に浸かる部分に葉が付いている場合は、あらかじめ取り除いておきましょう。葉が水に浸かったままだと腐敗の原因になります。
②水に挿す

切り口から3〜4cm程度が水に浸かる水位を目安に、透明な容器に挿します。直射日光の当たらない明るい場所に置きましょう。容器の底にミリオンAを少量入れておくと、水の清潔さを保ちやすくなり、発根の促進にも役立ちます。
③発根までの管理

水は清潔な状態を保つことが発根の成功率を左右します。気温が高い時期は2〜3日に1回、それ以外の時期は週1回を目安に水を交換しましょう。発根までの期間は植物によって差があり、早いもので1〜2週間、遅いものでは1〜2ヶ月ほどかかることもあります。
④発根後の育て方

根が5cm前後に育ったら、そのまま水耕栽培を続けるか、土に植え替えるかを選べます。水耕栽培を続ける場合は、水替えを週1回の足し水、2〜3週間に1回の完全交換というペースに切り替えていきましょう。
葉挿しで増やす方法【基本の手順】
葉挿しは、葉を1枚切り取って水に挿し、発根させる方法です。サンスベリアのように多肉質の葉を持つ植物に向いています。
①葉を切り取る

健康な親株から、葉を1枚選びます。株を傷めないよう、外側の葉を根元付近でカットしましょう。
②切り口を乾かす
カットした切り口は、すぐに水に挿さず、半日から1日ほど乾かします。この工程を挟むことで、切り口から雑菌が入るのを防ぎ、腐敗のリスクを減らせます。
③水に挿して管理する

切り口が乾いたら、水位2〜3cm程度の透明な容器に挿します。発根前は2〜3日に1回、夏場は毎日を目安に水を交換し、清潔な状態を保ちましょう。発根には2週間〜1ヶ月程度かかり、気温が低い時期はさらに時間がかかることがあります。
④発根後の管理

根が3〜5cm程度に伸びたら、そのまま水耕栽培を続けるか、土への植え替えが可能です。水耕栽培を続ける場合は、根の成長に合わせて徐々に水位を上げていきましょう。
株分けで増やす方法【基本の手順】
株分けは、親株のそばに出てきた子株を切り離して、独立した株として育てる方法です。アグラオネマのように子株が出やすい植物に向いています。
①子株の状態を確認する
子株が十分に成長し、根が数本出ている状態になるまで待ちます。根が育っていない段階で切り離すと、その後の生育が不安定になりやすいので注意しましょう。
②親株から切り離す

清潔なハサミを使い、根を傷めないよう注意しながら親株と子株を丁寧に分けます。切り口は半日程度、乾燥させてから水に入れると、腐敗のリスクを減らせます。
③別の容器で管理する

切り離した子株は、独立した株として別の容器で水耕栽培を継続できます。株分けで増やした株は親株の特徴をそのまま受け継ぐため、斑入り品種の場合でも斑が維持されるのが特徴です。株分けは、挿し木や水挿しに比べて成功率が高いといわれています。
植物別の増やし方まとめ【詳しい手順はこちら】
植物によって、挿し穂の長さや発根までの期間、注意点が少しずつ異なります。WOOTANGで詳しく解説している植物別の増やし方記事を一覧にまとめました。気になる植物が見つかったら、リンク先の記事もぜひチェックしてみてください。
| 植物名 | 方法 | 詳しい増やし方 |
|---|---|---|
| モンステラ | 水挿し | 育て方を見る / 商品を見る |
| ポトス | 水挿し | 育て方を見る / 商品を見る |
| ミリオンバンブー | 水挿し | 育て方を見る / 商品を見る |
| ドラセナ | 水挿し | 育て方を見る / 商品を見る |
| ウンベラータ | 水挿し | 育て方を見る |
| パキラ | 水挿し | 育て方を見る / 商品を見る |
| サンスベリア | 葉挿し | 育て方を見る / 商品を見る |
| アグラオネマ | 株分け | 育て方を見る / 商品を見る |
| アイビー | 水挿し | 育て方を見る |
| ローズマリー | 水挿し | 育て方を見る |
増やした後の管理と植え替えのタイミング
発根したあとも、いきなり通常の管理に切り替えるのではなく、段階的に移行することが大切です。
- 根が2〜3cm程度:まだデリケートな時期。水を清潔に保ち、直射日光を避ける
- 根が5cm前後:水耕栽培への本格移行、または土への植え替えが可能な目安
- 新芽が出始めたら:新しい環境に順応したサイン。通常の管理ペースに移行してよい
植え替え直後は葉がしおれたり、成長が一時的に止まったりすることがありますが、多くの場合は一時的な反応です。焦らず数週間ほど様子を見ましょう。
よくある失敗と対処法(トラブルシューティング)
増やし方に挑戦する中で起こりやすいトラブルと、その対処法をまとめました。
発根しない
発根までの期間は植物によって幅があり、早いものは1〜2週間、遅いものは1〜2ヶ月ほどかかります。期間内であれば焦らず様子を見て問題ありません。長期間経っても変化がない場合は、置き場所が暗すぎないか、水を清潔に保てているかを見直しましょう。
挿し穂や葉が腐ってしまった
水に浸かる部分に葉が残っていたり、水替えの頻度が少なかったりすると、雑菌が繁殖して腐敗しやすくなります。腐った部分は取り除き、水を全交換したうえで、水に浸かる葉をきちんと取り除けているか確認しましょう。
切り口から茶色く変色してきた
切り口の変色は、雑菌の繁殖や水質の悪化が主な原因です。清潔なハサミで変色部分を切り戻し、水を交換して様子を見てください。切り口を乾燥させる工程を省いていた場合は、次回から半日〜1日ほど乾かしてから水に挿すようにしましょう。
よくある質問(Q&A)
Q: 増やすのに一番簡単な方法はどれですか?
A: 初めての方には水挿しがおすすめです。特にポトスやアイビーは生育旺盛で発根しやすく、失敗が少ない植物です。
Q: 増やした株はすぐに土に植え替えないといけませんか?
A: その必要はありません。根が5cm前後に育った時点で、そのまま水耕栽培を続けることも、土に植え替えることも選べます。水耕栽培のまま育てても問題なく成長します。
Q: 冬に増やすことはできますか?
A: 不可能ではありませんが、発根までに時間がかかり、腐敗のリスクも高まるためおすすめしません。できるだけ生育期にあたる5〜9月に行いましょう。
Q: 水を交換する際、肥料を入れてもいいですか?
A: 発根前の水に肥料を入れるのは避けましょう。根が出ていない状態では肥料を吸収できず、水質の悪化を招くだけになってしまいます。肥料は発根後、水耕栽培に移行してから、薄めた液体肥料を葉面散布で与えるのが基本です。
Q: 株分けした子株はすぐに親株と同じように育てられますか?
A: 切り離した直後はデリケートな時期です。直射日光を避けた明るい場所で管理し、新しい環境に慣れてから通常のケアに移行しましょう。
まとめ
観葉植物の増やし方は、植物の性質に合った方法を選び、清潔な道具と正しい手順で行えば、初心者でも十分に成功できます。最後に、この記事の重要ポイントをまとめます。
増やし方の基本
- 方法は水挿し・葉挿し・株分けの3つ。植物のタイプに合わせて選ぶ
- 適期は生育期にあたる5〜9月、特に5〜7月がおすすめ
- 清潔なハサミと容器を用意し、雑菌の混入を防ぐ
手順のポイント
- 水挿し:節を含めて10〜20cmでカットし、水に浸かる葉は取り除く
- 葉挿し:切り口を半日〜1日乾かしてから水に挿す
- 株分け:根が数本出た子株を丁寧に切り離す
トラブル対処法
- 発根しない→期間内なら様子見。長引く場合は置き場所と水質を見直す
- 腐ってしまった→水に浸かる葉の取り除き漏れや水替え不足が主な原因
- 切り口が変色→雑菌が原因のことが多い。切り戻して水を交換する
植物ごとの詳しい手順は、上の一覧表からそれぞれの育て方記事でも確認できます。増やした株をこれから育てたい方は、水耕栽培専用の器もあわせてチェックしてみてください。
